戸田覚の週刊「ジバラ」-自分働き方改革のススメ【第31回】
ピクトグラムで書類の説得力を向上(1)
書類にビジュアルを入れるのは、説得力向上のためにとても役立つ。もちろん、無意味な挿絵的なビジュアルを入れるのは最近は流行らない。シンプルでわかりやすい書類を作れば、手間も掛けずに説得力が向上するわけだ。これぞ、自分働き方改革「自働(ジバラ)」にとっては最高の書類作成方法と言えるだろう。
文/戸田 覚
クリップアートがなくなった
一昔前のMicrosoft Officeには、専用のイラスト集である「クリップアート」が搭載されていた。権利のことを気にせずに、安心して使えるイラスト集だったのだが、残念ながら機能は2014年末に削除されてしまった。
従来からある作図機能では、各種の図形などを描くことはできるが、これでイラストを作るのはとても大変だ。また、Wordの書類にワードアートをどんどん使うような古いデザインは、最近ではほとんど見かけなくなった。そんな時には、「オンライン画像」を使う手がある。こちらは、Bingで検索したコンテンツが表示される。写真とイラストが用意されており、それなりに種類も見つかるのだが、タッチを合わせるのは困難だ。例えば、会議と営業をイメージさせる図を貼り付けようと思った場合、それぞれに適したものは見つかるのだが、イラストとのタッチが合わない。スライドや企画書にバラバラのタッチのイラストなどを入れていくと、統一感がなく書類のクオリティが納得できなくなるだろう。
クリップアートでは、実は同じ作者のイラストを探し出すことができたので、この点はある程度は対応できたのだ。もちろん、希望のイラストが揃わないことも多かったのだが。まあ、こんな要望はある意味とても贅沢で、さまざまなイラストでタッチを揃えようと思ったら、プロに発注して書き起こしてもらうしかない。
アイコンの挿入がピクトグラムだ
そこでおすすめなのが「アイコンの挿入」機能だ。この機能は、Microsoft Office 2016から搭載された。当初は図が少なすぎてとても使い物にならないと思わせたのだが、徐々に充実。いまやかなり多くのカテゴリが揃えられている。
このアイコンは「ピクトグラム」と呼ばれる最近流行っているイラストだ。インフォグラフィックなどでも盛んに使われており、シンプルだがわかりやすい図としてさまざまな用途に利用できる。
昔から標識や誘導看板などにも使われてきた簡素化した人物などの図だ。目的のものが見つからないこともあるのだが、ちょっと工夫して複数のアイコンを組み合わせれば望んだイラストが作成できるだろう。
次回はさらに踏み込んだ活用方法を紹介していこう。
筆者プロフィール:戸田 覚
1963年生まれ。IT・ビジネス書作家として30年以上のキャリアを持ち、「あのヒット商品のナマ企画書が見たい」(ダイヤモンド社)など著作は150冊を超え、IT系、ビジネス系を中心に月間40本以上の連載を抱えている。テレビ・ラジオ出演、講演なども多数行っている。