Copilot + PCが与えるPCビジネスへの刺激

AI時代への備えを怠るなかれ
Copilot+ PCの先導に期待

 2022年11月30日、OpenAIが会話形式で利用できる言語モデル「ChatGPT」を公開し、インターネットを通じて誰もが無償で生成AIを利用できるようになった。その後、ChatGPTによる生成AIの体験により生成AIが世界中で急速に普及し、現在に至っている。生成AIが一時的なブームではないことは、多くの人が理解している。そして生成AIの活用は特別なことではなく、ごく日常的なことになっていくだろう。

 現在、生成AIの活用は始まったばかりで、そのテクノロジーは日々進化を続けていく。現時点で生成AIがどのように進展していくのかを予測するのは困難だが、ユーザーの副操縦士を務めるマイクロソフトの「Copilot」が生成AIの活用を導いてくれるものと期待したい。

 マイクロソフトは生成AIをはじめAIをOSであるWindowsおよびオフィスアプリケーションを含むMicrosoft 365に取り込み、ユーザーのIT活用を幅広く、強力に支援するとともに、これまでにない新しい体験を提供し始めている。この取り組みは今後ますます加速するとみられ、ユーザーが意識せずともAIの活用が進んでいくことになる。

 ただしこうした展開を進めていくには、生成AIおよびAIを高速に処理できるハードウェアが必要となる。ではどのようなハードウェアが必要なのか。その問いに対するマイクロソフトの提案が「Copilot+ PC」である。今後、Copilot+ PCの要件を満たすPCを使えば、マイクロソフトが提供するAI機能を快適かつ効果的に活用でき、またさまざまなソフトウェアベンダーから提供されるAI機能を搭載したアプリケーションの活用にも有効となる。

「まだAIを活用していない」という理由でAI時代への備えを怠ることは、変化と動きの速い現在のビジネス環境において後れを取るリスクにつながる。本特集ではWindows 10のサポート終了を契機にAI時代の備えを顧客に提案して、自社のビジネスを伸ばすヒントを提供する。

AI PCの構成比が今後5年間で急速に増加
実践的なAIがビジネスに与える影響とは

Copilot+ PCのようにNPUを搭載し、AI活用に最適化された端末をAI PCと呼ぶ。2023年度から市場に登場したこのAI PCというジャンルについて、いち早く市場動向を調査したのがICT市場調査コンサルティングのMM総研だ。同社が2024年7月に発表したAI PCの国内法人市場予測から、今後のAI PCの需要を探っていこう。

推論を手元で回せるAI PCが
業務の手助けをしてくれる

MM総研
中村成希

 米国のOpenAIが2022年11月末に対話型生成AI「ChatGPT」をリリースして以来、生成AIへ注目は増す一方だ。このような生成AIをはじめとしたAI処理を行えるハードウェアとして今、AI PCが注目を集めている。

 AI PCとは、CPUやGPUに加えて、AI処理に特化したプロセッサーとして「NPU」(Neural Processing Unit)が搭載された端末のことを指す。MM総研ではAI PCの定義を「AI推論・処理用のNPUを内蔵するCPUを搭載している」「内蔵のNPUおよびGPUなどを活用し、デスクトップ側でAI処理を高速化するプログラムをOS、アプリ、ブラウザーレベルで利用することができる」「現時点で想定するキーコンポーネントの性能としてNPU40TOPS前後以上、メモリー16GB以上」の3点を挙げている。このAI PCというカテゴリーの中に、マイクロソフトが定義した「Copilot+ PC」というPCカテゴリーが存在する。Copilot+ PCの定義はMM総研が定義したAI PCの定義に近いが、「256GB以上のSSD/UFSストレージ」といった異なるポイントも存在する(Copilot+ PCについてはP.16にて詳報)。

 MM総研が発表した調査によると、2023年度に登場したAI PCは今後5年間で急速に普及が進む予測だ。

 本調査を実施したMM総研の執行役員 研究部長を務める中村成希氏は「AI PCのポイントは、ユーザーの手元で推論を回せる点にあります。PC上で機微なデータを活用し、AIのエージェントが自身のサポートや意思決定の補助といった業務の手助けをしてくれる点が、これまでのPCと異なる点と言えるでしょう。また、Copilot+ PCはあらかじめ、いくつかのAI機能が組み込まれています。例えば、まだ一般公開されていませんが『Recall』という機能は、PCの内部をAIが検索できるような状態にすることで、PCの過去の操作履歴から次に行うべきアクションや、どこにどのデータがあるかといったユーザーの困りごとをサポートしてくれる機能です。こういったユーザーをアシストする活用はAI PCならではの特長的な使い方といえるでしょう」と指摘する。

