戸田覚の週刊「ジバラ」-自分働き方改革のススメ【第23回】
大幅効率アップ! 会議録音のコツ(1)
自分個人の働き方改革を極めるのがこの連載の趣旨。自分働き方改革を縮めて「ジバラ(自働)」と呼んでいる。効率的な会議記録は以前(第7回)説明したようにビデオ録画がベストだが、それが難しい状況もあるだろう。そんなときに選べる次善の策はスマホによる録音だ。
文/戸田 覚
上手な録音の方法は?
さて、そもそもジバラの理念は、何も考えずに踏襲されてきた仕事の仕組みを変えることから始まる。特に注目したいのが議事録で、この連載でも7回目に「会議はビデオで撮影してしまおう」と提唱した。もちろん、それがベストであり、僕個人も取材などはビデオ撮りしている。
とはいえ、現実的にはビデオが撮れない・撮りづらい環境もあるだろう。そんな場合には次善の策として録音するべし。それでもダメならメモやノートを書くのだが、これはできる限り避けたいところだ。
今回から、2回で上手な録音の方法を紹介していこう。
スマホアプリでの録音がおすすめ
録音にはICレコーダーを使う手もあるのだが、できるだけスマホを使うといいだろう。スマホで録音をするメリットはいくつもある。まず、相手に録音をしているという威圧感を与えないことだ。ICレコーダーを机の上に置いておくだけで、ちょっと引いてしまう人もいるだろう。
スマホなら、“録音している感”が薄いのがいい。さらに、スマホはICレコーダーに比べると画面サイズが大きいのでファイルの管理などもしやすい。
さて、アプリの選び方だが、大前提として使いやすいもの。さらに、勝手に止まるなどのトラブルが少ないものをおすすめしたい。
スマホ本体との相性もあるので、まず会議の前にテストして欲しい。テストといっても、録音ボタンを押して1時間程度放置しておくだけなので面倒なことはない。さらに、録音したデータは、クラウドストレージに保存できるのが重要だ。いちいちパソコンとケーブルをつなぐなどして転送するのはナンセンスなのだ。この保存方法もアプリによって色々あり、対応するクラウドストレージも異なる。こちらも、自分の環境に合わせてテストして欲しい。
なお、録音データは容量が多くなるので、スマホの不要なファイルを削除して準備しよう。古い機種を使っている方は、一度再起動してメモリーをクリアにしてから利用することをお勧めする。
録音をうっかり忘れてしまうという人も少なくない。僕もたまに忘れることがある。そこでおすすめなのが、「録音(ボイスレコーダー)」というiPhone向けのアプリだ。
このアプリは、時間を指定して録音ができる。つまり、会議が13時からなら、13時と指定しておくだけで、勝手に録音してくれるのだ。これなら、会議や商談の最初に書類を配布したり、名刺交換などをしていて録音をうっかり忘れる恐れがない。
また、録音をしていることを悟られたくない場合でも、この機能を使うと相手には気付かれづらいだろう。商談などの録音を個人の記録のために残すのは、法律的な問題はないようだが、まあ、モラルの問われる部分ではあるので、そんな使い方をするなら、自己責任で対応して欲しい。
このアプリは、カレンダー上で録音ファイルを探すことができるので、片っ端から録音してきちんと整理できていないときの対応もしやすい。
今回紹介した機能を持つアプリは他にもあり、Androidでも「GOM Recorder」など、タイマーで録音できるアプリはある。繰り返すが、スマホとの相性もあるので、実用前にはテストして欲しい。
なお、第7回で紹介した「Recoco」もテキストを作るのには向いている。つまり、自分が議事録作成者なら使うといいだろう。
なお、次回は、録音したファイルをうまく保存して使う方法を紹介する。
筆者プロフィール:戸田 覚
1963年生まれ。IT・ビジネス書作家として30年以上のキャリアを持ち、「あのヒット商品のナマ企画書が見たい」(ダイヤモンド社)など著作は150冊を超え、IT系、ビジネス系を中心に月間40本以上の連載を抱えている。テレビ・ラジオ出演、講演なども多数行っている。