パソコンの快適な使用環境は搭載CPUのコア数とスレッド数の多さがポイント
AMDのプロセッサを搭載するパソコンが高いパフォーマンスを発揮する理由について日本AMDの関根正人氏は「あらゆるアプリケーションソフトはプロセッサに依存して動作しますが、その動作を高速化するにはプロセッサに搭載されるCPUコア数と同時に実行できるスレッド数を増やすことが求められます」と解説する。
プロセッサに内蔵されるCPUコアとは、ソフトウェアを動かすなどの演算処理を行う演算装置のことで、このコアは物理的に機能する。一方のスレッドとは同時に処理できる作業単位のことで、こちらは半導体メーカー各社の工夫によって論理的に機能する。そのため物理的なCPUコアの数と論理的に機能するスレッドの数は異なる。
例えばAMDのパソコン用プロセッサの最新モデルである「AMD Ryzen™ プロセッサ」では最大16コア、32スレッド、ワークステーションにも搭載されるさらに性能の高い「AMD Ryzen™ Threadripper PROプロセッサ」では最大96コア、192スレッドという超ハイスペックを誇る。ちなみにAMDではパソコン用プロセッサとしてグラフィックス機能を内蔵する製品が主流だ。
コア数やスレッド数の多さによって高い性能を発揮するAMDのプロセッサは、省電力においても優れた性能を持つ。関根氏は「最新のAMD Ryzen™ プロセッサなどは高度な微細化加工技術によってより小さく製造されています。物理的なCPUコアが小さくなることで同じ面積により多くのコアを搭載できるため、性能を大幅に向上させることができます。同時にコアが小さくなれば動作に必要な電力も少なくなるため、発熱が抑えられ冷却ファンの動作も減らすことができ、パソコン全体のシステムとして省電力化が図れるのです」と解説する。
省電力、静音設計、セキュリティ、コストパフォーマンスでビジネスユースにも選ばれるAMD CPU
AMDプロセッサを搭載するパソコンはゲーマーやグラフィックスおよび映像を多用するクリエーターなどの支持を得ており、その性能の高さは市場で証明されている。同時に高性能でありながらAMDプロセッサ搭載パソコンの価格が手頃であることも人気の理由となっている。さらに最近では前述の電力消費を抑えられることも注目されているという。
関根氏は「AMDのRyzen™ プロセッサは消費電力が小さいため電力消費を削減でき、コスト削減とCO2削減に貢献できることはもちろん、ノートパソコンならば長時間にわたり充電することなく使い続けられること、CPUの発熱が抑えられるため冷却ファンの稼働を減らせてパソコンの稼働音が静かであることなどが評価され、企業のお客さまにも高くご評価いただいています」とアピールする。
日本AMDでは法人向けパソコン搭載プロセッサを最長3年間供給している。また各種ドライバーソフトも長期間提供し続けている。さらにAMD独自のセキュリティ機能もビジネスユースで高く評価されている。それはパソコンに搭載されるメモリー内のデータをリアルタイムで暗号化する「AMDメモリー・ガード」と呼ばれる機能だ。
関根氏は「SSDやハードディスクのデータを暗号化する機能はどのパソコンでも提供されていますが、例えばノートパソコンの電源を切らずにスリープ状態で盗難されたり紛失したりすると、メモリーに保持されている機密情報が盗まれてしまう恐れがあります。AMDプロセッサを搭載するパソコンならばメモリーも暗号化しますので、盗難や紛失時もデータを守ることができます」と胸を張る。
最後に関根氏は「AMDはお客さまに向けて長期間にわたる製品開発のロードマップを公開しており、そのスケジュール通りに製品を市場に投入しています。AI機能についてもすでに搭載するCPUを提供しており、今後はマイクロソフトのAI機能と連携して処理を高速化できるパソコンが各パソコンメーカーから発売されます。このようにAMDはロードマップに従ってプロセッサを開発、提供し続けていますので、企業のお客さまはパソコンの導入計画が立てやすくなるというメリットもあります」と強調する。