中小企業の人材不足を
AI PCがサポートする

 AIがユーザーをアシストすることによって、ホワイトカラーの生産性や創造性が向上することが期待される。また、こうしたアシスト機能は、特に中小企業の働き方をサポートしてくれる。MM総研は今回のAI PCに関する調査の中で、企業の情報システム部門に対してPCやIT戦略、費用、運用方針についてのアンケート調査を行い、「PC投資を増やす」「生成AIを活用する」という項目への回答のクロス集計を行ったところ、PC投資を増やす企業ほど、生成AIを積極的に活用するという結果になった。

 一方で、生成AIの活用意向はAI活用人材の有無によって左右されており、特に従業員数が少ない中小企業ほど、生成AIの活用に消極的であり、IT人材やAI人材の採用もできていない結果になった。

「生成AIの活用に対する姿勢から見ても、AI PCの普及は大企業のハイブリッドワーカーやホワイトカラーから進んでいくでしょう。一方で、PCに標準でAIが搭載されているAI PCは、AIに関する専門人材がいなくても活用がスタートできるため、IT人材やAI人材が不足する中小企業でも生成AI活用を始めやすいデバイスです。例えば情報整理や検索の時間短縮、翻訳、要約、図解化などは生成AIが得意とする分野であり、従業員の生産性や創造性の向上に役立ちます。中小企業は、労働力人口の減少に伴う人手不足はもちろん、獲得した人材を育てていくことが難しいといった課題も抱えています。そういった課題を解決するツールとして、AI PCは有効であると考えられ、中小企業の導入が伸びていくと予測しています」と中村氏は指摘する。これらの背景を踏まえ、MM総研ではAI PCの法人市場規模予測として、2023年度から2028年度にかけて法人向けPCの年間出荷台数の3分の2に相当する525万台をAI PCが占めると予測している。

 PCの計上別にみると、AI PCの普及はノートPCがけん引する。実際、現時点で発売されているAI PCもノートPCが主だ。一方で、2024年10月にはAppleが同社の生成AI「Apple Intelligence」の活用を想定したオールインワンデスクトップPC「iMac」やミニPC「Mac mini」を発表している。こうしたデスクトップPCへのAI PC実装の流れはWindows端末にも広がるとみられている。中村氏は「デスクトップPCの場合、推論を回すだけでなく、NPUとGPUを組み合わせてアプリケーション開発で活用するような用途も想定されます。そのため、将来的にはPCの形状を問わずAI PCが広がっていくでしょう」と指摘した。

AI PCの登場で変化する
PCのライフサイクル

 AI PCの登場により、業務の生産性向上など、働き方に変化が起こると指摘されたが、もう一点起こる変化があるいう。それはPCのリプレースタイミングだ。PC市場はこれまで、Windows OSのEOSに合わせてPCの大規模なリプレースが行われる傾向にあった。EOSを契機としたPCの入れ替えは大きなビジネスチャンスである一方で、翌年の市場が落ち込む傾向も存在した。しかし中村氏は「AI PCの登場で、これまでEOSに合わせて5~7年と長くPCを使っていたユーザー層が、3~4年といった短いサイクルでPCをリプレースすると予測しています」と指摘する。すでに大企業はWindows 11への移行が完了しているが、生成AIの活用意向が強いのも大企業が中心だ。そのため生成AIをビジネスに積極的に活用する意向のある企業はAI PCへのリプレースを、OSのEOSを待たずに進めていくだろう。一方で、長期的にはNPUが搭載されていないPCでは、将来的にAI活用がスタンダードになったビジネスシーンに対応できない可能性も考えられる。そうした生成AIへの活用意向と、ビジネスを取り巻く環境の変化の両側面によって、非AI PCからAI PCへの移行が進んでいくと考えられる。

 AI PCに対する需要の高まりに、販売店はどのような販売戦略を取るべきだろうか。中村氏は「まずはGPUを活用しているお客さまの掘り起こしをしておくとよいでしょう。GPUを活用しているユーザーはAIのみならず、画像のレンダリングや3Dのモデリング、DTP、ゲーム制作などが考えられます。そうしたユーザーに対して、NPUとGPUを組み合わせた性能の向上が期待できるAI PCは訴求力が高い製品です。また、Copilot+ PCに今後実装が予定されているRecall機能をうまく活用することで、バックオフィスの人員が不足している中小企業の業務効率化が実現できそうです。2025年中ごろから後半になると、一気にNPUを搭載したPCの値段も下がっていくと思いますので、そうしたAI PC普及期に向けて、潜在的な購買層をつかんでおくことが大切です」と指摘した。


予測の前提
1.2024年5月にWindows 11 OSに統合されたアプリケーションとして発表されたRecallを含む「Copilot+ PC」の全ての機能が、24年度下期以降、正式版として利用開始となること。
2.AIプログラムが、全てエッジ側で処理されているか否かは問わない。ただしエッジ側にSLM(スモールランゲージモデル)などの処理プログラムが含まれ、必要に応じて一部の処理がクラウド側のLLM(ラージランゲージモデル)、LMM(ラージマルチモーダルモデル)など一体処理されるプログラムもAIプログラムに含む。

AIのための新たなWindows PCカテゴリー
Copilot+ PCが実現する生産性向上とは?

