~カーボンニュートラルと電力料金削減を実現する最新製品へのリプレース提案~
電気をはじめとしたあらゆるエネルギーの価格が高騰する現在、エネルギー効率が良く高い性能を発揮できる製品が顧客の支持を得ている。これは地球環境への配慮だけではなく、コスト削減や生産性向上への効果も期待した結果だろう。
モノを作れば、モノを買えば、ゴミなどの無駄が生じてしまう。この無駄は全てコストであり、無駄を減らせばコスト削減につながる。
これまで温室効果ガス削減への取り組みは地球環境を守るための義務であるという認識で、多くの企業が貴重な資金を投じて進めてきた。その取り組みにはコストがかかると認識する企業も少なくなかっただろう。
しかし今、無駄を減らすことは地球環境を守るだけではなく、企業にコスト削減という恩恵ももたらすようになっている。そしてITを活用した環境負荷低減とITの省エネ化の両面で、グリーンITへの取り組みはビジネスに変革をもたらす取り組みに変わってきている。
従来のビジネスだけでは成長が厳しくなった現在、グリーンITの観点で新たな価値を生み出すことを考えたい。その第一歩が最新製品へのリプレースだ。既存製品を最新化するだけで無駄が減らせ、生産性が上がるのだから。
ITを活用した環境負荷の低減と
ITそのものの環境負荷の低減への取り組み
〜デル・テクノロジーズのケース〜
日本も加盟しているIEA(International Energy Agency:国際エネルギー機関)の報告によると、グローバルでのデータセンターの電力消費量は2026年には2022年に対して2倍に増加する可能性があるとしている。電力消費量の増加は温室効果ガス排出量の増加につながるため、地球環境保護の観点から抑制が必要という話になる。しかし電力消費増は企業にとってはコスト増だ。そのため電力消費を抑制するソリューションを提供することはビジネスチャンスを生み出すことになる。ここではデル・テクノロジーズのグリーンITへの取り組みをリポートするとともに、同社の電力消費を抑制する最新のソリューションを紹介する。
最新製品にリプレースするだけで
環境負荷低減とコスト削減に貢献
まず「グリーンIT」という言葉の意味を振り返っておく。グリーンITには二つの側面がある。一つはITなどのテクノロジーを活用して温室効果ガスの削減など地球環境への負荷を軽減するテクノロジーおよび取り組みだ。そしてもう一つがITなどのテクノロジーそのものの環境負荷を低減する取り組みである。
環境負荷を低減する目的でなくとも、製品の開発から生産、販売までにかかる環境負荷を低減する、言い換えれば無駄を減らす、すなわちコストを削減することは企業として当然の取り組みだ。つまりグリーンITは地球環境への負荷を低減する目的に加えて、企業が取り組むべきビジネスの本来の進め方とも言える。
実際にITベンダー各社は環境負荷の低減に貢献する製品を提供しつつ、その製品の生産・販売に伴う環境負荷を低減する取り組みを同時に行っている。この取り組みはITベンダーごとに規模や量の差はあるものの、最新の製品が従来の製品と比較してより少ない消費電力で、より高い性能を提供することは共通することだろう。
その最新製品を導入するユーザーにおのずと環境負荷の低減という効果と、電力消費の抑制に伴うコスト削減、さらに性能向上に伴う生産性向上および省力化などのメリットをもたらす。また最新製品を導入することでユーザーの業務やビジネスを変革する機会や手段を提供することにもつながる。
現在のビジネスでは従来のビジネスが通用しないケースが増加していることは言うまでもない。これからは既存のやり方を変えなければ成長を目指すことはできない。しかし業務やビジネスに利用されるIT製品を最新化するだけでも、既存のやり方を変えることができるはずだ。
ここからは長期にわたってグリーンITに取り組み続けて成果を進化させているデル・テクノロジーズの取り組みと、具体的なソリューションを紹介する。
グリーンITへの取り組み事例
デル・テクノロジーズのケース
デル・テクノロジーズ(当時はデルコンピュータ)を創業した現在の会長兼CEOのマイケル・デル氏は「自分たちのものづくりを変えていかなければゴミが増え続けてしまう」という問題意識を、2000年ごろから持っていたという。そして同社はリサイクルへの取り組みを始め、2010年からはCSRおよびSDGsへの取り組みを本格化している。
現在の同社の取り組みについてデル・テクノロジーズがグローバルで取り組むESG活動における日本エリア担当を務める松本笑美氏は次のように説明する。
