企業のDXが進む中、政府や企業もそれらを支えるべくさまざまな支援を講じている。また昨今注目を集めているAIテクノロジーを搭載した最新ビジネスノートPCなど、今注目のトレンドニュースを3本に分けて紹介していこう。

Policy
地域金融機関や地域のITベンダーなどを通じて
中小企業のDX推進を支援する
「DX支援ガイダンス」

本誌2024年3月号の巻頭特集「クラウドの2026年問題を乗り切る」で報じた通り、経済産業省は地域金融機関や地域のITベンダーを通じて、地域の中堅・中小企業のDXへの取り組みを推進する支援策の検討を進めてきた。そして今年3月27日にその取りまとめとなる「DX支援ガイダンス 〜デジタル化から始める中堅・中小企業等の伴走支援アプローチ〜」を公表した。DXへの取り組みが遅れている中堅・中小企業にデジタル化を促して本業の成長につなげるとともに、地域金融機関と地域のITベンダーに新たなビジネスチャンスをもたらすシナリオだ。

独力でのDX推進は困難
中長期の伴走型支援が必要

経済産業省
河﨑幸徳

 今年3月27日に公表された「DX支援ガイダンス 〜デジタル化から始める中堅・中小企業等の伴走支援アプローチ〜」は、地域金融機関や地域のITベンダーなどが支援機関となり、地域の中堅・中小企業のDXへの取り組みを支援するための手引書であり「有益な参考書」となることを目的に公表されたものだ。

 政府はこれまでも中堅・中小企業のDXを促進するための支援策を数多く提供してきた。それらの支援策は主にDXを推進する企業を直接支援するものだが、次のような課題があった。DX支援ガイダンスの検討・策定に携わった経済産業省 商務情報政策局 情報技術利用促進課(ITイノベーション課)で地域情報化人材育成促進室長およびデジタル高度化推進室長を務める河﨑幸徳氏は次のように説明する。

「これまで政府は中堅・中小企業に対して各種補助金や表彰制度など、企業を直接支援する「個社支援」を実施してきました。しかし多くの中堅・中小企業ではデジタルに関するスキルを有する人材を獲得することが非常に難しい状況であり、独力でのDX推進は困難なのが実情です」と指摘する。

 そして「デジタルを活用すれば企業が目指すあるべき姿に一足飛びで実現できるわけではなく、目標に向けて段階的に進める中長期的な取り組みが必要です。そのため中堅・中小企業のDXを促進するには支援機関による伴走型の支援が必要だと考えています」と説明する。

 DX支援ガイダンスでは地方銀行や第二地方銀行、信用金庫、信用組合などの地域金融機関と、地域のITベンダーおよびコンサルタントに加えて、クラウドサービスプロバイダー(SaaSツール事業者)、大手ITベンダー、地方公共団体、商工会や商工会議所、中央会、税理士や公認会計士、社会保険労務士などの士業、業界団体、そして大学などの教育機関を具体的な支援機関に挙げている。

 これらの中で地域金融機関と地域のITベンダーおよびコンサルタントが「主治医」の役割を担い、ほかの支援機関と連携して協働で中堅・中小企業のDX推進の支援に取り組む構図となっている。

地域金融機関と地域ITベンダーが
支援機関に適している理由とは

 地域金融機関と地域のITベンダーおよびコンサルタントに主治医としての役割を期待するのには理由がある。まず地域金融機関は顧客である地域の中堅・中小企業や地域経済と運命共同体であると指摘する。顧客の本業が成長しなければ金融機関も、地域経済も振興しないという関係性があるからだ。

 そして業種業態を問わず顧客の本業の成長に効果が期待できるのがデジタル化だ。例えば紙の文書を用いる業務をシステム化することでデータが収集でき、業務が可視化可能だ。そのデータを基に業務の課題を洗い出して効率化および合理化を図ったり、経営環境を強化したりするなどして本業の成長につなげられる。

 ただしデジタル化は長期にわたる段階的な取り組みが必要で、投資も伴う。地域金融機関は顧客の経営者や経営層と、経営や資金について密接にコミュニケーションを取っており、信頼を得ている。そのため中長期的に伴走型でDX推進を支援するのに適しているというわけだ。