米マイクロソフトが開催する開発者向け年次イベント「Microsoft Build 2024」に先駆け、2024年5月20日(現地時間)に発表されたのが、AIのために設計された新たなカテゴリーのWindows PC「Copilot+ PC」だ。既存のAI PCとの違いや、開発の背景、そして利用することによってもたらされるビジネスへのメリットを、改めて見ていこう。

データのローカル処理により
高速かつ安全にAIを利用できる

 マイクロソフトが「新たなカテゴリーのWindows PC」として提唱するCopilot+ PC。Copilot+ PCは1秒当たり40兆以上の操作(TOPS)を実行できるNPU、16GBのメモリー、256GB以上のSSDを搭載したWindows 11デバイスを指し、デバイス上での高度なAI処理を実現できる。このNPUは、AIワークロードの実行において、従来のCPUやGPUと比較して、最大20倍の性能と最大100倍の効率性を提供できるという。マイクロソフトはこの性能の高さについて「Apple MacBook Air 15と比較して、マルチスレッド持続性能で最大58%上回り、1日中バッテリーが持続します」とその優位性をアピールしている。

 Copilot+ PCを活用することで、従来のPCと比べて高いAI処理能力で業務に当たることが可能になる。これまでクラウドサービスとの通信が必要であったAI処理の一部を、ローカルデバイス上で行えるようになる。これにより、より高速にAIを活用できるようになったことに加え、よりセキュアなニーズに応えられるようになった。

 上記以外にも、Copilot+ PCを活用することで得られるメリットは多岐にわたる。例えば同社の対話型生成AI「Copilot in Windows」(以下、Copilot)を即時に起動できる「Copilotキー」が搭載されており、ワンタップでユーザーにとってのCopilot(副操縦士)を呼び出し、Copilotを日々の業務にシームレスに活用できる。また、マイクロソフトはWindows OS上で動作するAIアプリケーションの提供を進めている。これらのAIアプリケーションは、ビジネスシーンにおいて非常に有用だ。

Windows Studio Effectsを使えば、部屋の明暗に応じて画像を自動的に調整したり、カメラから視線がずれていても、通話相手とアイコンタクトを維持できる。Web会議のコミュニケーションをより円滑化できるのだ。
Recall機能は、ユーザーの操作をスナップショット撮影することで、視覚的なタイムラインを作成すると同時に、AI分析に活用され、過去にアクセスしたコンテンツを自然言語で検索できる。

多様なAIアプリケーションが
業務の困りごとを解決

 例えば、ハイブリッドワーク環境下で増加したWeb会議をより効果的に行える「Windows Studio Effects」。Windows Studio EffectsはAIを活用したビデオ通話エフェクトと音声エフェクトの総称で、Copilot+ PCおよび互換性のあるNPUを搭載したWindows11デバイスで利用できる。部屋の明暗に応じて画像を自動的に調整する「ポートレート ライト」や、画面の原稿を読むなどしてカメラから視線がずれていても、アイコンタクトを維持できる「アイ コンタクト テレプロンプター」などの機能が利用できる。AIによって実現されるこれらの機能で、従来と比べてスムーズで快適なオンラインコミュニケーションを実現できるのだ。

 またPCでこれまで行ってきた操作や閲覧したコンテンツに容易にアクセスできる「Recall」機能がある。例えば業務を進める中で、どの情報がどのフォルダーに保存されていたか、この情報はどのメールに記載されていたか、といった情報を探すために、長い時間を要した人も少なくないだろう。Recall機能では、画面に表示される情報を定期的にスナップショット撮影することで、視覚的なタイムラインを作成する。これらのスナップショットは暗号化された上でローカルに保存し、AI分析に活用される。これによってユーザーは検索窓でキーワードを入力するだけで、過去にアクセスしたコンテンツを検索でき、関連するスナップショットと共に表示されるという。例えばユーザーが「先週の会議で共有された資料」や「Webサイトで見た紺色のPC」と質問するだけで、該当する情報を探し出せるのだ。

 Recall機能で取得されるスナップショットは前述した通りローカルで処理されるため、マイクロソフトに送信されたり、AI学習に活用されたりすることはない。ユーザーごとに暗号化されるため、管理者であってもほかのユーザーのスナップショットを閲覧することはできないという。また、スナップショットにキャプチャーされたなくないアプリケーションを除外したり、スナップショットの一部または全てを削除したりできるなど、柔軟な管理が可能だ。本Recall機能は12月までにInsider PreviewとしてCopilot+ PCで利用できるようなる予定だ。

Click to Doは画像やテキストに対して推奨されるクイックアクションを提案してくれる機能だ。生産性向上に焦点を当てた機能で、ユーザーは提案されたアクションを選ぶだけでさまざまな作業が行える。

