第2回
Windows 10 MobileでOfficeファイルを編集する
スマホ向けに練られたOfficeの操作方法をチェック
文/飯島範久
Windows 10 Mobileには、標準でWord、Excel、PowerpointそしてOneNoteと、計4つのモバイル用アプリが収録されている。PCで編集したオフィス文書の閲覧はもちろん、編集も可能だ。外出先でちょっと修正が必要になったとき、Windows 10 Mobile搭載スマホをサッと取り出して作業できるので、わざわざPCを持ち出しする必要がなくなりとても便利。これを使いこなせば、かなりの効率アップまちがいなしだ。
それでは、それぞれのアプリでの編集の仕方を紹介しよう。まずはWord。PCなどで作成したファイルをOneDrive経由で開く方法は前回解説した通り。既存のファイルを開いて編集もいいが、今回は新規ファイル作成から入ろう。
Wordを起動すると、過去に開いたファイル一覧とともに、「+新規作成」のアイコン表示されるのでそれをタップ。すると、各種テンプレートが一覧表示される。素の状態から始めるなら「白紙文書」、作成したい文書に近いものがあればテンプレート一覧から選択しよう。ここでは「ビジネスレター」を選択した。
アプリの画面構成は以下の通り。編集するなら右上のアイコンをタップして「モバイルビュー」にすると、画面に合わせて拡大・折り返し表示されるので編集しやすい。またPC版でいう「リボン」表示は右下の「…」をタップすると現われる。「ホーム」をタップすれば、「挿入」、「レイアウト」、「校閲」、「表示」のメニューが表示され、選択すれば内容が変わる。
文字入力は、編集したい場所をタップするだけ。日本語入力画面が下に現れるので、文字入力しよう。ここでオススメなのが音声入力。たとえば日付部分を選択して、マイクのアイコンをタップしたあと「2016年8月1日」などと喋れば、自動で入力してくれる。文章もある程度入力できるので、変換ミスを修正するだけでかなりスムーズに作成可能だ。
スタイルの変更や、ヘッダー/フッターの編集なども、PC版と同様に作業できる。最後に左上のメニューから「上書き保存」を実行すれば、保存される。
ほかのアプリも作業的には同じだ。Excelの場合は、セルの入力欄が上に表示され、関数はすぐ入力できるよう左側の「fx」をタップすれば関数一覧が表示される。また、グラフをタップすれば、スタイルの変更や行列の入れ替えなどが下部にアイコン表示されるので、その都度編集メニューを表示しなくても作業できる。
PowerPointも編集画面とスライド表示が切り替えられるほか、発表時に役立つノートの編集も可能。どのアプリでも同じだが、画像を差し込むにあたって、カメラで撮影した画像をすぐ挿入できるのも便利。PCでは手間のかかる作業が、モバイル版ではカンタンにできるなんてこともあるので、PC版とモバイル板をうまく活用して仕上げていくのがポイントだ。
なお、個人ユーザーの場合、タブレットなど画面サイズが10.1インチ以下のWindows 10デバイスでは、主要な編集機能が無料で使える。一方、商用利用で編集作業を行う場合は、一般法人向けOffice 365のサブスクリプションの導入が必要になるが、PCを含めたオフィスアプリをフルインストールできるようになり、さらに活用範囲が広がる上、常に最新のオフィスアプリが利用可能だ。
主な追加機能としては「許可されたデバイスでのみデータ同期が可能」といったセキュリティ管理機能のほか、OneDrive for Businessの1TBクラウドストレージを使ったファイル共有などがある。無料版との違いは以下の通りだ。
Word
- 変更履歴を追跡して校閲する
- ページの向きを変更する
- セクション区切りとページ区切りを挿入する
- ページ レイアウトで列を使用する
- ページごとにヘッダーとフッターをカスタマイズする
- テキストにユーザー設定の色を適用する
- 表のセルにユーザー設定の網かけと罫線を適用する
- 図形にユーザー設定の色を適用する
- ワードアートを挿入および編集する
- 画像に影と反射のスタイルを追加する
Excel
- ピボットテーブルのスタイルとレイアウトをカスタマイズする
- 図形にユーザー設定の色を適用する
- ワードアートを挿入および編集する
- 画像に影と反射のスタイルを追加する
PowerPoint
- プレゼンテーション時に発表者のノートを確認する
- スライドショーからインク注釈を保存する
- 表のセルにユーザー設定の色の網かけを適用する
- 図形にユーザー設定の色を適用する
- ワードアートを挿入および編集する
- 画像に影と反射を追加する
オフィスアプリをビジネスでフル活用するためにも、Office 365サブスクリプション導入はオススメ。次回は、さまざまなサブスクリプションのプランについて紹介する。
筆者プロフィール:飯島範久
1992年にアスキー(現KADOKAWA)へ入社し『DOS/V ISSUE』や『インターネットアスキー』『週刊アスキー』などの編集に携わる。2015年に23年務めた会社を辞めフリーとして活動開始。PCやスマホはもちろん、ガジェット好きで各種媒体に執筆している。Microsoft Officeは95から使っている。