「2020年までの目標を2018年に75%達成できたこともあり、2020年から2030年の目標を2019年に前倒して設定しました。さらに2022年までに達成したゴールも踏まえ、2023年発行のレポートで9項目に絞りました。昨今、環境や人権について各国で法令化しており、当社の取り組みの目標も各国の法令に適応させなければ意味がないと考えたからです」
同社の具体的な目標として、気候変動への対応では2050年までにScope1、Scope2、Scope3の全体で温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)排出ネットゼロ実現を目指しており、その中間目標を次のように設定している。以下いずれも2019年に対する削減率となる。
Scope1とScope2において事業活動による排出量を2030年までに50%削減すること、Scope2において自社設備の再生可能エネルギーへの転換を2030年までに75%、2040年までに100%達成すること、Scope3のカテゴリー 1、購入した商品とサービスから発生する絶対排出量を2030年までに45%削減すること、そしてScope3のカテゴリー11、販売した製品の使用に伴う絶対排出量を2030年までに30%削減することなどを中間目標としている。
そもそもビジネスの在り方を
変革しなければならない
すでに目標達成に近づいている取り組みが多くある。事業活動による排出量では2030年までにScope1、2で50%削減という目標に対して、現時点で40.6%削減を達成している。Scope2における再生可能エネルギーへの転換については2040年までに100%達成という目標に対して61.5%を達成している。そしてScope3のカテゴリー11において販売した製品の使用に伴う絶対排出量を2030年までに30%削減する目標に対して22.9%まで達成できているという。
松本氏は「当社にとってScope3は全体の8割から9割を占める重要な取り組みです。同カテゴリー1はサプライヤーを含めた取り組みとなり、同カテゴリー11は自社製品ユーザーとの連携が不可欠となります。特にカテゴリー11はユーザーとの情報共有が不可欠ですが、カーボンフットプリントの情報公開においてグローバル基準はありません。情報共有の仕方や取り組みの連携をどのように進めるかなど課題が多くあります」と目標達成のハードルの高さを説明する。
循環型経済の推進については三つの目標を設定している。まず2030年までに顧客が購入した製品1メトリックトン(1トン)に対して、1メトリックトン(1トン)を再利用またはリサイクルすること、すなわち販売した物理的な製品の全量を回収することを目標としており、現在の達成率は14.1%となっている。
このほか2030年までに梱包材の100%をリサイクル素材または再生可能な素材から作成する、あるいは再利用可能な梱包材を使用するとしており、すでに96.4%を達成している。また2030年までに全ての製品において材料の半分以上にリサイクル素材や再生可能な素材、炭素排出量の少ない素材を利用することを目標としており、現在の達成率は30.1%となっている。
こうした取り組みにはコストもかかる。松本氏は「現在のビジネスにおいて、変革は大きなテーマとして常に中心にあります。ビジネスの在り方も再生可能な方法に変革しなければなりません。人類の進歩にITで貢献することを目指す当社にとって、サステナビリティに限らず、考え方を変えなければビジネスを続けることはできないと考えています」と強調する。
グリーンITに貢献する製品として
データセンター向けサーバーに注力
デル・テクノロジーズでは自社製品におけるグリーンITへの取り組みとして(同社ではCSRの一環として)データセンター向けサーバーの販売に力を入れている。
その理由について同社でデータセンター向けサーバー製品のビジネスに携わる水口浩之氏は「2019年発売のPowerEdge C6420(4台分)の消費電力が2,059Wであるのに対して、その進化モデルである2024年発売のPowerEdge C6620(4台分)の消費電力は5,298Wと2.57倍に増加しています。CPUは進化とともにコア当たりの消費電力を下げていますが、CPU全体では消費電力が高くなっています。またCPUの高性能化とともに発熱量が増加しており、発熱量が高いCPUほどより低い温度でパフォーマンスが安定する傾向があることが当社の調査で分かってきています」と指摘する。