3チップベンダーそろい踏み
PC市場をけん引するCopilot+ PC

 Insider Previewではすでに「Click to Do」が提供されている。Click to DoはPC画面上にインタラクティブなオーバーレイを配置し、画像やテキストに対して推奨されるクイックアクションを提案する。Bingでの画像検索、フォトアプリでの背景ぼかしやオブジェクトの消去、ペイントでの背景除去などで利用できる機能だ。Click to Doはコンテキストを認識し、Copilot+ PCのどの画面からでもアクセスできる。生産性向上に焦点を当てた本機能は、今後数カ月の間でさらに機能強化される予定だという。

 Copilot+ PCのリリース当初は、Acer、ASUS、Dell、HP、Lenovo、Samsungのほか、Microsoft(Surface)からの発売が発表されていた。直近ではサードウェーブやマウスコンピューターもCopilot+ PC(一部今後対応予定を含む)を発売しており、製品ラインアップが拡充されつつある。プロセッサーも当初はQualcommが提供する「Snapdragon X Elite」と「Snapdragon X Plus」のみが対応していたが、AMDからは「Ryzen AI 300」シリーズが、インテルからはLunar Lakeこと「Intel Core Ultra 200V」シリーズがCopilot+ PCに対応することが発表された。

 今後のPC市場をCopilot+ PCでけん引していくべく、マイクロフトは今後もCopilot+ PCの展開に注力していく。

画像提供:日本マイクロソフト

AI PCもCopilot+ PCも通常のPCの進化形
最新モデルのメリットはAI用途に限らない

インテルはCopilot+ PCに対応するプロセッサーとして「Intel Core Ultra 200V」シリーズを提供している。同時にNPUを搭載するIntel Core Ultraシリーズや、NPUを搭載しないIntel Coreシリーズも併売している。これらのすみ分けやAI処理に優れるPCの位置付け、顧客への提案の仕方について話を伺った。

AI Everywhereに必要なPCでのAI処理
NPU搭載プロセッサーでAI活用を促進

インテル
矢内洋祐

 インテルは今年9月3日(現地時間)に開発コード名「Lunar Lake(ルナーレイク)」と呼ばれていたモバイル向けプロセッサーの新製品「Intel Core Ultra Mobile プロセッサー(シリーズ2)」を発表した。現在、市場では「Core Ultra シリーズ2」とも呼ばれているが、製品名としては「Intel Core Ultra 200V」(以下、Core Ultra 200V)シリーズとなる。

 Core Ultra 200VシリーズはインテルでNPUを初搭載したIntel Core Ultra(以下、Core Ultra)シリーズの上位に位置付けられ、現在のフラッグシップモデルとなり、従来のCore Ultraシリーズも併売される。

 さらにインテルでは「Intel Coreプロセッサー」(以下、Core)もラインアップする。これはNPUを搭載しないプロセッサーで、アーキテクチャとしては第13世代Coreプロセッサーのテクノロジーを引き継いでいる。

 インテルでは以前より「AI Everywhere」という戦略を推進している。これは「クライアントからエッジ、データセンターやクラウドまで、プラットフォームを問わず、AIを利用可能にすること」と説明する通り、どこでもAIが使える環境を目指す取り組みだ。それを実現するにはAIの処理の一部をユーザーの手元にあるPCで行う必要がある。

 現在のAI処理は膨大なコンピューティングリソースが利用できるクラウドで実行されており、ユーザーはインターネットを通じてAIを利用している。しかしAIの活用が進むとコンピューティングリソースの不足やクラウドの利用に伴うコスト負担、そして電力消費の増加が懸念されるほか、組織やユーザー個人のデータがクラウドに流出するリスクもある。

 こうした課題に対して機密性の高いデータをAIで活用する際には、手元のPCや組織内のサーバーなどオンプレミスで処理することが解決策となる。またオンプレミスでAIを快適かつ安全に利用できるようになれば、ユーザー自身の仕事の一部をAIに行わせたり、ユーザーのプライベートなデータをAIが学習してアドバイスをするアシスタントとしての活用ができたりするなど、AIの活用範囲が広がるメリットも期待できる。

 こうしたAIのエッジやローカルでの活用を促進するには、AI処理を高速化できるPC用のプロセッサーが不可欠となり、AI処理に特化したプロセッサーである「NPU」の搭載が進んでいるというわけだ。

 すでに別項で解説している通り、マイクロソフトが提唱するCopilot+ PCではNPUに40TOPS(1秒当たり40兆回のAI処理を実行できる)以上のパフォーマンスを求めている。インテルのCore Ultra 200Vシリーズに搭載されるNPUでは、最大48TOPSのAI処理性能を発揮する。