 地域のITベンダーについては現在、デジタル人材の不足により首都圏から委託される業務で成長を続けている。しかし近い将来、システム開発は生成AIなどテクノロジーの進歩によってビジネスの環境が大きく変化するとみられる。

 そうしたリスクに対して地域の中堅・中小企業のデジタル化を支援する事業を展開することで新たな顧客の獲得につながり、中長期の伴走型サービスにより継続的な売り上げが期待できるなどのメリットがある。

 また支援先企業からのさまざまな要望に応じるために社員をリスキリングすることで、優秀な社員の育成と人材の定着にもつながる。そして地域のコンサルタントは、そもそも顧客の本業を支援しており、その一環として顧客のDX推進を支援しやすい。

BPOプラットフォームで間接業務を受託
支援機関にも新たなビジネスをもたらす

 DX支援ガイダンスでの具体的な支援策について、支援先企業における直接利益を生まない業務(間接業務)に積極的にデジタルツールを活用して省力化を推進することを例示している。

 財務会計や勤怠管理、人事給与などの間接業務を省力化することで限られた経営資源を競争領域に集中させることによりDXを推進するというシナリオだ。その省力化の方法としてBPO(業務プロセスの外部委託)を挙げている。

 地域金融機関や地域のITベンダーおよびシステム開発能力のある企業が連携してクラウド上にBPOプラットフォームを構築し、そこでSaaSサービスを利用するなどして支援機関が支援先企業の間接業務を請け負うというイメージだ。

 BPOプラットフォームを構築して間接業務を請け負うことで支援先企業の間接業務のデジタル化が推進されるとともに、業務の共通化、標準化が進み支援機関の業務も効率化できる。もちろん地域金融機関や地域のITベンダーなどに新たなビジネスももたらす。

 さらに河﨑氏は「支援先企業の財務会計や購買などの間接業務をクラウドで処理することで、地域金融機関は顧客の資金の出納をはじめ財務状況がリアルタイムで把握できます。この情報を基にリアルタイムに与信を与えられるなど、銀行業務のDXにもつながります。また経営状況や財務状況に応じてアドバイスを提供するなどコンサルタントサービスも提供できます。また税理士にとっても本業ではない紙の帳票等のデジタル化や整理から解放され、税務に関するサービスに注力できます」と説明する。

 また「クラウドサービスはユーザーが使っているのかを確認できますので、使っていない支援先企業に対して活用に向けたアドバイスを手厚くし、また積極的に活用している支援先企業に対してはデジタル化をステップアップする提案を行うということにも役立ちます」と説明を続ける。

 中堅・中小企業のデジタル化なくして日本全体のDXは進まないことは言うまでもない。DX支援ガイダンスはなかなか進まなかった中堅・中小企業のデジタル化を促進できるのか。まずはDX支援ガイダンスを支援機関に広く認知してもらうことが喫緊の課題だ。その施策の一つとして、地域DX推進ラボの活用が挙げられる。全国に設置されている地域DX推進ラボをハブ拠点として、DX支援ガイダンスに沿って支援機関同士が連携して地域の中堅・中小企業のデジタル化・DXを伴走支援していく。すでに北海道釧路市や大阪府堺市、新潟県燕市、茨城県などで支援機関同士が連携した支援活動が始まっており、成果を上げているという。地域ITベンダーはDX支援ガイダンスが生み出す新たな商機に注目すべきだろう。

Ecosystem
中堅・中小企業と大学・研究機関をつなぎ
「DX迷子」からの脱却を産学連携で支援する

デル・テクノロジーズは4月10日、産学連携で中堅・中小企業のDX推進を支援するためのプラットフォーム「DXイノベーションコネクト」の提供を発表した。デル・テクノロジーズはDXイノベーションコネクトを通じて、DXを推進したいがノウハウも予算もない企業と、企業と共同研究をしたい大学や研究機関をマッチングするプラットフォームを提供し、企業DXを加速させるエコシステムを構築する狙いだ。

大学・研究機関がDX PoCを実施
システムの具現化でビジネス化

 デル・テクノロジーズが新たに提供する「DXイノベーションコネクト」は中堅・中小企業を中心としたDXを推進したい企業と、企業へのDXの実装を実践的に研究したい大学や研究機関をつなぐ、マッチングプラットフォームだ。企業のDXに関する要望と大学・研究機関をマッチングさせて企業DXのPoC(概念実証)を実施し、その成果を反映したシステムを具現化して企業のDX推進を支援する構図だ。

