ランサムウェア攻撃は巧妙化が進んでいる。ウイルス対策ソフトを導入していても感染の可能性があるため、企業はランサムウェアを事前に防ぐ対策にとどまらず、感染した後に素早く業務を復旧する策を講じなければならない。そこで取り組みたいのが、NASによるデータのバックアップだ。さらに一つのNASだけでなく、複数の場所にバックアップを取れたらなお良い。QNAPのNASキット「TS-h1277AXU-RP」を使用すれば、ランサムウェア攻撃でデータを失っても迅速な復元を可能にする。複数箇所へのバックアップもでき、データの強固な保護を実現する。

QNAP NAS TS-h1277AXU-RP

PBクラスの大容量も実現可能

 TS-h1277AXU-RPは、CPUにAMD Ryzen 5 7000シリーズを採用した、2UラックマウントモデルのNASキットだ。最大128GBまで搭載可能なDDR5対応メモリーを備え、M.2 PCIe Gen.5に対応したM.2専用スロットも搭載する。

 12ベイを備えるため、SATA3のHDD/SSDを12本搭載できる。加えて別途、24ベイの拡張エンクロージャー「TL-R2400PES-RP」を最大八つまで増設可能だ。TL-R2400PES-RPを八つ増設すれば、PBクラスの大容量ストレージを実現する。エンタープライズクラスの卓越したパフォーマンスが可能な、さまざまなビジネスニーズに応えるストレージだ。

 そしてTS-h1277AXU-RPは、任意のシステム状態を記録するブロックベースのスナップショットに対応する。企業のデータを保護し、任意の時点に復元が可能だ。スナップショットはローカルのNASに復元したり、フォルダーやファイル単位でローカル・リモートのNAS/クラウドストレージに復元したりできる。さらにTS-h1277AXU-RP内のボリューム/LUNのスナップショットを、変更部分のみコピーして、リモートのNASに複製可能だ。これにより、バックアップにかかる時間と帯域幅の節約が行える。これらの特長により、ランサムウェア攻撃を受けてPCやサーバーのデータを失ったとしても、TS-h1277AXU-RPを使用していれば素早い復旧を実現する。ランサムウェアの脅威を軽減し、企業存続に大きく貢献するのだ。

複数箇所へのバックアップに対応

 データのバックアップ先がNAS1台のみだと、万が一NASもランサムウェアに感染してしまった場合、データの復旧ができなくなってしまう。そのため、バックアップ先は複数用意しておきたい。TS-h1277AXU-RPは、QNAPが提供するNASデータのバックアップ&レプリケーションを行う無償アプリケーション「Hybrid Backup Sync3」(以下、HBS3)に対応している。HBS3を利用すれば、TS-h1277AXU-RPから、別のQNAP NASやOneDriveをはじめとした主要なクラウドストレージにデータをバックアップ可能だ。複数のバックアップ先を用意できるので、より強固なデータ保護が行える。

 またTS-h1277AXU-RPは、同社が提供するエンドポイントのバックアップが行えるアプリケーション「Hyper Data Protector」と、Windows PCとWindowsサーバーのバックアップが行えるアプリケーション「NetBak PC Agent(ベータ版)」にも対応する。

 Hyper Data Protectorは、仮想マシン(VMware vSphere/Hyper-V)とWindows PC/サーバーのバックアップがライセンス不要で実行できる。そしてNetBak PC Agent(ベータ版)は、Windows PC/サーバーのシステム全体、ディスク、フォルダー、ファイルのバックアップが行える。これらのアプリケーションも活用することで、企業内で使用しているあらゆるデバイスのバックアップが可能になるのだ。

 TS-h1277AXU-RPは、ランサムウェア攻撃でデータを失っても素早く復旧できる、包括的なバックアップ環境の構築に貢献する。