NPUの最大TOPS値だけではなく
GPUとCPUのAI処理性能も重要

 Core Ultra 200Vシリーズは先行して発売されたNPU搭載プロセッサーであるCore Ultraシリーズに対してCPUとGPU、そしてNPUの性能がそれぞれ大幅に引き上げられ、NPUのパフォーマンスもCopilot+ PCの要件を満たしている。しかも電力効率も大幅に向上しており、Core Ultra 200Vシリーズが搭載されたノートPCでは非常に長いバッテリー駆動時間も実現している。

 一方でCore Ultraシリーズに搭載されているNPUはCopilot+ PCの要件を満たしていない。さらにCoreに関してはNPUを搭載していない。ではNPUの性能が高いプロセッサーがAIを活用する上で優位となるのか。必ずしもそうではないとインテル IA技術本部 セールス・アプリケーション・エンジニア 矢内洋祐氏は指摘する。

「インテルが独自に実施したISV(独立系ソフトウェアベンダー)を対象とした調査によると、2024年のAIソフトウェアの開発においてAIエンジンにNPUを活用している割合は25%、GPUが40%、CPUが35%でした。さらに2025年の計画においてはNPUが30%、GPUが40%、CPUが30%と、意外にもNPUがそれほど伸びていないのです。つまりAIソフトウェアの開発において複数のAIエンジンを活用すること、GPUの役割が引き続き重要であること、AIソフトウェアにおいてもCPUが処理を担っていることが分かります」(矢内氏)

 こうしたことも踏まえて、インテルではAI処理においてNPUのパフォーマンスだけではなく、GPUとCPUを含めたプラットフォーム全体でのパフォーマンスを重視している。その結果、Core Ultra 200VシリーズではNPUの最大48TOPS、GPUの最大67TOPS、そしてCPUの最大5TOPSを合計した、プラットフォーム全体で最大120TOPSのAI処理性能をアピールしている。

通常のPC利用にもメリットがあり
AI処理にも優れることが本質

 昨年12月にCore UltraシリーズでAI PC時代の幕開けを印象付けたインテルだが、AI PCというPCのカテゴリーの中で同社が重視している点があるという。矢内氏は「AI PCはこれまでと同様に通常のPCとしても利用されます。ですからAI処理性能を強化するに当たり、通常のPCとしての性能や利便性を犠牲にしないよう配慮しています」と説明する。

 AI PCやCopilot+ PCはAI処理性能に優れていることは言うまでもない。特にCopilot+ PCではNPUに高いAI処理性能を求めており、PCのローカルでのAI活用において有利となる。しかしPCでAIを使わないアプリケーションを活用する機会も多くある。

 矢内氏は「Core Ultra 200VシリーズはインテルのモバイルPC向けプロセッサーのフラッグシップモデルですが、決して万能ではありません。例えば複数のタスクを同時に処理するような場面では、Core Ultraシリーズの方が有利なケースもあります。またNPUを搭載しないCoreシリーズも搭載PCではコストパフォーマンスに優れるという魅力があります」と説明する。

 ちなみにCore Ultra 200Vシリーズにはメインメモリーがプロセッサーに統合されており、16GBか32GBの選択となる。グラフィックを多用するような用途ではメモリー容量が不足することも考えられ、その場合はCoreシリーズを選択して外付けのGPUを追加し、大容量のメモリーを搭載するといった提案もできる。

 AI PCであってもCopilot+ PCであっても、基本はこれまでのPCの進化形であり、今はAIを使わないからAI PCは不要だとか、Copilot+ PCは不要だといった認識は間違っていると言えよう。AI PCもCopilot+ PCも、従来のPCに対してより生産性が高く、より消費電力の低い進化したPCであり、仕事でAIを活用するようになった場合も、そのまま活用できるというメリットがある。

 矢内氏は「現在のCore Ultra 200Vシリーズの位置付けは、近い将来に必須となるテクノロジーを先取りしたフラッグシップモデルですが、いずれCore Ultra 200Vシリーズに採用されているテクノロジーはラインアップ全体に広がっていきます。それに伴い市場に流通するAI PCおよびCopilot+ PCの割合が高まり、いずれは全てAI PCになるとインテルは考えています」と語る。

ISVとの協業によりPCでのAI活用を促進
ビジネスでのユースケースを示すことが重要

ChatGPTが公開された2022年11月から間もない2023年1月、AMDはx86アーキテクチャで初となるAIプロセッサー「AMD Ryzen 7040シリーズ プロセッサー」を発表した。さらに同年12月にはAMD Ryzen 7040シリーズ プロセッサーの改良版となる「AMD Ryzen 8040シリーズ プロセッサー」も発表している。さらにCopilot+ PCの要件を満たす「AMD Ryzen AI 300シリーズ プロセッサー」も提供するなど、AMDはAI PCおよびCopilot+ PCに対して業界をリードする展開を続けている。国内法人向けPC市場への取り組みにおける、Copilot+ PCへの期待について話を伺った。

