ChatGPTの登場によって生成AIをビジネスに活用する企業が急増した。今後もAI活用の範囲は広がっていくと考えられる。現在、AIから回答を得る際の推論や、推論に利用されるモデルの学習は全てクラウド上で行われているためデータ量が増加し、通信の遅延やコストの負担増、パフォーマンスの不足が課題となっている。そうした中、富士通ではモバイルノートPCである「LIFEBOOK U9414/R」と「LIFEBOOK U9314X/S」をAIの処理に最適化されたAI PCとして提供している。新発売の「LIFEBOOK U5414/S」と併せて、AI PCとしてのメリットを見ていこう。
モビリティに優れた軽量薄型ノートPC
まずは、薄型で長時間駆動モデルの14インチノートPC「LIFEBOOK U9414/R」の特長と言える機能を紹介したい。CPUには、最新のインテル Core Ultra 7/5プロセッサーを搭載している。持ち運びが苦にならない約879g※。本体サイズは幅308.8×奥行き209×高さ15.8mmのスリムな筐体だ。14インチのモニターは縦横比16:10のWUXGA解像度となっている。狭額縁設計により13.3インチモデルと同等のフットプリントを実現。オンライン会議に映る人の姿を感知し、明るさ自動補正、顔位置自動調整、肌補正、視線補正、背景ぼかしなどを実行し画面を最適化する「AIカメラエフェクター」に対応している。Web会議などで会議に必要な人の声と犬の鳴き声、工事現場の騒音などをAIが識別し、ノイズを抑えて音声通話できる。外出先でも約30時間※の連続使用が可能な大容量バッテリーを採用した。HDMI、有線LAN×1、USB Type-AはUSB3.2×2、USB Type-CはThunderbolt 4対応のUSB 4(DisplayPort Alternate Mode対応)×2を利用可能だ。
ウィルス・マルウェア対策も強化している。例えば、同社独自の「Endpoint Management Chip(EMC)」とセキュアBIOSの組み合わせがある。EMCは、BIOS攻撃の防御だけではなく、異常を自動で検知して素早く自動で復旧を行う仕組みだ。もしもの場合も迅速に通常状態に戻るので、安心して業務を継続できる。セキュリティチップ(TPM 2.0)も標準で搭載した。そのほか、「指紋認証機能付き電源ボタン」「手のひら静脈センサー」「スマートカードスロット」を追加で搭載することも可能だ。



※重量や稼働時間は選択する仕様により異なる。
描画機能に特化したモデルも提供
次に、軽量・長時間稼働のペン搭載2in1モデル「LIFEBOOK U9314X/S」を見ていこう。CPUは、LIFEBOOK U9414/Rと同様インテル Core Ultra 7/5プロセッサーだ。重量は約968gで、片手で軽々持って使いまわせる。LIFEBOOK U9314X/Sの大きな特長は、ペンとの連動だ。筆圧を検知する標準添付の「太ペン」は、モニターへ描画を行うときも疲れにくい。3分の充電で90分の連続使用が可能だ。本体内蔵充電なので電池交換不要で紛失防止に役立てられる。傷がつきにくく、高い透明性と強度を併せ持つモニターを採用しているため、描画や書き込み作業に最適だ。360度回転させて、ノートブックモードとタブレットモードで1台2役を切り替えられる。キーボード上部にはリアカメラを搭載しているため、ホワイトボードやメモなどの写真をその場ですぐに撮れるのもポイントだ。

Copilotを呼び出せるキーを搭載
今回紹介するPCの中では、LIFEBOOK U9414/RとLIFEBOOK U9314X/Sに加え、後述する「LIFEBOOK U5414/S」の3製品全てがAI PCとして提供されている。AI PCとはAIの処理に最適化されたアーキテクチャを採用したマシンとなるが、詳細は概論を参照されたい。PCの筐体設計の特長としては「Microsoft Copilot」「Copilot キー」を搭載していることが挙げられる。前述した2モデルではキーボード下部にCopilot キーが追加された。Copilot キーは一回押下することで「Microsoft Copilot」を呼び出して起動が可能だ。Microsoft Copilotでは、テキストや音声、画像を使用してのチャットやメールのやりとり&Webページの要約、文章や画像コンテンツの生成などが可能だ。細かい指示を繰り返せば、学習によって精度の高いコンテンツを出力できるようになるだろう。Copilot キーの検索コンソール機能は日々の業務の生産性向上をサポートする。
ユーザビリティにこだわるハイブリッドワーカーに
最後に、2025年1月から発売となった新モデルの14インチノートPC、LIFEBOOK U5414/Sを紹介する。CPUは、Core Ultra 5プロセッサーを搭載可能だ。縦横比16:10の14.0インチモニターを搭載。キーストロークが1.7mm、キーピッチ19mmのキーボードを備えている。有線LAN、無線LAN、HDMI、USB(Type-C/Type-A)×2を活用可能だ。LIFEBOOK U5414/Sのポイントは、PCのバッテリーをユーザー自身で交換できる点。底面がバッテリー交換時のユーザビリティを向上する設計となっているのだ。例えば、底面カバーネジを5本備え付けている。ネジには段差を設けバッテリー交換時のネジ紛失を防ぐ「脱落防止ネジ」を採用した。底面カバーの厚みを全体的に増やさず強度をアップし、バッテリーの取り替えやすさと共にキーボードの打ちやすさとスリムさを両立している。
また、LIFEBOOK U5414/Sでは三つの利用シーンを想定しているので企業への提案に参照されたい。一つ目が、オフィスワークがメインで、在宅テレワークは週一回ほどということ。二つ目は、PCの持ち運びは自宅とオフィスの往復程度だが、持ち帰りに適した質量が望ましいこと。三つ目は、テレワークに必要な大画面は備えつつ、パフォーマンスが良く作業効率を向上させたいというイメージだ。
企業の利用スタイルに合わせて、富士通のAI PCを提案しよう。
