JAPANNEXTのデュアルモバイルモニター「JN-DMD-IPS156F」は、15.6インチのIPSパネルを2枚組み合わせた製品だ。両モニター共にフルHDに対応し、PC画面のミラーリングやマルチディスプレイでの画面拡張が行える。モバイルモニターの可能性を広げ、ノートPCの活用範囲を拡大するJN-DMD-IPS156Fは、どのような背景で誕生したのだろうか。ビジネスにおいてどう活躍していくのか。今回はその魅力に迫る。
text by 森村恵一

JAPANNEXT
JN-DMD-IPS156F

社長の「欲しい!」を形にしたデュアルモバイルモニター

出張先でも3画面で作業したい

JAPANNEXT
セールス&マーケティング本部長
剣持 開

 デュアルモバイルモニター「JN-DMD-IPS156F」が製品化された背景について、JAPANNEXT セールス&マーケティング本部長 剣持 開氏は「当社の代表取締役で創設者である、ベッカー・サムエルの希望を形にしています」と切り出す。サムエル氏は出張の機会が多く、モバイルモニターが出張の必需品となっていた。「ノートPCと普通のモバイルモニターだけでは、ホテルで仕事をするときにちょっと物足りないという話が出ました。そこで、本人の希望もありデュアルモバイルモニターの製品化に踏み切りました」(剣持氏)

 同社では、従業員は3画面で業務を行うのが当たり前になっている。そのため出張先ではノートPCとモバイルモニターの2画面での作業となると、作業効率の低下につながってしまう。そこで出張先でも3画面での作業を実現するモバイルモニターとして、JN-DMD-IPS156Fが開発された。

 剣持氏は、製品化に当たっての苦労を次のように話す。「製品化で苦労したのは、主に2画面を制御するファームウェアの開発でした。JN-DMD-IPS156Fはボタン一つで2画面表示と1画面表示を切り替えられるので、モニターの信号がWindowsで正しく制御できるか、何度もテストを繰り返しました。また、自立式としての強度を高めるために、フレームやヒンジは強固な設計になっています」

 出張先でもオフィスにいるような快適な3画面を実現したい、という社長の「欲しい!」が形になり、JN-DMD-IPS156Fが誕生したのだ。

フルHDモニターを2枚搭載

 JN-DMD-IPS156FはフルHDの15.6インチモニターを二つ備え、2Wのスピーカーを二つ内蔵している。本体重量は約1.4kgで、表示モードは1画面のみを大きく映す「1画面拡張モード」と、二つのモニターにそれぞれ画面を映す「2画面分割モード」を搭載。1画面拡張モードを使うと、実質21.5インチ相当のモニターとして活用可能だ。

 加えて、表示画面の向きを上下反転する「表示画面フリップ」機能を備えている。JN-DMD-IPS156Fを三角形状に立てても、両方の画面を正しい向きで見られるのだ。顧客先でプレゼンを行う際、相手に見せる画面には資料を、自分が見ている画面にはカンニングペーパーを表示するといった活用が効果的かもしれない。

 本体の右側面には、二つのUSB Type-Cポート(電源供給用とモニター接続用)と一つのHDMIポートがある。左側の側面には、一つのオーディオ端子と音量や輝度のコントロールボタン、画面表示の切り替えボタンが配置されている。なお、USB Type-Cであればケーブル1本のみでノートPCと接続が可能だ。ホテルのように机が狭い場所でも、すっきりとしたマルチディスプレイ環境を整えられる。

表示画面フリップ機能を搭載。一方の画面で相手に資料を見せながら、もう一方の画面で自分用のメモや別資料の確認ができる。

商談で関心を集めるモニター

 JN-DMD-IPS156Fは、本体を横置きにした状態でも使用可能だ。Excelで大きな表を取り扱うときは、横置きで作業すると一覧性が高まるだろう。Wordでの作業時に文章全体の見通しを良くしたいときは、縦置きでの使用がお薦めだ。

 さらにWeb会議の便利さは格別なものとなる。3画面あると、Web会議ツール、Webブラウザー、チャットツールを画面ごとに使い分けられるのだ。Web会議ツールで画面共有を行う際、共有中の画面を確認しながら別画面でWebブラウザーやチャットツールを使える。Webブラウザーで補足情報を検索しながら、共有画面の説明を行うといったことが実現可能だ。

 約1.4kgという本体重量は、1画面のモバイルモニターと比べると少し重い。しかし、21.5インチのモニターを持ち歩けると考えると、少し大きなノートPCを持ち歩く感覚に近い。JN-DMD-IPS156Fの本体サイズは、折り畳んだ状態で幅356×奥行き22×高さ225mmなので、15インチ前後のノートPC用キャリングケースに収納できるだろう。

 剣持氏は「実際に商談でJN-DMD-IPS156Fを取り出すと、プレゼンの前から『おお!』と関心を集めます。特に上部のモニターを相手側に倒して画面を共有すると、注目度はさらに高くなります。作業が終わったら閉じて収納できるので、ダイニングテーブルで作業する機会が多いテレワークで使うと、3画面の便利さを実感しながら片付けの利便性も享受できると思います」と活用の効果に触れる。

 最後に剣持氏は、今後のJN-DMD-IPS156Fの展望についてこう語った。「より大画面にしたいという要望もあるので、さらに大画面なデュアルモバイルモニターの製品化を検討しています。当社は販売店やお客さまからの意見を迅速にフィードバックし、製品化に取り組んでいるので、これからもより多くのユーザーの『欲しい』に応えていきます」

縦置きだけでなく、横置きでも安定して使用可能だ。セミナー動画を大画面で見たいときや、横長の資料を確認したいときに役立つ。