肺がん・腎臓がん治療で長期入院していました
やや重めの個人的事情で恐縮ですが、2024年12月に肺がん・腎臓がんと診断され治療をしております。ステージ3とやや重めの状態ではあるものの、医師には「根治できる」として標準治療で根治を目指しているところです(三上洋YouTube)。抗がん剤投与と放射線治療を行っており、つい先日まで約2週間入院しておりました。
これらの治療では副作用が出る恐れがあるため、入院して経過観察するわけですが、私は幸運にも副作用がほとんど出ず、暇を持て余す入院生活となりました。そこでせっかくならモバイルとITで仕事がどこまでできるのか、病院や他の患者さんに迷惑をかけない範囲でいろいろ試しています。
理想の「院内Wi-Fi充実」。ないなら楽天やレンタル?
まずは回線環境。私が入院している病院は、ここ数年で建て替えが行われたこともあり、院内すべてに無料Wi-Fi(WPA2)が行き届いています。ありがたいことにスピードも下り20Mbps前後、上り10Mbpsは出ており、仕事用には十分。入院生活のお供とも言えるNetflixやYouTubeも楽しめます。混雑する平日日中はややスピードが落ちるものの、作業には一切支障ありません。
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もし入院先を選べるのであれば、Wi-Fiは必要条件と言っていいでしょう。新しい病院であればWi-Fiがあるところの方が多いはずです。もしかかりつけなどから紹介される病院が複数ある場合は、できるだけ新しくWi-Fiがあるところを選びましょう。
ただ実際問題として、私たちが入院先を選べる状況はあまりないでしょう。やむなくか緊急事態で入院することになることが多いわけで、Wi-Fiがない病院もあるでしょう。
その場合は、楽天モバイルなど使い放題契約のあるスマホ・ルーターか、短期間であればレンタルという選択肢もあります。
都心部であれば楽天モバイルでしょう。月額3278円の「最強プラン」で使い放題ですから、お持ちのスマホにサブ回線のeSIMとして入れてもいいですし、Wi-Fiルーターも同じ月額3278円で使い放題です。筆者はWi-Fiがなければ、楽天モバイルを入れたスマホのテザリングを使うつもりでした。ただし楽天モバイルが使えるかは、病室に入ってみないとわからないというのが正直なところ。都心部かどうか、ベッドが窓際かどうかで変わってきますので、新たに買うのはリスクがありそうです。
その場合は入院後に手持ちの回線でテザリングなどをテストし、使えそうな回線を探したうえでWi-Fiルーターのレンタルを利用する手もありです。1日390円程度から990円程度(データ通信量の上限による)のプランがあるので、事前に確かめておきましょう。
参考:入院中にポケットWiFiレンタルをご利用される方へ(Wi-Fiレンタル屋さん)
正直タブレットは病床に向かない。ノートPCがベスト
入院中は動画閲覧などのためにタブレットが便利、と思いがちです。しかしそうではありません。実際に使ってみるとわかるのですが、タブレットは病床・ベットに向いていないです。
まず病床で見るには立てかけるなり、移動式机に置くのですが、この場合タブレットの角度を固定するのが厄介です。ベットで横になって見るにしても、タブレットは大きすぎて固定するのが面倒です。つまりベットにタブレットは向いていないのです。
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ベストは単純なラップトップ、ノートPCです。キーボードを土台に、液晶ディスプレイの角度が自由に変わるものが一番使いやすい。寝ても座っても動画を見られるし、そのまま仕事にも使えるわけですから一石三鳥。入院用にタブレットを準備するのはやめ、いつものノートPCとスマホを持ち込むことをお勧めします。
そしてぜひ準備してほしいのは「重量のあるスマホスタンド」です。軽量のものはダメです。なぜならベットに置くと安定せず固定もできないから。金属製でがっちりと重いスマホスタンドをおすすめします。筆者はこれのおかげで寝ながらスマホ動画を見られるようになり、夜も退屈しなくなりました。
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筆者が使っているのは株式会社アーキサイトが出している下記の製品で、アルミ素材のがっちりしたスタンドです。実売価格は2000円を切っているようです。
ARCHISS BIG SWING-STAND BY ME
あとは当たり前ですが、スマホからの病床のテレビに接続するHDMIケーブルもあると便利です。Netflixをベットで見る体勢がつらくなったら、起き上がって病院のテレビで見られるからです。入院セットにぜひHDMIケーブルを入れておいてください。