 デル・テクノロジーズは奈良先端科学技術大学院大学(以下、奈良先端科学技術大)発のベンチャー企業であるdToshとマッチングプラットフォームを運営し、マッチングサイトを提供する。なおマッチングサイトの利用に際して費用は発生しない。またPoCは企業と大学あるいは研究機関との直接契約によって実施され、デル・テクノロジーズは関与しない。

 システムの具現化の際は大学発のベンチャー企業やデル・テクノロジーズのDX協業ベンダーが参画するとともに、将来的には地域金融機関と連携して融資や投資をつなげるなど、企業DXを加速させるエコシステムの構築を目指す。

 DXイノベーションコネクトの説明会に登壇したデル・テクノロジーズの諸原裕二氏は「DXイノベーションコネクトは企業に低コストで大学・研究機関の最新技術を利用したPoCが実施できる機会を提供し、大学・研究機関には企業DXのPoCに挑める機会を提供します。現在は2020年に提供を始めたDXの実現に必要なデジタル人材の育成・実践プログラムであるDXアクセラレーションプログラムを一緒に推進してきた奈良先端科学技術大さまが参画していますが、今後は大学および研究機関の参画を広げていきます」と説明する。

 そして「PoCは大学・研究機関が中心となって実施しますが、システムの具現化にはデル・テクノロジーズのDXイノベーションコネクトパートナーやDell de AI “デル邂逅(であい)”パートナーも参画できます。また地域金融機関に地元企業への投資や融資をサポートしていただき、さらに自治体にも参画していただいて地域における産官学が連携する企業DXエコシステムを構築し、地域の大学や企業からのベンチャー企業の立ち上げを促進するなど、地域振興につなげていきたいと考えています」と意気込みを語る。

デル・テクノロジーズ
西日本副支社長 兼
広域営業統括本部
フィールドセールス本部
西日本営業部長
木村佳博
デル・テクノロジーズ
執行役員
広域営業統括本部長
中野史紀
奈良先端科学技術大学院大学
情報科学研究科 教授
情報科学領域長
安本慶一
デル・テクノロジーズ
常務執行役員
公共営業統括本部長 兼
データセンター ソリューションズ事業統括本部長
諸原裕二

DX実現はわずかだが意欲は高い
専門家の伴走でPoCに進める

 DXイノベーションコネクトは専用のマッチングサイトから利用する仕組みだが、その際に提供されるのが五つのプログラムだ。

 DXイノベーションコネクトでは「企業DXをどこから手を付けていいのか分からない企業」「業務の自動化・高度化から手を付けたい企業」「社内のデジタル人材を育成したい企業」に向けて、DXアクセラレーションプログラムを継承する「DX Learning Community(データ分析・戦略立案)」をはじめ「ゼロタッチ タスク(RPA・業務自動化)」や「ローカル生成AIパッケージ(問合せ自動応答)」、「DXワークショップ(要件定義支援)」、そして「DXエンジニア養成講座(AI実装)」の五つのパッケージを提供する。さらに「Azure OpenAI」と「Llama2」をそれぞれ利用する二つの「ローカル生成AIパッケージ」も提供する。

 DXイノベーションコネクトの提供に至った経緯についてデル・テクノロジーズの中野史紀氏は、同社が2017年より実施している「中堅・中小企業IT投資動向調査」の結果を挙げる。同社は継続的に企業DXの促進を支援してきたが、同調査の「2023追跡調査」で、企業DXを実現している企業はわずか8%にとどまっているという。

DXイノベーションコネクトのマッチングサイトの画面。

 その一方でDX予算を増額する企業が40%、生成AIなどのテクノロジーを活用してDXを実現したい企業が73%、不足するデジタル人材を内製化で確保する企業が66%という結果も得られ、多くの企業がDX推進に前向きであることが分かる。