さらにデータセンターの需要が増加していることも電力消費の増加につながっている要因となっている。デル・テクノロジーズの川上 潔氏は「2026年までに世界の電力の20%がデータセンターで消費されるという報告も見られます」と、データセンターにおける省電力化への取り組みの重要性を強調する。
デル・テクノロジーズではデータセンターの消費電力削減に向けて、従来はデータセンターへのサーバー導入の際に、将来の拡張を視野に入れてリソースに余裕を持たせた導入台数の提案を行ってきた。現在は必要なリソースに対してジャストサイズで導入し、サブスクリプションで柔軟に拡張できる方法を提案することで、利用しないリソースの無駄を減らす営業活動を展開しているという。
さらに水口氏は「一般的にデータセンターにおける電力消費の25%から40%が冷却に関連することが知られています。冷却に使用される電力を減らすことがデータセンター全体の省電力化に大きな効果をもたらし、Scope3への効果も最も大きくなります」と説明する。
そこでデル・テクノロジーズではデータセンター向けサーバーの冷却に伴う省電力化に向けて、特に水冷サーバーと液浸サーバーの販売に力を入れている。
水冷と液浸による冷却により
データセンターの電力消費を大幅削減
サーバーの冷却は筐体内に搭載されるファンを稼働させて筐体内の空気を対流させる空冷が一般的だ。デル・テクノロジーズのサーバーではCPUやGPU、メモリー、各種オプションカード、筐体の空気の吸入口と排出口など、発熱する箇所と空気が出入りする箇所にセンサーを設置してリアルタイムで温度を監視している。
そして管理ツールの「iDRAC(Integrated Dell Remote Access Controller)」を利用して各部の温度に応じて自動的にファンを制御し、温度が上がっている箇所に送風するマルチベクタークーリングという仕組みが採用されている。加えて筐体内の空気を対流しやすくするデザインやパーツの配置などにより、空冷でも効率よく効果的に冷却して性能を発揮する設計となっている。
しかし現在、水冷方式でなければサポートされないCPUも提供されており、水冷サーバーや液浸サーバーといった液体冷却機構を必要とするケースが増えつつある。
デル・テクノロジーズが提供している水冷サーバーは直接水冷と呼ばれるDLC(Direct Liquid Cooling)サーバーとなる。空冷サーバーではCPUに金属製の大きなフィンを持つヒートシンクが取り付けられているが、その部分にコールドプレートと呼ばれる銅板を取り付ける。この銅板内部には細かい水路があり、ここに水を通すことでCPUの熱を奪ってCPUを冷却する仕組みだ。
デル・テクノロジーズでは既存のサーバー製品のラインアップの半分でDLCサーバーが選択できる。同社のDLCサーバーの魅力は既存の空冷サーバーのVGAポートを取り除くだけで水冷化できることだ。
ストレージやメモリーの容量、オプションカードの拡張性を犠牲にすることなく、またコールドプレートの取り付けも空冷のヒートシンクと同様の手順で行え、特別なトレーニングを受けることなく現場で容易に対応できる。
水口氏は「近年の大手データセンターのほとんどに水の設備がありますので、データセンターの工夫次第で既存のラックにDLCサーバーを設置できます」と説明する。
一般的なデータセンターにはチラーと呼ばれる冷却設備が設置されている。サーバールームの空調機に冷たい水を送り、サーバーラックに冷たい空気を流してサーバーラックを冷却する。サーバーラックを冷却した空気は温まり、その空気を空調機で冷やすことで空調機を通る水が温められる。温められた水をチラーのエアコンガスとコンプレッサーで冷やして、再び冷たい水を空調機に循環させる。
このときチラーの稼働で消費する電力がデータセンターの消費電力の25%から40%を占めているのだ。DLCサーバーはより高い温度の水で冷却でき、温まった水をクーリングタワーと呼ばれる冷却設備で大気に放熱して自然冷却することが可能なため、冷却で消費される電力を大幅に削減できるメリットがある。空冷サーバーに対して初期コストはかかるが、消費電力の削減に伴うコスト削減で回収でき、コスト削減は長期的に継続できるメリットが得られる。
オイルを満たした容器に
空冷サーバーを完全に浸して冷却
デル・テクノロジーズが提供しているもう一つの液体冷却サーバーが液浸サーバーと呼ばれるソリューションだ。液浸サーバーには単相式と二相式とがあるが、ここでは単相式を紹介する。単相液浸サーバーでは既存の空冷サーバーを専用のオイルが満たされた容器に完全に浸して稼働させる。サーバーから発生する熱はオイルが吸収し、温められたオイルはポンプを通って熱交換器で循環され外部に排熱し、冷やされたオイルは再びサーバーの容器に戻される仕組みだ。