矢継ぎ早にNPU搭載CPUを市場投入
最新の第3世代でCopilot+ PCに対応

日本AMD
関根正人

 ChatGPTが公開された2022年11月から間もない2023年1月、AMDはx86アーキテクチャで初となるAIプロセッサー「AMD Ryzen 7040シリーズ プロセッサー」(以下、Ryzen 7040シリーズ)を発表した。

 さらに2024年1月にはRyzen 7040シリーズの改良版となる「AMD Ryzen 8040シリーズ プロセッサー」(以下、Ryzen 8040シリーズ)も発表している。

 いずれも同社のプロセッサーの基礎テクノロジーである「Zenアーキテクチャ」(以下、Zen)の第4世代、「Zen 4」を採用しており、「RDNA 3(AMD RDNA 3アーキテクチャ)」によるGPUも搭載する。

 さらにRyzen 7040シリーズおよびRyzen 8040シリーズには機械学習演算に特化したAIプロセッサーをCPUコアおよびGPUコアから独立して搭載している。このAIプロセッサーは「AMD Ryzen AIプロセッサー」(以下、Ryzen AI)と名乗る、いわゆるNPUである。

 Ryzen AIには「AMD XDNAアーキテクチャ」(以下、XDNA)と呼ばれるテクノロジーが採用されており、これはAMD傘下のXilinx(ザイリンクス)が開発したテクノロジーを利用している。XDNAは人の脳を模したニューラルネットワーク型のアーキテクチャで構成されており、推論処理を高速かつ低消費電力で行うことを目的に開発されたプロセッサーだ。

 Ryzen 7040シリーズでは4基のAIエンジンタイルと1基のメモリタイルを4セット搭載しており、最大4個のニューラルネットワークを構築し、それぞれの演算処理を並列で実行できるとしている。その結果、最大10TOPS(1秒当たり10兆回)のAI処理性能を発揮する。

 さらにAMDは2024年6月に「COMPUTEX TAIPEI 2024」において「AMD Ryzen AI 300シリーズ プロセッサー」(以下、Ryzen AI 300シリーズ)を発表した。Ryzen AI 300シリーズは最新アーキテクチャとなる「Zen 5」(とZen 5c)を採用しており、搭載されるGPUもRDNA 3.5へと進化し、さらなるパフォーマンスアップが図られた。

 注目すべき点はRyzen AIのXDNAが「XDNA 2」となり第2世代の推論アクセラレーターを搭載していることだ。CPUやGPUのパフォーマンスアップとともにXDNA 2への進化とAIエンジンタイル数の倍増により、AI処理性能は最大55TOPSへと大幅に向上している。

 Copilot+ PCの現在のシステム要件に40TOPS以上のNPUを搭載するプロセッサーの採用が求められているが、Ryzen AI 300シリーズはその要件を上回るAI処理性能を持つNPUを搭載していることになる。

 Ryzen 7040シリーズやRyzen 8040シリーズから、ブランド名がRyzen AIシリーズとなったことも大きな変更点だろう。ちなみにRyzen AI 300シリーズの「300」というモデルナンバーは「第3世代」を意味しているが、第1世代と第2世代はそれぞれRyzen 7040およびRyzen 8040ということになる。

具体的な指標を示す点で歓迎
ただしNPU偏重には課題を指摘

「AI PC」と呼ばれるPCの新しいカテゴリーに向けたRyzen 7040シリーズや、Copilot+ PCの要件を満たすRyzen AI 300シリーズを、市場をリードするタイミングで発表、提供してきたことについて日本AMDのコマーシャル営業本部でセールスエンジニアリング担当マネージャーを務める関根正人氏は次のように説明する。

「AMDは自身のテクノロジーの進化と市場の変化を見極めつつ、またマイクロソフトなどのテクノロジーや市場に大きな影響力のあるパートナーと密接に連携し、将来のロードマップを描いてきました。AIに関しても、AIがいつごろから活用され、どのようなペースで普及が進んでいくかを見据えて、そのロードマップに取り込んできました。Ryzen 7040シリーズやRyzen AI 300シリーズの開発・提供は、AMDが示してきたロードマップに沿って、予定通りに進めてきた結果です」

 これまで市場では生成AIへの期待の高まりと、活用の広がりに対してAI PCというPCの新しいカテゴリーを打ち出して、AI活用に適したPCであることをアピールしてきた。前述の通りAMDもいち早くNPUを搭載したRyzen 7040シリーズを市場に投入し、AI PC市場の形成と活性化に寄与してきた。そこにCopilot+ PCというまた新たなPCのカテゴリーが加わったことについて関根氏は次のような見解を述べている。

「一般的にAI PCはNPUを搭載したプロセッサーを採用したPCに対して、広義にAI活用に最適なPCであると認知されています。しかしAIの活用においてPCが差別化を図るために、またユーザーがAIの活用に最適なPCを選ぶ際の判断基準として、AI処理の性能は分かりやすい指標です。Copilot+ PCでは40TOPS以上のNPUを搭載することを要求しており、AI活用に最適なPCとして具体的な基準を示しているCopilot+ PCは、PCがもたらす新たな価値を示す歓迎すべき存在だと考えています」

