MPLS(Multiprotocol Label Switching)
MPLS(Multiprotocol Label Switching)はパケットの転送効率を向上させるための技術で、1995年頃に登場している。
インターネットのパケット通信は、通常、パケットに含まれるIPヘッダ情報をもとに、ルータがルータ内にあるルーティングテーブルという経路表を参照して次の転送先を決定する。各パケットをルータが個別に解析するために遅延が生じることがある。一方、MPLSではそれぞれのパケットの先頭に経路情報がラベルとして付与されるため、ルータはパケット本体のIPヘッダを解析することなくラベルを見るだけで転送先を決定できる。このため、転送の遅延が減少する。
MPLSは特定のルートの使用や、特定のトラフィックの優先など柔軟なトラフィック管理を実現でき、VPNなどIP以外のプロトコルにも使用できる。また、ビデオや音声などのアプリケーションに対し、高い通信品質を提供することも可能だ。MPLSは主にキャリアネットワークやサービスプロバイダなど、大規模ネットワークで使用されている。
(狐塚淳)