デジタル時代の情報起点“デジタルサイネージ”
抜群の効果を得るために知っておくべきポイントとは? 第1回
店舗紹介からチケット案内、社内コミュニケーション用途まで デジタルサイネージの躍進が止まらない
デジタル時代の情報配信手段として導入が加速するデジタルサイネージ。その用途は、店舗や各施設における情報配信から企業内の情報共有まで幅広いが、具体的にはどのような効果が得られているのだろうか?
produced by 東芝映像ソリューション株式会社
店舗や公共・アミューズメント施設、交通機関、そして一般企業などでデジタルサイネージの導入が加速している。動画や静止画を活用したデジタルコンテンツを自由にスケジュール配信できるデジタルサイネージは、目的に応じた効果的な情報伝達手段として、デジタル時代に欠くことのできない存在になっている。そこで本企画では、デジタルサイネージの具体的な効果や導入に際してのポイント、確実に成果が得られる製品について2回連続で紹介する。まず前編は、デジタルサイネージの導入で得られる効果について解説していこう。
ケース1 店舗の魅力アピールで千客万来!
飲食店
デジタルサイネージの用途として多いのは、店舗などのアピールだ。効果的なコンテンツ表示によって、店内へのお客の誘導に成功しているケースが増えている。
例えば、どんなに魅力的な内装や演出を施した飲食店でも、外から店内が見えなければお客へのアピールにはつながらない。売上を伸ばすとなれば、新規のお客をどれだけ獲得できるかも肝になるが、お客が店内に足を運びづらくては、それは難しい。
このようなケースでデジタルサイネージは効果的だ。店内の様子を撮影した動画や画像と料理の情報などをディスプレイに自由に表示させることが可能だからだ。それらのコンテンツを投映させたデジタルサイネージを店舗入口に設置すれば、外からではわからない店内の内観や料理の豊富な情報を通行人に存分にアピールできる。店舗の営業時間中だけでなく、営業時間外にもデジタルサイネージを稼働させておけば、それだけで店舗アピールにつながる。デジタルサイネージは夜でも目立つ効果もある。
コンテンツには、スマートフォンやデジタルカメラなどで撮影した画像なども手軽に反映させられる。例えば、早朝仕入れた食材の画像をデジタルサイネージに表示させてアピールするようなことが簡単に行える。手書きの黒板を利用して当日のメニュー表示をしている店舗は多いが、写真などは黒板では頻繁には変えられない。そうした店舗においては、黒板とデジタルサイネージを併用して豊富な情報提供を実現しているケースもある。
アパレル店舗
アパレル店舗などでも、店頭でどれだけインパクトのあるアピールができるかが勝負となる。映像を活用したファッション性の高いコンテンツをデジタルサイネージで投映できれば、道行く人を立ち止まらせて店内に引き込むことが可能になる。デジタルサイネージならば、ネットワーク経由で投映するコンテンツの遠隔管理が行えるため、時間帯や通行量などに合わせて投映する内容を調整したりでき、さらに効果的なアピールをできる。
ケース2 待ち時間の明示・案内表示でお客はハッピー!