 Copilot+ PCというPCの新たなカテゴリーの進展に期待を示す一方で、次のようなメッセージも必要だと関根氏は強調する。

「AI PCやCopilot+ PCではNPUおよびそのスペックが注目されていますが、AI処理に優れているのはNPUだけではありません。AIモデルが扱うデータや求められる処理の種類に応じてGPUやCPUも利用することで、AI処理においてより精度の高い推論処理を実現できます。つまりCPUとGPU、そしてNPUを組み合わせて、アプリケーションやデータに応じて適材適所でそれぞれを活用し、総合的にAI処理性能を向上させることがAMDの考え方です」

来年以降に新たなプロセッサーも提供
メインストリームへの普及に貢献する

 ハードウェアが先行しても実際の活用においてメリットを享受できなければ普及はしない。そうした点でCopilot+ PCによる具体的なユースケースを示すことが、Copilot+ PCに対する需要喚起につながる、その点について関根氏は「マイクロソフトはCopilot+ PCのメリットとして示しているユースケースが、ビジネス用途である点も評価しています」と話す。

 さらにAMD自身もISV(独立系ソフトウェアベンダー)との協業を模索している最中だという。関根氏は「AMDとしてはAI性能の必要性を訴求するために、具体的なユースケースを作って市場や顧客に示す必要があります。またISVとしても、今後はAIを活用して自社製品を差別化していかなければならないという課題があります。AMDの強みであるゲーミング市場を引き続き伸ばしつつ、オフィスワークロード系のアプリケーションベンダーやクリエーター向けアプリケーションベンダーとの協業などによって法人向けPC市場に注力していきます」と説明する。

 ワールドワイドではサーバー市場においてAMD搭載製品のシェアが30%を超えているという。関根氏は「AMDが日本の法人向けPC市場に本格的に参入してからわずか数年で20%以上のシェアを獲得できたことは驚異的だと自負しています。今後30%を超えていくようになれば、加速度的にシェアが伸びていくと期待しています」と意気込みを語る。

 今後のAI活用に向けたPC市場の見通しについて「まずはハイエンドおよびプレミアムからCopilot+ PCが普及していくでしょう。そして来年以降にAMDはメインストリームに近いところにまでCopilot+ PCに対応できるプロセッサーの展開を計画しています。その製品によってCopilot+ PCの普及が加速するとみています」とアピールする。

長年培った技術を強みにSoCを展開
Copilot+ PCへのニーズに応える

1985年の設立以来、半導体および通信技術関連の設計や開発といったさまざまな事業を展開してきたクアルコム。同社が開発したモバイルデバイス向けのSoC「Snapdragon」は省電力性や通信性能の高さを強みに、スマートフォン、タブレットなどに広く採用されている。こうした通信機器向けの領域で培ってきた技術を基に、クアルコムが新たに開発したのがPC向けのSoC「Snapdragon X Elite」と「Snapdragon X Plus」だ。Copilot+ PCに対するニーズが高まるPC市場に向けて、同社ではどのような取り組みを行っていくのだろうか。

効率的に作業をこなせる
高いパフォーマンス性能

クアルコム ジャパン
中山泰方

 半導体事業で約40年の歴史を持つクアルコム。これまで培ってきた技術を強みに、Copilot+ PCに対応するSoCをPC市場に先駆けて投入した。それが「Snapdragon X」シリーズプラットフォームである。「マイクロソフトさまと長きにわたり議論を重ねながら、同社が理想とするCopilot+ PCのユーザー体験に近づけるため、開発を進めてきました。こうした取り組みによって、Copilot+ PCに準拠したSoCをいち早くリリースできたのだと自負しています」とクアルコムジャパン 副社長 中山泰方氏は話す。

 Snapdragon Xシリーズプラットフォームは「Snapdragon X Elite」と「Snapdragon X Plus」をラインアップする。Armアーキテクチャを踏襲してクアルコムが独自開発したCPUの「Oryon CPU」、GPUの「Adreno GPU」、NPUの「Hexagon NPU」に加え、メモリーコントローラー、Image Signal Processor(ISP)、セキュアプロセッシングユニット、センシングハブなどを一つのチップに集積している。開発には、スマートフォン、XR、自動車などの数々のSoCを提供してきたクアルコムならではのさまざまな知見が反映されているという。

