スケーラビリティ
ハードウェアやソフトウェアを柔軟に拡張できることを意味する。システム規模の拡張可能性のこと。将来のシステム規模を想定し、対応可能なように設計されたシステムを指す。想定した負荷を超えたときに、サーバーなどを自動的に拡張することを「オートスケール」という。システムのスケールを容易に変更できることを「スケーラビリティが高い」「スケーラブルな」などと表現する。
基本的にはシステムやネットワークなどの用語だが、プロジェクトの規模の拡張性を意味するビジネス用語として用いられることもある。スケーラブルな状態を維持することは、ビジネスを成長させる上でも重要である。事業を拡大しても、それに見合ったパフォーマンスの維持が実現できなければ、提供する商品・サービスのクオリティが低下して、ユーザーが離れかねないからだ。
スケーラビリティへのアプローチには、「スケールアウト」「スケールアップ」の2つの方法がある。スケールアウトは機器やシステムの数を増やし、負荷分散によって全体の処理能力を高める。スケールアップは性能や機能の高い機器やシステムに交換し、サーバーの処理能力そのものを向上させる。
近年では、クラウドサービスや仮想化など、サーバーの負荷そのものを減らす仕組みがあり、スケーラビリティは向上しやすい傾向にある。一方で、高速・高解像度のデータ通信が可能になったことで、要求される処理や負荷も増大している。今後もスケーラビリティの高いシステムが必要とされる。
(青木逸美)