新年度が始まりZ世代以降の新入社員が入社してきたら、次は社内のコミュニケーションの基盤となる会議での雰囲気づくりが重要だ。従来のメンバーはもとより新入社員にも会議での発言内容を端的・スムーズに伝えるほか、アイスブレイクなど発言しやすくなる雰囲気づくりに必要な書籍を読んでいこう。
3秒で伝える コンサルが使う
[シンプルな言葉で相手を動かす]会話術
ビジネストークでは結論からの端的な説明が求められるが、実際には遠回しで長くなってしまうことも少なくない。本書では、短くシンプル化して3秒で伝えることを前提に、伝え方の型を解説している。まずは、説得ではなく相手が「納得感」を得られるコンパクトな筋道を考えよう。さらに、結論を「事実+示唆」で伝えて説得力を強化する方法や質問によって相手の期待値を明確化する方法など、3秒で伝わる一言を参照できる。「3秒で伝える『一言の見つけ方』」と題した3章では、言葉をシンプルにする四つのワザとして、①ノイズとなる表現をそぎ落とす、②一言で伝わる表現に置き換える、③二項対立は「主張したい部分」だけを残す、④重複表現は一つにまとめる、と段階ごとに相手に伝わりやすい方法を伝授。第5章では「自分の言葉で話す『コンサル流テクニック』」を紹介。例えば相手の理解度に合わせて具体性を持たせたり、順序立てて説明したりするほか、モノやコトの共通点を見つけ出して抽象化するなど話の解像度を調整できれば、周囲から一目置かれそうだ。
一流ファシリテーターの 空気を変えるすごいひと言
ファシリテーターは、あたたかく前向きな一言を差し出してチーム内に良い空気をつくろう。これにより、メンバーから良心を引き出して積極的に発言しやすい環境を作れる。本書では、「相手との距離を縮めたい」「意見を言いたくなる雰囲気にしたい」「最後に満足度を上げて締めくくりたい」などテーマごとに空気を変える一言を紹介。会議に対しての貢献ポイントやチームへの期待を伝えたり、制約を設けて自由度を高める「フレーミング」を活用したり、自ら一言発言し、参加者の発言を促したりするなど、会議を円滑化するヒントにあふれた一冊。
そのまま使える アイスブレイクのアイデア帳
会議での発言の少なさ、初対面でのぎこちない雰囲気を解決してくれるのが、アイスブレイクだ。本書では、その場の狙いや状況にふさわしいアイスブレイクネタを整理して紹介している。例えば、対話の活性化に向け、地蔵や菩薩のように相手の話に耳を傾ける例では傾聴力・共感力、試練だった体験を整理して共有してフィードバックを受ける例では内省力・共感力の向上が期待できる。そのほか、ペンを落とさず動き回り発想力を刺激する「ペンサークル」や情報収集で共創力を深める「女王蜂と働き蟻」はイベントで活躍しそうだ。