iPhone 7がFeliCa対応の衝撃――ついに「iPhoneをかざして駅の改札通過」が実現
防水防塵、ツインカメラ、新色追加そしてマリオまで!?
文/編集部
社会人待望の防水&Suica対応「iPhone 7」「iPhone 7 Plus」が9/16発売
アップルは、日本時間9月8日未明に行った発表会において、iPhoneシリーズの最新モデル「iPhone 7」「iPhone 7 Plus」を発表した。予約開始日は9月9日、発売日は9月16日。価格はiPhone 7が7万2800円から、iPhone 7 Plusは8万5800円から(以下すべて税別)。
ストレージは32/128/256GBの3種類。本体色はローズゴールド、ゴールド、シルバーに加えて、つや消しのブラック、つや有りのジェットブラックの全5色(ジェットブラックは128/256GBモデルのみ)。なお、iPhone 7とiPhone 7 Plusに搭載されるiOS 10は9月13日に配信開始。
特筆すべき点としては、iPhoneシリーズ初となる防水防塵性能の獲得。等級はIP67で、粉塵の侵入が完全に防護され、水面下1mに30分間没しても水が浸入しないとされる。ビジネスシーンでありがちな、飲み物や雨による故障からはほぼ守られると考えていいだろう。
さらに、以前から日本では希望が多かったApple PayのFeliCa対応がついに実現。iPhone 7とiPhone 7 Plus、そして今回同時発表された「Apple Watch Series 2」では10月下旬からモバイルSuicaおよびSuica定期券が利用できる。
これによって既存のおサイフケータイ同様、iPhone 7本体をかざせば駅の自動改札機を通過できるようになる。iPhone 7がスリープしたままでも問題なく、アプリの起動も不要だという。使い始めるための作業も容易で、かつApple Payに設定したクレジットカード経由で直接Suicaにチャージしたり、Suica定期券の更新も可能だ。
ヘッドホンジャック廃止でワイヤレス機器需要が爆発?
ステレオスピーカーを搭載した一方で、ヘッドホンジャックは廃止。iPhone 7とiPhone 7 PlusにはLightningコネクター接続のイヤホン「EarPods」、そして既存のヘッドホンジャック搭載機器を使用するための変換アダプターが同梱される。また、アップル独自デザインのワイヤレスイヤホン「AirPods」も発表された(1万6800円/10月下旬発売)。
Bluetoothイヤホンの市場は右肩上がりだが、今回の仕様変更でより一層の市場拡大が見込まれる。また、これまで選択肢が少ない上に比較的高価格帯に留まっていたLightning端子接続イヤホン市場にも変化が訪れるだろう。
カメラ機能も大幅に更新された。光学式手ぶれ補正、LEDフラッシュの増設に加えてiPhone 7 Plusは広角カメラと望遠カメラを2つ並列に搭載することで、光学2倍/デジタル10倍ズームが可能。被写界深度を意識した本格的なポートレート写真も撮影できる。光学ズーム&手ぶれ補正は、建設業界向けをはじめとするビジネスアプリでのカメラ利用機会を一層広げるだろう。
今回のiPhone 7、じつは日本特化型!?
今回の発表会、日本のユーザーとしては見どころが多かったのでは。
発表会の冒頭では任天堂の宮本茂氏がサプライズ登場。12月発売の新作ゲーム「スーパーマリオラン」を紹介し大喝采を浴びた。リオに続き、サンフランシスコでも会場を沸かすマリオの人気ぶりに驚いていると、今度はApple Watch向けに「ポケモンGO」アプリが登場すると発表され、またもや会場から大きな拍手が。
そして極めつけは、時間を割いて紹介されたiPhone 7/iPhone 7 Plus/Apple Watch Series 2のFeliCa対応。恩恵を受けられるのが日本のみということもあり、会場の反応は芳しくなかったが、ウィークデーにもかかわらず夜更かしして配信を見守っていた国内のiPhoneユーザーにとっては間違いなく発表会のハイライトだった。
実際、FeliCaへの対応は日本市場向けのモデルに限られている。世界各地で販売されるiPhone 7/iPhone 7 Plus/Apple Watch Series 2には搭載されない。つまり、日本特化型iPhoneが登場したわけだ。ビジネス的にも、“国内では断トツに多いiPhoneユーザーがスマホ決済を始める”というインパクトは極めて大。まさにこの瞬間も、各社で新iPhone向けソリューションの企画が生み出されていることだろう。