テーマ アクションカメラのビジネス活用

展示会の情報収集を動画や画像で効率化しよう!

最近は、写真撮影と言えばスマホの出番だ。だが、デジカメを持っていると意外に便利なケースも少なくない。特にお薦めするのがアクションカメラで、仕事の情報収集にも意外に役立つのだ。

とても小さなアクションカメラRX0 II。

カメラは二刀流が良い

 展示会や企業の見学などに出かける際には、必ずスマホに加えてカメラを持参する。最近はアクションカメラや360度カメラを持っていくことがほとんどだ。

 そもそも、スマホで十分に美しい動画や静止画が撮れるのにカメラを持参する理由はいくつかある。まず、ストレージの圧迫だ。僕が情報収集する際には、4K動画を撮影することが多い。その方がくっきりと細部まで撮れるので、多少遠くから撮影したり、広角で撮ったりしても必要な文字情報が読み取れるからだ。製品の細部も4Kなら拡大して見られる。

 スマホでも4Kや8K動画の撮影に対応する製品は多いのだが、展示会などでバンバン撮っているとストレージが不足する。そこで、アクションカメラを使い、SDカードを利用すれば、無制限に撮影できるわけだ。これは、電源も同様。スマホで動画を撮影しまくると、バッテリーが心もとなくなる。だが、メインの撮影はアクションカメラにまかせることで、スマホのバッテリーは保持できる。アクションカメラはバッテリーが交換できるタイプなら、いくらでも撮り続けられるわけだ。

 アクションカメラを持っている際には、動画をアクションカメラで撮影し、写真はスマホで撮るようにしている。こうすることで、後で仕分けするのが楽だし、PCなどにファイルを転送するときにも分かりやすい。もちろん、動画撮影を止めることなく、必要な部分の写真撮影もできる。例えば現場で情報が表示されているパネルなどはスマホで写真撮影する。名刺をもらっても撮っておくわけだ。

 アクションカメラは、小さな三脚に取り付けて手持ちで撮影したり、鞄のベルトなどにくくりつけたりするなどして撮影している。こんなアダプターが豊富なのも良いところ。スマホでの撮影よりも手がふさがらない。歩いていて自分が見た映像をそのまま残すことだってできる。

重量は本体のみで約117g、バッテリー、microSDカードを搭載して約132gとかなり軽い。
メニューはソニーのデジカメと共通なので、分かりやすい。

手ぶれ補正が強力だ

ブツ撮りに便利なのがモニターの角度調整だ。
※ハンドグリップはサードパーティー製品。

 アクションカメラは、スマホや一般的なデジカメに比べると手ぶれ補正に強い。今回例として取り上げるソニーの「RX0 II」は、4K動画の撮影に対応し、本体内電子手ぶれ補正で、手持ちでも手ぶれの少ない画像が撮れる。さらに専用のアプリでも補正できる。

 そもそもアクションカメラは、動きの激しいスポーツにも向くように設計されている。スノーボードやサーフィンなども撮影できるカメラなのだ。

 だからこそ、強力な手ぶれ補正が搭載されている。実はこれが仕事の情報記録にも大変役立つ。展示会などでは手に荷物をたくさん持ち、慌ただしい中で動画や写真を撮らなければならない。構図を決めて三脚を立てて撮影——などしている暇はないのだ。かなり適当に撮っても失敗しにくいのがとても重要。アクションカメラをお薦めする最大の理由が、このブレの少なさだ。また、360度カメラなら、適当に撮影しても周囲がぐるりと撮れている。撮影後に見返して、自分が気付いていなかった情報が手に入ることもあるし、見落としを調べることも可能だ。

 RX0 IIは、モニターの角度が調節できるので、手持ちで商品などを撮影する際のプレビューがとてもしやすい。また、専用のシューティンググリップも販売されており、手元でズーム、静止画・動画の切り替え撮影が可能なのも便利だ。

 両手を空けたいなら、体への取り付けがしやすい他のアクションカメラを選んでも良いだろう。いろいろな製品が発売されているので、用途に合わせて選べる。

バッテリー容量が少なめに感じられるが、交換できるので複数用意して使おう。
microSDカードでPCなどとファイルのやりとりが可能。

RX0 IIの使いやすさ

展示会でアクションカメラを使えば、メモを書くよりも確実に情報が記録できる。動画を撮っていれば、その時の印象などを自分の声で吹き込むことも可能だ。
※画面は専用アプリ「Imaging Edge Mobile」でデータを閲覧している様子。

 RX0 IIが使いやすいのは、ソニー製だからだ。というのも、メニューがソニー製デジカメと同様なので、利用した経験がある方はとても分かりやすい。

 僕自身もソニー製の一眼レフや動画撮影用のカメラを使っており、同じメニュー体系で操作できるので重宝している。

 画面がタッチセンサーではないのが残念だが、上下左右方向のボタンが分かりやすいので、迷わず使えるはずだ。

 また、バッテリーはNP-BJ1という型番で、ソニー製らしく入手性がよいのも良いところ。大手家電量販店や通販などで簡単に買えるはずだ。

 なお、バッテリー駆動の実動画撮影時間は約35分となっている。展示会などでガンガン撮影するなら、予備のバッテリーを二つか三つ用意していくべきだろう。

 例えば、セミナーの様子を延々と撮影したいような場合には、ACアダプターに接続して撮りっぱなしにする。メーカーが保証する撮影方法ではないと思うので、自己責任だがかなりの長時間撮影ができるはずだ。ただし、4Kだと熱で止まる可能性があるので、フルHDを推奨する。こんな使い方もスマホでは難しいので、専用のカメラが重宝する。

 RX0 IIは、防水なので屋外のイベントや展示会などでの撮影にも安心して使えるはずだ。

 ちなみに、仕事用に手に入れたアクションカメラは、個人的な旅行などにも楽しく使えることは、言うまでもないだろう。