公共施設・病院
お客が求める情報の提供という側面でもデジタルサイネージは役立っている。例えば公共施設や病院など、さまざまな手続きや診察などにおける待ち時間が必ず発生するような場所では、市民や患者は大きなストレスを抱えることになる。手続きや診察を快適に受けてもらうためにも、そうしたストレスの要因は排除したい。ただし、待ち時間自体をなくすことは難しい。そこで、活躍しているのがデジタルサイネージだ。役所や病院で受付時に配布される番号をもとに、最新の受付状況をデジタルサイネージで常に表示することで、待ち時間のおおよその可視化が可能になる。市民や患者のストレス軽減につなげられるのだ。
アミューズメントパーク
アミューズメントパークなどでも同様の使われ方でデジタルサイネージが活躍している。人気のアミューズメントパークでは、各アトラクションのチケットの販売状況が刻一刻と変化していく。チケットの情報が不透明な場合、お客は窓口や係員などに聞くことになり、説明の手間が増えてしまう。お客のストレスもたまってしまう。
こうしたケースでは、デジタルサイネージに各チケット情報をリアルタイムで表示させることができれば、お客は一目でチケットの販売状況が把握可能になる。窓口や係員への問い合わせも大幅に減らせる。このような仕組みはお客にとっての心地よいパーク体験にもつながり、顧客満足度の向上が期待できる。デジタルサイネージであれば、チケット情報だけでなく、アトラクションやショーなどの詳細な情報、アピールしたい情報などの表示も柔軟に行える。
交通機関・観光名所
交通機関や観光名所では増加する訪日外国人観光客への対応が急がれている。そうした観光客への案内表示としてもデジタルサイネージは大きな役割を果たしている。コンテンツを多言語対応させて、各言語に対応したコンテンツを切り替えて表示させることで、さまざまな訪日外国人観光客に対して安心した旅行体験を提供できるようになるのだ。
ケース3 社内情報共有でコミュニケーションを活性化!
オフィス・店舗バックヤード・工場など
デジタルサイネージの新たな使い方として注目されているのは、社内コミュニケーション用途だ。
現在、企業が抱える大きな課題の一つに働き方の見直しが挙げられる。いつでもどこでも働ける環境の整備や、多様な働き方への対応などさまざまな要素があるが、チームや企業全体で効率よく働ける環境の構築も重要視されている。実現のために取り組まれているのがコミュニケーション基盤の見直しである。企業内の情報共有を円滑に行える環境の構築は、個々の従業員やチームにおける効率的な仕事につながるからだ。その環境作りの一環としてデジタルサイネージが用いられている。
例えば、打ち合わせスペースやエレベーター、食堂など従業員の目に入りやすい場所に、最適なサイズのデジタルサイネージを設置して社内情報を表示させる。オフィス以外にも、店舗のバックヤードや工場内など、PCを日常的に利用しない従業員が多い場所に設置することで広く情報共有を促せる。従業員同士で一緒に見れば、配信されている情報について話をするきっかけにもなる。企業内ポータルサイトに社内情報を掲載しても従業員になかなか閲覧してもらえない状況にある企業には特にお薦めだ。
デジタルサイネージに表示させる内容は、社長のメッセージから他店舗の売上速報、業務ノウハウ、クレーム情報、新製品情報、事務的な連絡などさまざま。ポスターなどの紙を使用して情報を掲示しているケースもあるだろうが、デジタルサイネージに変更すれば、表示内容を手軽に変更でき、さらにペーパーレスも実現させられる。
ケース4 コンテンツのお手軽作成でタイムリーに情報掲載!
デジタルサイネージの利点はコンテンツの制作期間を短縮できる点にもある。ポスターやメニューなど紙の印刷物で情報提供する場合、まずデザイナーに発注してデザインを作成し、そのデータをもとに印刷所に印刷をしてもらい、さらにパネル化するような作業が発生する。コンテンツを短期間で制作することは難しく、タイムリーな情報提供は困難だったのだ。もちろん、デザインや印刷のためのコストも必要だ。
デジタルサイネージならば、配信データさえあれば、USBメモリーやネットワーク経由でいつでもコンテンツを表示させられるため、印刷やパネル化の期間を削減できる。さらに、コンテンツ作成ソフトを利用して自社でデザインを作成すればデザインコストも削減可能だ。デジタルサイネージのコンテンツでは画像や動画を活用できるため、スマートフォンで撮影した画像データをデジタルサイネージのコンテンツに逐次アップロードするといったタイムリーな情報提供も実現する。
紙を利用した従来の情報提供形態と比較してさまざまな効果が得られるデジタルサイネージは、すでに多くの企業に大きな成果をもたらしている。本企画の後編では、前編の内容を踏まえて実際の製品の選定ポイントや具体的な製品について解説する。
デジタルサイネージをどのように選んでいけばよいかについては「デジタルサイネージのスペシャリスト東芝映像ソリューションに聞く製品選定のポイント」をご覧いただきたい。