クアルコム シーディーエムエー テクノロジーズ
泉 宏志

 Snapdragon X Eliteは12コアCPU、Snapdragon X Plusは10コアCPUまたは8コアCPUを搭載している。2024年10月に米国ハワイ州マウイ島で開催された年次イベント「Snapdragon Summit 2024」での発表によれば、Snapdragon X Eliteは同等クラスの他社製品と比較して、シングルスレッドのパフォーマンスが最大10%高速で、ピークパフォーマンス時の消費電量は38%低いという結果が出ている。また、マルチスレッドのパフォーマンスでは最大52%の高速で、ピークパフォーマンス時の消費電力は113%低いという結果が出た。「Snapdragon X EliteとSnapdragon X Plusは、パフォーマンスとバッテリー寿命の両立を実現し、消費電力を抑えながらも従来のPCより高い性能を発揮できることが特長です。CPUによる省電力化によって外出時の作業もバッテリー駆動時間を気にすることなく、効率的に作業をこなせます」とクアルコム シーディーエムエー テクノロジーズ マーケティング統括本部長 泉 宏志氏はアピールする。

オンデバイスAIで
新たなAI体験を提供

 AIを活用するに当たって鍵を握るのがNPUだ。NPUは並列処理に優れており、画像認識や自然言語処理、リアルタイム翻訳、画像生成などを高速に実行できる。また、AI推論の処理をローカルで行える点も特長である。

 誰もがAIを気軽に使える環境が整い始めているが、その一方で生成AIを活用しようとすると、サービスが動作するサーバーなどのハードウェアには、非常に高いレベルのマシンパワーや潤沢なリソースが必要となる。そのためAIの利用は、提供されているクラウドサービス上で行うケースが多い。ただ、その都度クラウドにデータを送って処理結果が返されるという形態のため、通信環境の遅延やデータを外部に送信することに伴うセキュリティリスクの問題などが懸念される。

 そこでNPUを利用することでクラウドではなく、デバイス内部でAI処理や推論を実行できるようになる。これにより、ネットワークが不安定な環境でも高速で安定したAI処理を実現するだけではなく、処理したデータが外部に漏えいするといったセキュリティリスクも減らせる。

「Copilot+ PCの要件の一つとして、40TOPS以上のNPUの搭載が求められています。Snapdragon X EliteとSnapdragon X Plusに搭載されているNPUは、その要件を上回る45TOPSの処理性能を誇ります。Snapdragon X EliteとSnapdragon X Plusを搭載したCopilot+ PCによって、オンデバイスでのAI活用の幅がさらに広がり、新たなAI体験やさまざまなメリットを享受できるでしょう」(泉氏)

 昨今ではハイブリッドワークを導入する企業が増え、PCを外に持ち出す機会が多くなった。それに伴って、外出先でのWi-Fi利用の危険性が危惧される。Snapdragon X EliteとSnapdragon X Plusは5G/4Gの高速通信技術を搭載しているため、5G/4Gで常時接続することで公衆Wi-Fiなどへの接続が不要となり、セキュリティリスクの低減につなげられる。安心してCopilot+ PCを外に持ち出すことが可能だ。

互換性の問題を改善
Arm版Windowsの弱点をなくす

 Snapdragon X EliteとSnapdragon X Plusはx86やx64ベースのSoCと異なるため、Emulator上でアプリを動作させるか、ソフトウェアがArmに対応している必要がある。マイクロソフトのWord、Excel、PowerPointなどの基本的なアプリはArm版が用意されているため問題なく利用できるが、周辺機器のドライバーや業務で利用しているソフトウェアが使えないといった懸念も少なからずある。「ソフトウェアの互換性の問題はArm版Windowsの弱点とも言われていましたが、年々改善しています。現在では多くのユーザーがPC使用時の約90%の時間で使っている全てのアプリがArm版Windowsで動くことが確認できています。また、マイクロソフトさまでは、Arm版Windowsでx86、X64向けのソフトウェアを動作させられるようにする『Prism』と呼ばれるエミュレーターを用意しています。その一方で、カバーしきれていない部分もまだまだありますので、これからもマイクロソフトさまやISVさまなどと協力しながら改善を図っていきます」と泉氏は説明する。

 今後、Copilot+ PCおよびSnapdragon X EliteとSnapdragon X Plusの普及を加速させていくため、クアルコムはどのようなことに注力していくのだろうか。「当社はこれまでの歴史の中で、携帯電話に使われているチップセットや通信をつかさどるモデムなどを提供してきました。そして今、力を入れている領域の一つであるPC向けのSoCの提供は、始めて約10年になります。携帯電話の分野においては十分な経験を有していますが、PCの分野での経験はまだこれからと言えるでしょう。これまで培ってきたノウハウを生かしながら、マイクロソフトさま、PCベンダー各社さま、ダイワボウ情報システム(DIS)さま、パートナーさまと共にさまざまな取り組みに力を入れたいと考えています。今後も鋭意継続的にチップの性能を進化させ、新たな市場のニーズに応えていきます。そしてCopilot+PCが提供する従来のPCとは一線を画する新たなユーザー体験をしっかりとお客さまに訴求していきます」と中山氏は意気込みを語った。