疎結合
疎結合とは、システムの構成要素が独立しており、依存関係が緩い「疎である」状態を指す。疎結合であれば、システムの変更や拡張が容易となり、柔軟性が高くなる。単一の機能(サービス)を組み合わせて1つのアプリケーションを開発する「マイクロサービス」は疎結合にあたる。
疎結合は各要素の独立性が高く、システム全体を把握しやすい。互いの影響範囲が限定されるので、分業がしやすく迅速な変更が可能となる。クラウドや他社のシステムとの連携が容易となるメリットもある。障害時には、障害の原因となる要素のみを切り離して入れ替えることができるので、システム停止のリスクは軽減する。
対比される言葉に「密結合」がある。密結合は一枚の岩(モノリス)のように複数の機能が密になった状態を指す。構成要素の関係性が強く、他の要素へ及ぼす影響が大きい。「モノリシック」と呼ばれる開発手法が密結合にあたる。密結合は変更や改修があった場合、全体に及ぼす影響が大きくなる。一部の障害で全体がダウンするリスクも高くなる。
ビジネス環境が急速に変化するDX時代には、高い可用性を確保しながら、開発の複雑性を軽減し、ビジネスのニーズに迅速に対応することが必要となる。そのため、疎結合なシステムの導入に取り組む企業が増えている。