 中野氏は「DXアクセラレーションプログラムではデジタル人材育成プログラムや企業DX実践プログラムなど、多くのプログラムを開発し、提供してきました。DXに取り組む企業に伴走支援してDXを実現する事例がある一方で、8%という数字から課題も明らかになりました。DX推進に意欲を持つ企業に対して、高い専門知識を持つ人材が伴走しなければPoCへ進めることは困難です。DXイノベーションコネクトは最高学府である大学の知財を活用してPoCを実施し、システムの具現化に進めていくことで企業のDXを促進していきます」と説明する。

 DXイノベーションコネクトに大学・研究機関として参画する奈良先端科学技術大の安本慶一氏は「若手の研究員が企業との共同研究先を探せること、民間企業にどのような課題があるのか、どのくらいの期間、費用、成果物を期待しているのかを擦り合わせられること、研究結果を企業に活用できること、若手研究員を育成できること、企業との連携により若手研究員のビジネスインキュベーションが期待できること、企業との共同研究を学科発表できることなどの効果を期待しています。当初は奈良先端科学技術大 情報科学領域の7研究室が参画しますが、参画を増やしていきたいと考えています」と語った。

DXイノベーションコネクトのマッチングサイトは以下のURLからアクセスできる。
https://dx-innovation-connect.com/

PC Trend
ビジネスノートPCの最新トレンドは
AI対応技術とサステナビリティ

PCメーカー各社から新製品が登場している。新製品の中でも目を引くのがNPUを内蔵したプロセッサーを搭載したAI PCだ。またハイブリッドワークに対応するセキュリティや、持続可能性に配慮したサステナビリティといったポイントも、最新のノートPCでは有効な訴求ポイントとなっている。レノボ・ジャパンと日本HPの新製品発表会の様子から、今のPCトレンドを見ていこう。

メンテナンス性を高めた
サステナブルなノートPC

レノボ・ジャパン
元嶋亮太

 レノボ・ジャパンは2024年3月26日に同社のノートPCである「ThinkPadシリーズ」の新製品発表会を開催した。

 最新のThinkPadシリーズは、オフィスの外でも創造性を発揮できる「Productivity」、場所の壁を感じずにつながり続ける「Collaboration」、設計段階から組み込まれた持続可能性へのフォーカス「Sustainability」の三つの観点から機能強化を行っている。

 まずProductivityでは、オフィスの外でも創造性を発揮できるようセキュリティとバッテリーライフの向上を実施した。具体的には、新しいThinkPadシリーズではUSB Type-Cの充電専用モードを新たに実装する。

 レノボ・ジャパン PC・スマートデバイス企画本部 企画本部 製品企画部 マネージャーの元嶋亮太氏は「さまざまな公共の場で、USB Type-CポートからPCへ充電できることが増えていますが、Type-Cはデータの転送も可能ですので、充電以外の機能が有効であるとそこにセキュリティリスクが生じます。ハイブリッドワークが広がる中で、オフィスの外で充電するケースも増えているでしょう。そうしたハイブリッドワーカーをセキュリティ脅威から守るため、一時的に充電以外の機能を無効化する機能を実装しています」と語る。また、CPUには最新のインテル Core Ultra プロセッサーを搭載しており、内蔵されるNPUによって利用体験とバッテリーライフの向上も実現している。

レノボ・ジャパン
米田雅春太

 キーボードアクセシビリティ強化も行った。ユーザーからの声に応え、CtrlとFnキーの標準位置を入れ替えたほか、ファンクションキーに割り当てる機能も見直した。また点字の入力に対応するため、全製品で六つのキーを同時に認識する6点入力をサポート。一部機種ではよく使われるキーに突起を追加し、主要なキーの位置を触るだけで分かるように改善した。

 Collaborationでは、「ThinkPad Tシリーズ」「ThinkPad Xシリーズ」に500万画素カメラ、「ThinkPad X1シリーズ」では、4K 800万画素 MIPIカメラの選択が可能になり、自然なビデオコラボレーション体験を支援する。4K MIPIカメラでは、Web会議に適したフルHDモードと、高い解像度を最大限に活用する4Kモードを、用途に応じて使い分けることが可能だ。