液浸サーバーのメリットについて川上氏は「外気冷却が不要になるためデータセンターの空調機が不要となり、冷却に必要な電力がわずかで済みます。またサーバーをオイルに完全に浸すため、故障の原因となるほこりを排除できるメリットもあります」と説明する。
さらに「空調機が不要で騒音がないので、例えば一般のオフィスや店舗などデータセンターの設備のない場所にサーバーが設置できます。屋外のコンテナに設置することも可能です」とロケーションの柔軟性についてアピールする。
デル・テクノロジーズの液浸サーバーは専用設計ではなく、既存の空冷サーバーのラインアップから選択でき、CPUのヒートシンクやファンなどを外すといったカスタマイズで対応できる。さらにパートナーを通じて液浸タンクを組み合わせてインテグレーションし、保証付きで提供される。
液浸サーバーのビジネスの展望について川上氏は「今後は空冷サーバーで対応できないワークロードが増加して、DLCサーバーの需要が高まると見ています。さらにその後はDLCサーバーでも冷却が追い付かないワークロードが増え、液浸サーバーの需要も徐々に増加していくでしょう。こうした見通しはCPUメーカーのロードマップから見て取れます。これから建設されるデータセンターは5年後以降を想定して設計されますから、あらかじめ液浸サーバー対応の設備を用意することが考えられ、徐々にビジネスが拡大していくと期待しています」と話す。
デル・テクノロジーズの東京・大手町の本社オフィス内には液浸サーバーを常時展示している検証ラボが設置されている。検証ラボでは液浸サーバーを実際に稼働させて、CPUに100%の負荷をかけた状態でのパフォーマンスの安定性やCPUの温度などの稼働状態を体験できる。
電力消費に由来するCO2をオフセット
気候変動問題に対応したレンタルPCサービス
日々進化し続ける時代の波を捉え、法人企業に向けて「レンタル事業」と「システム事業」を展開する横河レンタ・リース。同社は2024年1月からCO2削減を実現するための仕組みを取り入れたレンタルPCサービスの提供を開始した。自社のグリーンITへの活動だけではなく、顧客の脱炭素に向けた支援を行う横河レンタ・リースの取り組みを紹介する。
省エネルギー・リサイクルを考慮
カーボンニュートラルを目指す
横河レンタ・リースは、1999年5月に環境マネジメントシステムの国際規格「ISO 14001」の認証をレンタル業界で初めて取得した。ISO 14001は、組織を取り巻く全ての人(顧客・従業員・地域住民・政府)とモノ(大気・水・森林・土地)に配慮した環境対策が取られているかといったさまざまな環境要件を満たした組織に与えられる。これを機に、同社は環境調和型の企業を目指し、グリーン調達や無梱包納品による梱包材の削減など、省エネルギー・リサイクルを考慮したさまざまな環境保全活動を推進してきた。
「お客さまから質問を受ける際、今まではコンプライアンス遵守など法律に関する内容が多かったのですが、環境への取り組みについて聞かれることが増えました。これをきっかけに、カーボンニュートラルに向けた取り組みを加速させ、2023年2月に『SBT(Science Based Targets)認定』を取得しました」と横河レンタ・リース コーポレートマネジメント本部 経営企画部 主任 加藤龍一氏は振り返る。
SBTとは、2020年以降の温室効果ガス削減に関する国際的な枠組みである「パリ協定」が求める⽔準と整合し、5〜15年先を⽬標年として企業が設定する温室効果ガス排出削減に向けた⽬標のことだ。パリ協定では「世界の平均気温上昇を産業革命以前と比べて2度より十分低く保ち、1.5度以内に抑える努力をする」という世界共通の長期目標が掲げられている。SBTは国連グローバル・コンパクト、CDP(気候変動対策などに取り組む国際NGO)、WRI(世界資源研究所)およびWWF(世界自然保護基金)が共同で設立した国際的な気候変動イニシアチブ「SBTi」(Science Based Targets initiative)が運営しており、温室効果ガスの排出量を削減するために定められた基準を満たした組織に認定が与えられる。環境省によると、2024年3月1日時点で認定取得済みの企業は日本で904社となっている。
レンタルPCと再エネ電力証書で
温室効果ガスの排出量を減らす
