自律神経は24時間365日休むことなく働き、私たちの体を最適な状態に保っている。そんな自律神経の乱れは、疲れやすい、やる気が出ないといった心身の不調につながる。しかしこれまで自律神経を計測するためには、1日のレンタル料が5万円ほどかかる専用機器が必要だった。そんな高価で手間のかかる自律神経の測定をわずか2分で処理してくれるスマートフォンが、FCNTの「arrows We2 Plus」だ。ビジネス用途にも適した性能を発揮するミッドレンジのスマートフォンが、ワークスタイル変革にどのように貢献するのか紹介していこう。
健康のために自律神経を意識する
自律神経は、呼吸や血圧、代謝など、生命維持に欠かせない機能を制御する神経系だ。自律神経には、交感神経と副交感神経という二つの要素がある。交感神経は体を活性化させる神経で、心拍数を早くしたり発汗を促進させたりする役割を担う。対する副交感神経は体のリラックス状態を維持するために、心拍数や血圧などを下げる。昼間の活動時には交感神経が活発に働き、休憩や睡眠時には副交感神経が体を冷静にしてくれる。例えば、運動をして心拍数が上がったときに深呼吸をすると落ち着くのは交感神経から副交感神経への働きが、うまく切り替わっている証になる。ところがこの二つの要素のバランスが乱れると、緊張で上がった血圧を下げられなくなったり、課題や業務に取り組もうとしてもやる気が出なかったりといった心身の不調につながってしまう。
今までそうした心身の不調は、「なんとなく調子が悪い」で見過ごされてきた。近年ではこうした不調に自律神経が関わっていることが分かってきたが、交感神経と副交感神経の状態を計測する機会が少なかった。血圧や心拍数を測る機器は手軽で安価になってきたものの、自律神経の測定には高価で大きな装置が必要だった。そんな課題を一足飛びに解決したスマートフォンが、自律神経が測れるFCNTの「arrows We2 Plus」だ。背面カメラの下にある小さな自律神経測定センサーに指先を当てるだけで、自律神経を計測し記録できる。社員の健康管理やワークライフバランスに配慮する企業には、ぜひ注目してもらいたい革新的な計測機器である。
長く安心して使えるスペックを全て提供
arrows We2 Plusは、富士通の携帯電話事業を源流とするFCNTが開発したミドルレンジのスマートフォンだ。「これさえあれば何もいらない。」のキャッチコピーの下、充実したスペックを備えている。SoCにクアルコムの「Snapdragon 7s Gen2」を搭載し、標準メモリーは8GB、ROMは256GBで最大8GBの仮想メモリーにも対応する。加えて、1TBまでのmicroSDXCカードが利用できる。プロセッサーの性能やメモリー、ストレージなどはハイエンド機種に匹敵する充実度となる。モニターは、約6.6インチの2,400×1,080(有機EL)解像度で、サイズは幅75×奥行き8.5×高さ162 mmながら約182gと軽い。音質にもこだわっており、Dolby Atmosに対応し本体のスピーカーから高音質なステレオサウンドを再生できる。Bluetoothはもちろん、3.5mmのヘッドホン端子があるので有線でロスのない高音質も楽しめる。
さらに、米国国防省の調達基準「MIL規格」の23項目に対応する強靭さと、防塵・防滴規格「IP68」相当の防塵と防水性能を備え、汚れたら中性洗剤で丸洗い可能だ。MIL規格対応に加え、高さ1.5mから26方向でコンクリートに落下させるというFCNT独自の試験もクリアしている。arrows We2 Plusを導入することで、修理や交換の手間とコストを大幅に削減できるだろう。
ビジネス用途での利用を考える上でより魅力的なポイントは、4年後でも初期容量の80%を維持するという5,000mAhの大容量バッテリーと、最大3回まで対応するOSアップデートにある。セキュリティパッチも最大4年まで更新される。もちろん、カメラも高性能なデュアル仕様で、約5,010万画素と、約800万画素の超広角カメラを装備している。3D描画やゲーム性能などは、ハイエンドに及ばないものの、ビジネスで利用するスマートフォンとしては実用十分かつ、長く安心して使えるスペックを全て提供している。

自律神経は測り続けることに意義がある
ビジネス用途のスマートフォンとしても実用十分な性能を発揮するarrows We2 Plusだが、社員の働き方を気遣う会社に注目してもらいたいのは自律神経測定センサーとアプリだ。arrows We2 Plusの背面にはカメラの下に脈波センサーがある。脈波センサーに指先を当てると、血流などから得られるバイタルデータを独自のアルゴリズムで計算して、自律神経パワー値を算出する。計測は最短2分で完了する。
計測される結果は、ms2で表される自律神経パワーと50:50で表示される交感神経と副交感神経のバランス値になる。自律神経パワーは、およそ100~1,500ms2くらいの範囲で結果が表示される。数値が大きいほどパワーが溢れていて、表示される年齢も若くなる。自律神経バランスは、50:50が理想とされるものの、大切なのは自身の割合を正しく記録することにある。また測定結果も朝昼晩や食前食後、運動後や安静時でも異なるため、1回の計測結果に一喜一憂するのではなく、継続的に記録して自身のパワーとバランスを理解することが重要になる。筆者も試しに測ってみたところ、風邪を引いたときや長時間同じ姿勢で執筆していたときは、自律神経パワーがダウンしていた。FCNTによれば、継続的に計測して自律神経パワーの値を少しずつでも大きくしていく行動が、心身の健康を保つ秘訣になるという。そうした計測と改善の努力が、テレワークやハイブリッドな働き方で生活リズムが乱れがちな社員のワークスタイル変革につながる。現状のアプリの仕様では、計測した結果はアプリ内でしか確認できないが、専用アプリやクラウドサービスを独自に開発すれば、測定データを一元的に会社で管理して、社員の自律神経パワーをモニタリングするといった取り組みも不可能ではない。そこまで本格的ではなくても、各自がarrows We2 Plusによって自律神経パワーを意識するようになれば、心身に配慮したワークスタイル変革を推進できるはずだ。