スマートワークに効くアプリ - 第4回
スマートにタクシーを呼べる「配車アプリ」ミニカタログ
「全国タクシー配車」「LINE TAXI」「Uber」の使い勝手は?
文/奥村サトシ
普段使いでも、全国を飛び回るアナタにも「全国タクシー配車」
「全国タクシー配車」は、日交データサービスが提供するタクシー配車アプリ。日本全国の都道府県で利用できる。対応するタクシー会社は135社、利用できる車輌は約2万台。利用料金は乗車するタクシーの規定料金に準じるが、アプリを利用して配車した場合には、各社規定の配車料金が必要となる。
使い方の基本は皆想像する通り、“アプリで指定の場所にタクシーを呼んでそれに乗る”というシンプルなもの。料金は降車時に現金やクレジットカードなどで支払えるが、利用アカウントにクレジットカードを登録しておけば、その場では支払わずに即降りることも可能。また最近、「Apple Pay」にも対応したことでiPhoneユーザーなら財布を取り出さずに精算できる。
使い方は簡単。アプリを起動し「今すぐ配車」をタップ。次に、配車の目的地を地図上で指定するだけで近隣の空き車輌を呼ぶことができる。地域にもよるが、複数のタクシー会社を利用できる場合は、どの会社にするかを選択することも可能だ。また、「予約する」をタップすれば乗車日時を指定しての予約ができ、「料金検索」からは目的地までの経路と料金概算を検索することが可能。
シンプルに配車を依頼したい場合にサッと使えるのがこの「全国タクシー配車」アプリの大きなメリット。個人的には、流しのタクシーとなかなか出会えない地方での出張時に、事前予約しておくことでスマートに移動するという使い方をお勧めしたい。
なにより、すべての都道府県の主要都市で利用できることは、全国を飛び回るビジネスマンでタクシー利用が多い人は非常に重宝するサービスだ。また、空港への送迎利用を予約して定額利用できるという「空港定額」サービスも用意されているので、出張の多い人にとってはさらなるメリットにもなる。タクシー移動が多く、その手間を軽減したいというユーザーなら必携のアプリといえるだろう。
LINEユーザーならすぐ使える「LINE TAXI」
「LINE TAXI」は、メッセンジャーツールとして絶大な人気を博している「LINE」に付随するサービスだ。タクシー会社大手・日本交通株式会社と提携して首都圏でのサービスが開始されたが、その後全国各地のタクシー会社との提携が進み、執筆時点では22都道府県での利用が可能となっている。サービス自体はシンプルな仕組みで、LINE TAXIを使って配車を依頼し、近隣に同社の空き車輌があれば駆けつけてくれる、という流れだ。利用料金については配車されたタクシーの料金に準じるが、乗車に際して規定された配車料金が加算されることとなる。
LINE TAXIはスマホのLINEアプリから直接利用できるので、専用アプリのインストールは不要。つまりLINEを普段から使っている人ならすぐに使えるのが大きな特徴だ。ただし、利用には事前に「LINE Pay」へのクレジットカード登録が必要なのでイザというときに慌てないよう、あらかじめ設定しておくといいだろう。
配車が完了すると、LINEのメッセージで到着時間などが通知される。料金の支払いはすべてLINE Payで決済されるので、降車時に現金やカードをやりとりする必要はないが、領収書については降車時にドライバーに請求する必要がある。
スマホにLINEをインストールしているというユーザーが大半という、このご時世においては、専用アプリを用意しておかなくても気軽に利用できるということがLINE TAXIの大きなメリットだろう。複雑な料金設定などもなく、ごく普通にタクシーを呼んで利用するのに便利なサービスといえる。
タクシー移動にプレミアム感を味わえる「Uber」
「Uber(ウーバー)」の大きな特徴は、一般人が自家用車を使って利用者を目的地に連れて行く「ライドシェア」システムにある。しかし日本においては、その行為がいわゆる“白タク”として規制されているため、現状では基本的にタクシー会社との契約によってサービス展開されている。
Uberには料金形態別にプランが数種類あり、大別してタクシー系プランとハイヤー系プランに分かれる。「TAXI」は一般のタクシーと同様にタクシー車輌が配車され、メーター料金に迎車料金が加算される。
一方「プレミアムTAXI」は高級車輌が配車されるハイグレードタクシーサービスで、料金はメーター料金に加えて迎車料と手数料(500円)が必要。なお、プレミアムTAXIでは乗車する車輌の種類を選択することも可能だ。「ハイヤー」「ブラックVAN」は黒塗りのハイヤーが配車され(ブラックVANではバンタイプの車種が配車される)、乗車料金は823円からとされているが、実際には開始料金が103円で毎分67円、1kmごとに309円加算されるシステムになっている。ユーザーはこれらのいずれかのプランを選択して配車を申し込むことになる。
「Uber」アプリを起動したら、まず目的地を設定する。乗車位置はデフォルトで現在地に設定されているので、変更する場合には別途設定が必要。乗車/降車位置の設定には場所や住所を文字入力して検索してもいいし、地図上に「ピン」を配置して指定することも可能だ。
このとき、利用できるプランを選択する。タクシー系プランの場合、現時点では東京都内の一部(千代田区、新宿区、品川区、大田区、世田谷区など)に限定されているようだ。ハイヤー系のプランについては東京都、神奈川県の一部でほぼ利用できるようだが、料金はお高め。
各プランでは目的地までの概算料金が表示される。料金の支払いは、利用の際に登録したクレジットカードに請求されるので、車内で現金やカードをやりとりすることはない。領収書については、登録したメールアドレスに送信される。またUberの登録ドライバーはタクシー会社の配車センターを介さずに直接ユーザーと連絡を取り合えるので、配車場所でも待ち合わせで行き違い……という事態になるようなこともない。
ハイヤーやプレミアムタクシーなど、普通のタクシーよりもプレミアムな車輌を利用したい場合に活用できるところがUberの大きな特徴。ちょっと気を遣う相手を送迎したり、一緒に乗車したりといったときに利用するメリットが大きいだろう。ただ、利用エリアがまだまだ限られているのが現状。本来のサービス形態であるライドシェアはともかくとしても、タクシー/プレミアムタクシーの配車可能地域の拡大は早急に実現してほしいところだ。
スマートな移動にゼヒ利用したいアプリ
各アプリとも特徴がありながら、いずれもスムーズにタクシーで移動する手段として有用なものばかりだ。実際に使ってみて、現状最も使い勝手がよかったのは「全国タクシー配車」だったが、シチュエーションに合わせて「LINE TAXI」を利用したり、ここはハズせない! という移動においては「Uber」を選択するということもあるだろう。
いずれにしても、不案内な出張先などでもスマートに移動できるのは電話配車にないメリット。効率よく動くためのサポートアプリとして活躍してくれることだろう。
筆者プロフィール:奥村サトシ
デジタルとネコをこよなく愛するフリーライター。都内外れに3匹のネコと暮らしながら日々研鑽しつつ文章を書き連ねている。昨今の関心事は地方の麺類事情。