横河レンタ・リースではレンタルビジネスを通して、カーボンニュートラルに向けた取り組みを行っている。その一つが、レンタルPCと再エネ電力証書を組み合わせた「再エネ電力証書付きレンタルPCサービス」の提供だ。「当社が行うのはレンタルビジネスですので、製品を製造するハードウェアベンダーさまと比べると、温室効果ガスの排出量を減らすためにできることが限られています。さまざまなアイデアを模索する中で、取引先のお客さまがPCを利用する過程で排出されるCO2の削減に関して、当社で取り組めることがあるのではないかと考えました。そしてリリースすることになったのが、レンタルPCと再エネ電力証書を組み合わせたパッケージサービスです」と加藤氏は話す。
再エネ電力証書付きレンタルPCサービスは、レンタルPCサービスとPC消費電量相当のカーボンクレジット(Jークレジット)をパッケージ化して提供する。
再エネ電力証書とは、再生可能エネルギー電力証書の略で、再生可能エネルギーから生産された電力の環境価値を証明するためのものだ。再生可能エネルギーは石油/石炭/天然ガスなどの化石エネルギーとは違い、太陽光/風力/地熱といった地球資源の一部など自然界に常に存在するエネルギーのことを指す。再生可能エネルギーで発電された電力(再エネ電力)は、「電力そのものの価値」と「温室効果ガス削減に寄与する環境価値」に区別される。再エネ電力のうち、環境価値を切り出し、証書として取引できるようにしたものが再エネ電力証書だ。
Jークレジットは、省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用によるCO2などの排出削減量や、適切な森林管理によるCO2の吸収量をクレジットとして国が認証する制度だ。「国内クレジット制度」と「オフセット・クレジット(JーVER)制度」が発展的に統合したもので、経済産業省・環境省・農林水産省が共同で制度の管理や運営をしている。本制度により創出されたクレジットはカーボン・オフセットなどのさまざまな用途に活用できる。
「再エネ電力証書付きレンタルPCサービスは、当社で再エネ電力証書(Jークレジット)の取得・保有、無効化申請を行い、レンタルPCと再エネ電力証書(Jークレジット)をお客さまにパッケージ化して提供します。レンタルPC100台ごとに、3t-CO2の再エネ電力証書(Jークレジット)が付与されます」と横河レンタ・リース 事業統括本部 ITソリューション事業本部 商品企画部 第四課長 八巻竜也氏は説明する。
温室効果ガスの排出を抑える
CO2の削減に向けた改善活動
サービスの利用メリットについて、横河レンタ・リース 事業統括本部 ITソリューション事業本部 副事業本部長 兼 商品企画部長の松浦健介氏は「再エネ電力証書によって、化石燃料由来の電力を使用していたとしても、再エネ電力を使用しているのと同様の主張を行うことが可能です。『賃貸オフィスのため再エネ電力を契約できない』など、再生エネ電力を利用できない場合でも、再エネ電力証書を使うことで、CO2の削減活動に取り組んでいるのと同じ効果を得られます」と話す。
続けて、八巻氏は「お客さまはPCを購入するのではなく、当社でレンタルいただくため、通常のPC運用のように使い終わったPCを廃棄する必要がありません。廃棄にかかる温室効果ガスの排出を抑えられ、環境にやさしいPCの調達・運用が可能となります」と環境負荷低減に対する利点を挙げる。
世界的に脱炭素化への動きが活発となっているものの、グリーンITの取り組みに関して、どのような対応を行っていけば良いのか分からないと悩む企業も少なくない。そうした企業に対して「当社の再エネ電力証書付きレンタルPCサービスを使っていただくだけで、グリーンITに向けた取り組みの一歩になるでしょう。レンタルPC利用時の電力消費に由来するCO2をオフセットすることで、地球温暖化や気候変動問題への改善活動につながります」と松浦氏はアドバイスする。
横河レンタ・リースの法人向けレンタルPCは返却後、廃棄することなく、独自の品質基準でリフレッシュを行った上で、中古PCとしてリセールしているという。「今まで短期間から中期間くらいで返却されていたPCに関しても、すぐに中古PCとしてリセールしていました。これからはリセールだけではなく、再利用するための取り組みなども構想しています」(松浦氏)
同社は、「所有から利用へ」というコンセプトの下、計画・調達・導入・運用・廃棄処分もしくはリプレースまでのライフサイクル全般を支える総合的なソリューションの充実を進めている。レンタル事業におけるリユースやリサイクルを推進し、廃棄物の発生抑制と適正処分に努め、循環型社会の形成に貢献する。
今後も横河レンタ・リースでは、再エネ電力証書付きレンタルPCサービスをはじめ、さまざまなサービス展開を通じて、自社の環境保全活動の推進と顧客企業への支援を進めていく。