オフィス回帰が進んだ昨今のWeb会議では、リモートでの参加者と会議室での参加者が混在するケースがある。会議室には複数人が集まるケースも少なくない。しかし、そうしたWeb会議を快適に行うためには、会議室にどのような機器を導入したら良いのか、音響の調整・設定をどうしたら良いのか分からないこともあるだろう。そんな課題を解決してくれるのが、ヤマハが提供するWeb会議用ワンストップサウンドソリューション「ADECIA」だ。

顧客に合わせた3タイプのマイクを用意

 ADECIAは、Web会議用プロセッサー「RM-CR」、インテリジェントL2 PoEスイッチ「SWR2311P-10G」、スリムなラインアレイ形式のスピーカー「VXL1B-16P」「VXL1W-16P」、そして顧客の運用や会議室に合わせた3種類のマイクで構成されている。それぞれのマイクの特長を見ていこう。

 一つ目が、天井設置型マイク「RM-CG」だ。RM-CGはノイズリダクションなどの信号処理技術に、収音した音声信号から人の声を高精度で判定するヤマハの独自技術「Human Voice Activity Detection」を組み合わせている。そのため、ノイズのみを除去したり、音量を適切に調整したりすることが可能だ。また最大4本の自動追従するビームによって収音する「マルチビームトラッキング」を備える。複数人が同時に発話しても相手に声を届けられることに加え、収音位置や範囲を事前に設定・調整する必要もない。本体は天井設置型のため、テーブルレイアウトの変更も容易だ。

 二つ目が、有線接続の卓上設置型マイク「RM-TT」だ。幅140mmの小型なサイズで設置場所を選ばない本体に、適応型エコーキャンセラーといった多様な信号処理技術を備える。発話方向を自動で検出して収音する「オートボイストラッキング」により、複数の話者がいる環境や同時発話でも効果を発揮する。

 三つ目が、無線マイク、アクセスポイント、充電ステーションで構成された「RM-Wシリーズ」だ。RM-Wシリーズのマイクは、グースネックタイプの「RM-WGS」「RM-WGL」と、単一指向性の卓上設置型「RM-WDR」、無指向性の卓上設置型「RM-WOM」の4種類をラインアップしており、会議に合わせて選択できる。マイクの受信機である8chアクセスポイント「RM-WAP-8」、16chアクセスポイント「RM-WAP-16」は、接続に暗号化技術を備えた1.9GHz帯「DECT」規格を採用している。そのため、2.4GHz帯の無線機器との電波干渉が少なく、情報漏えいのリスクも抑えられる。

システムの構築にかかる時間を短縮

 ADECIAではWeb会議の準備にかかる時間を短縮できる。RM-CRとPCをUSBケーブルで接続するだけでWeb会議を開始可能だ。さらにRM-CRの「オートセットアップ」機能と「オートチューニング」機能によって、システムの構築時間も短縮できる。オートセットアップ機能では、Webブラウザー上のGUIで項目をクリックするだけで、ルーティングや音響調整を自動で行える。オートチューニング機能では、部屋の響きやスピーカーの設置状況から発生する環境の音響的な違いを自動測定し、音響調整を自動で行う。音響に関する高度な知識や経験を必要とせずに音響の調整が行えるため、施工後の調整時間を大幅に短縮し簡単に導入できる。

 顧客の運用や部屋に合わせて3タイプの提供形態を用意している。ADECIAを導入して、自社の会議室でのWeb会議を快適なものにしよう。ヤマハでは購入前の事前検証の相談も受け付けているため、導入の際の不安も解消できる。