ハイブリッドワークの定着により、リモートと現地を組み合わせた会議が一般的になっている。しかしリモートでの参加者の音質や画質は端末の性能に依存してしまい、対面と比較するとスムーズなやりとりが行えないケースがある。また、対面での参加者同士で話が盛り上がってしまうと、リモートでの参加者は話に入りづらく疎外感を感じてしまうこともある。そうしたハイブリッド環境での会議の課題を解決する製品として、シスコシステムズのコラボレーションデバイス「Cisco Room Bar」を提案しよう。

AIを駆使したカメラ補正機能を備える

 Cisco Room Barは、Webカメラ、スピーカー、マイクが一体となったコラボレーションデバイスだ。まずはWebカメラの機能を見ていこう。水平視野角120度のレンズを採用しているため、狭い場所や小会議室で近距離の参加者を撮影する場合でも、参加者全員をカメラフレームに収められる。参加者が座っている位置に関わらず個々の参加者のフレームのサイズを均一に調整する「フレームカメラモード」を備え、リモートの参加者から見て特定の人が大きい/小さいといった距離のばらつきを感じない。またAIを駆使することで、顔認識による人物追尾や、音声認識による話者へ焦点を当てて追尾する「スピーカートラッキング」を実現している。

 次にスピーカーの機能を見ていこう。デュアルステレオスピーカーを採用しており、部屋の中で方向性オーディオでの音声出力が可能になっている。立体的な音響でリモートでの参加者の声を聞けるため、対面しているような音質でWeb会議を行えるのだ。

 最後にマイクの機能を見ていこう。4点ビームフォーミングマイクを採用しているため、周囲のノイズを軽減し、話者の声を効率良く集音可能だ。さらに、集音範囲を任意に設定できる「セットアップミーティングゾーン」機能により、外音を拾わない。

Cisco Room Barを導入したハイブリッド環境のWeb会議のイメージ図。デュアルスクリーンに対応しているため、リモートでの参加者の顔と共有中の資料の両方を画面に映せる。

ボタンを押すだけでWeb会議を開始

 Cisco Room BarはWeb会議を即座に始められる利便性も備える。本製品が設置されたスペースに入室すると、入室を検知し自動で電源がオンになる。Web会議を開始する時には「One Button To Push」(OBTP)機能が便利だ。OBTPとは、スケジュールしたWeb会議が開始される直前になると付属のコントロールパネル「Cisco Room Navigator」に「参加」ボタンが表示される機能だ。このボタンを押すだけでWeb会議を始められる。利用者のITリテラシーを問わずにWeb会議を開始できるのだ。さらにWebexやTeams、Zoomといった多様なプラットフォームに対応し、相手が利用しているプラットフォームに合わせてWeb会議を即座に始められる。

 USB-Cパススルーに対応しているため、本体とPCをType-Cケーブルで接続するだけで資料を相手に共有可能だ。デュアルスクリーンにも対応しているため、一つの画面にはWeb会議の参加者の顔を表示し、もう一つの画面では共有中の資料を映せる。会議室にいる参加者も共有中の資料の中身を容易に確認可能だ。

 シスコシステムズでは、ダイワボウ情報システム(DIS)を経由して貸出機を提供しており、ディーアイエスサービス&ソリューションでデモも実施可能だ。加えて、Teams利用に特化したカスタマイズ「Microsoft Teams Rooms」のデバイスセットアップサービスといったオリジナルサービスも用意している。音響システムの知識がなくても、自社に最適な形でシステムを導入できる。