昔ながらの有線イヤホンを推し!個室ならZoom準備も
病床ではBluetoothイヤホンを使う人が多いでしょうが、有線のイヤホンもあったほうが便利です。というのもBluetoothイヤホンは、入院のような長時間利用だとバッテリーが持たないから、そして「寝落ちでなくすから」です(笑)。
筆者がまさにそうで、朝起きるたびに「イヤホンどこ?」とベッドサイドとベッド下を探すというルーティーンでした。有線イヤホンならその心配はありませんから、寝るときは有線イヤホンに切り替えるのがいいですね。
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もう一つのメリットは電話の音質です。これはiPhoneに限った話になりますが、Apple純正イヤホン(EarPods)のマイク音質がとても安定してよいのです。筆者はLINE通話、ラジオ出演などの携帯電話、そしてZoom利用時も、Apple純正のイヤホンを使っています。
もちろん音質重視の専用マイクを用意したほうが音質は上がるでしょうが、こちらはわずか2780円で充電不要で安定して使えます。有線イヤホンとしても通話マイクとして、Apple純正イヤホンが役立つので、ぜひ一つ入手しておいてください。
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・EarPods(USB-C)iPhoneアクセサリー
SIM内蔵ノートパソコンへのリモートデスクトップ接続
入院が長期にわたる場合は、仕事対応でZoomなどのリモート会議参加が必要になるかもしれません。特殊な例だとは思いますが、病院側が許すのであれば個室Zoomなどのリモートはできます(個室ベットはとても高いのでペイするかどうか別ですが)。
筆者は仕事でテレビ番組にコメントすることがあり、今回の入院でもZoomでコメントをしました。筆者は個室ではありませんでしたが、偶然に使われていない電話室があり、許可をいただいた上で短時間お借りしてZoomに使わせてもらった形です。
筆者の場合、Zoomなどのリモートでは必ずスマホを使います。理由は画質と音質です。最新のノートPCであっても内蔵カメラの画質は、スマホのインカメラよりも落ちるのが多く、スマホでZoomなどに入ったほうが画質がよくなるのです。
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音質も同様で、ノートPCのマイクはキーボード横にあるためそれほどよくありません。前述の純正イヤホンのマイクが安定していますので、そちらを使っています。口元に来るマイクの方が圧倒的に明瞭度が高くなるのでおすすめです。
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ちなみに今回は明るさが足りなかったため、Amazonでリングライトを購入して病院に送ってもらいました。病院によっては警備が荷物を受け取ってくれるのがとてもありがたいです。
仕事を続けながらがん治療する方法を考える
筆者が入院した病院はとても環境が良く、仕事もさせてもらいながら治療をしていただきました。
以前のがん治療と言えば、仕事をやめてでも一身をかけて戦うものでしたが、今は医療が進んでおり「がんは治る病気」だと言われます。そのため仕事を継続しながら治療する、いわば持続性のある治療が求められており、可能であるなら仕事を続けるべきだと筆者は思っております。
筆者の場合も、がんが発覚してからおおよそ2か月、取引先にご迷惑をかけながらも仕事をしながら治療をさせていただいております。収入としても大切ですし、仕事は何よりもメンタルにプラスになります。病気のことばかり考えていたらきっと滅入ってしまっていたでしょうが、仕事をすることが気分転換にもなったのです。
筆者の場合は幸運にも体調がよいままで治療ができたため、今回のように病院で仕事をさせてもらえました。しかし本来は身体に問題があるからこそ入院するのであり、入院しながらの仕事は二の次なのかもしれません。それでも、一瞬でも仕事ができるかもしれない、それが社会に繋がることであり、自分のメンタルにプラスになるかもしれないと心に止めておいてほしいと思います。今やどこだって仕事はできるんだ、そんな気持ちで入院の準備をすることで筆者は少し気が楽になり、メンタルにもいい影響が出ました。
最後に超個人的なお願いを。みなさま健康診断・がん検診・人間ドックを受けましょう。特にフリーランスの方は、2年に1度は受けることを強く勧めます。私はギリギリのタイミングで人間ドックを受けたことで、なんとかがんの根治に向けて進めそうです。