 Sustainabilityでは持続可能性に配慮した再生素材の採用や、メンテナンス性を重視した設計、使用後のリサイクルや買い取り対応などにより、設計段階からサステナビリティへの取り組みを行う。例えば「ThinkPad T14 Gen 5」「ThinkPad T16 Gen 3」の大容量バッテリーモデルでは、ユーザー自身がバッテリー交換可能な設計を新たに実装した。また「ThinkPad X1 Carbon Gen 12」の天板フレーム部分にはリサイクルカーボンファイバーを含有しており、筐体、内部部品の両面で再生由来素材の使用を強化した。「従来の性能を損なうことなく、再生材部品を増やすことで、サステナビリティへの取り組みに今後も注力していきます」とレノボ・ジャパン 大和研究所 ThinkPad Platform Development #2 マネージャーの米田雅春氏は語った。

サステナビリティを意識した新しいThinkPadシリーズでは、メンテナンス製を向上し、ユーザー自身がバッテリー交換などを行えるようになった。
キーボードアクセシビリティを強化し、エンターキーなど使用頻度の高いキーに新たに突起を付けている。

ファームウェア保護で
将来的な脅威にも対応できる

日本HP
岡 宣明

 日本HPでは、2024年を「AI PC幕開けの年」と定義している。そうしたAIを内蔵した個人向けPC、法人向けPC、モバイルワークステーションの新製品発表会が、2024年3月27日に開催された。発表会の冒頭では、ハイブリッドワークの普及や、AIが仕事との関係性をより良くする可能性が示された。日本HPが発表したAI PCはこの二つのトレンドを踏まえたものだ。

「AIは従業員の生産性を根本的に変革する可能性があります。一方でその活用にはスピードやセキュリティ対策も重要な課題です」と語るのは、日本HP 執行役員 パーソナルシステムズ事業本部 本部長 松浦 徹氏。

 日本HPの法人向けノートPCでは、生産性を最大化するPCとして「HP EliteBookシリーズ」と「HP ZBookシリーズ」からそれぞれ4機種が紹介された。

 まず一つ目に紹介されたのが「HP EliteBook 635 Aero G11」。重さ約1kgを実現した軽量のノートPCながら、オートメタルの筐体は堅牢性が高い。AI対応のNPUを実装する、次世代のAMD Ryzenプロセッサーを搭載している。日本HP パーソナルシステムズ事業本部 クライアントビジネス本部 CMIT製品部 部長 岡 宣明氏は「本モデルは日本からの強い要望により、日本ユーザーに適したスペックで開発しました。リリースもグローバルに先行し日本で発売されます」と需要の高さを語る。

 フラッグシップモデルとなる「HP EliteBook 1040 G11」はAIテクノロジーを内蔵した14インチノートPCで、従来機器の「HP EliteBook 1040 G10」と比較してグラフィックスのパフォーマンスが最大80%向上、AIコラボレーションの消費電力が最大38%低減するなど、大きく機能強化されている。

「HP EliteBook 800 G11シリーズ」はAIを活用した生産性向上を実現する、インテル Core Ultra 5および7プロセッサーを搭載。このインテル Core UltraにもAIテクノロジーが内蔵されており、前述のAMD Ryzenプロセッサー搭載のHP EliteBook 635 Aero G11同様、CPU、NPU、GPUの三つの生産性向上エンジンで、業務効率化を実現できる。また、AIを活用してPCの消費電力を調整したり、デバイスのノイズや温度、パフォーマンスといった要素をワークフローに合わせて自動的に最適化したりしてくれる「HP Smart Sense」を搭載しており、より高いパフォーマンスでハイブリッドワーク環境のモバイルノートPCの動作を支えてくれる。

 また最新のテクノロジーによるセキュリティ対策によって、ビジネスPCを保護している。具体的には同社のビジネスPCのセキュリティ基盤である「HP Endpoint Security Controller」(ESC)チップを刷新し、量子コンピューティングによるハッキングからファームウェアを保護している。非対称暗号を破れる量子コンピューティングの登場によりデジタル世界全体がリスクにさらされる予想がある中で、ESCチップはその将来的な脅威からファームウェアを保護してくれるのだ。生産性とセキュリティを最先端のテクノロジーで支えるのが、日本HPの最新ビジネスノートPCなのだ。

今回新たに発表したノートPCには、Windowsの対話型アシスタントにワンタップでアクセスできる「Windows Copilot」キーが搭載されている。
フラッグシップモデルのHP EliteBook 1040 G11。AIテクノロジーの内蔵により、従来機と比較してパフォーマンスが大きく向上している。