デジタルサイネージのスペシャリスト東芝映像ソリューションに聞く製品選定のポイント



デジタル時代の情報起点“デジタルサイネージ”
抜群の効果を得るために知っておくべきポイントとは?第2回

製品選定のポイントは「使用目的」「稼働時間」「設置場所」
代替機交換が基本のサポートがあれば安心して利用できる

デジタルサイネージを導入する際には、知っておくべきポイントがいくつか存在する。そのポイントについて、デジタルサイネージのスペシャリストである東芝映像ソリューションに聞いた。

produced by 東芝映像ソリューション株式会社


 デジタルトランスフォーメーションが進む企業環境において、デジタルサイネージは顧客や社内に向けた情報発進手段の核となる存在だ。2回連続でお届けしている本連載の後編では、実際にデジタルサイネージを導入する際の製品選定のポイントを解説していこう。目的や使用環境に応じた最適な製品を選ぶことができれば、デジタルサイネージは最大限の効果を発揮するはずだ。

宮田隆氏

東芝映像ソリューション株式会社 VS第二事業部 ディスプレイソリューション営業第二部 部長 宮田 隆氏

ポイント1 使用目的は何か?

 デジタルサイネージの導入を検討する際に、まず明確化すべきはその目的だ。本連載の第1回でもさまざまな使用事例を紹介したが、一般的にデジタルサイネージの主な利用目的は、「情報表示」「販促」「広告」の三つとなる。しかし、多くの現場でデジタルサイネージが活用されていく中で、それらの三つの用途の中でもさらに多様化が進んでいる。東芝映像ソリューション株式会社 VS第二事業部 ディスプレイソリューション営業第二部 部長の宮田 隆氏は次のように解説する。

「例えば、情報表示用途ではチケット情報や社内向け情報のほかに、監視や防災減災用途として活躍しています。また、販促では外国人観光客向けのインバウンド対策や商品などのブランディング、空間演出用途などに広がっています。」

 デジタルサイネージは発想や工夫次第でさまざまな使い方が可能になる。しかし、用途の多様化は、導入すべき製品の性能や機能に違いを生み出す。例えば、使用する場所が屋内か屋外かでも製品に求められる性能は異なってくる。そして使用する場所などの違いは、デジタルサイネージの使用目的が明確になっていなければ導けない。ゆえに、適切な製品導入を実現させるには目的の明確化が必須となる。

ポイント2 稼働時間と設置場所は?

湯山聡氏

東芝映像ソリューション株式会社 VS第二事業部 ディスプレイソリューション営業第二部 参事 湯山 聡氏

 使用目的を決めた後、実際に製品を選定する際に特に重要になる指標の一つが「稼働時間」だ。東芝映像ソリューション株式会社 VS第二事業部 ディスプレイソリューション営業第二部 参事の湯山 聡氏は、「デジタルサイネージを稼働させる時間が日中などの16時間程度でいいのか、それとも24時間連続で稼働させたいのかで、選ぶべき製品は変わります」と話す。1日16時間の稼働と24時間連続稼働では、製品に求められる信頼性が異なってくるからだ。例えば店舗前に設置するデジタルサイネージでも、店舗の営業時間内だけで利用するのか、店舗が閉店した後でも稼働させ続けるのかで製品を選び分けなければならない。

 製品選定の際のもう一つの重要な指標は「設置場所」だ。これはデジタルサイネージ製品のディスプレイの大きさに関わる。湯山氏は「設置場所によってデジタルサイネージで表示させるコンテンツとそれを見る視聴者の距離が変わります。その距離に最適な画面サイズを選定する必要があるのです」と指摘する。ディスプレイと視聴者との距離が離れる場合は画面サイズの大きな製品を選定すべきだ。逆にディスプレイと視聴者の距離が近いのならば、それほど画面サイズが大きな製品は必要ない。もちろんディスプレイのサイズは、設置できるスペースや表示させるコンテンツの内容にも左右される。これらを総合的に判断して、最適な画面サイズの製品を選ぶべきなのだ。

ポイント3 スタンドアローンかネットワーク連携か?

 運用形態も製品選定の際に考えなければならない要素だ。デジタル時代の情報発信の核となるデジタルサイネージは、ネットワークへの接続によって複数台の一括コントロールが可能だ。コンテンツの自動配信が行えるなど、さまざまな管理を一元化させられる。一方で、そうしたネットワーク接続やコンテンツの自動配信などが不要なケースも少なくない。

 例えば、デジタルサイネージを設置すべき場所が一カ所しかないというケースや、デジタルサイネージの導入をまずは1台から始めてみたいというユーザーにとっては、スタンドアローンで稼働する製品が最適だろう。ネットワークへの接続といった作業が不要で、もっとも手軽にデジタルサイネージを導入できる選択肢となる。

スタンドアロン

1台から手軽に始めたい場合は、USBに入れたデータを再生できるスタンドアローンのデジタルサイネージが適している。

 複数の店舗を持つ企業がデジタルサイネージを活用して販促などを行いたい場合は、ネットワーク接続によって集中管理を実現するタイプの製品を選ぶべきだ。本社でコンテンツの配信を一括して管理できるなど、まとまった制御が行える。複数の支社を持つ企業が社内情報提供向けに利用する際にも、こうした運用形態が適している。

ネットワーク型

複数のサイネージを一元的に管理したい場合は、クラウドや専用サーバーからコンテンツを配信できるタイプのサイネージを選択したい。

ポイント4 選ぶべき製品は?

 ここまでデジタルサイネージを導入する上で考慮すべきポイントを挙げてきたが、実際に製品を選定する際には、デジタルサイネージソリューションの提供で豊富な実績、ノウハウを持つメーカーの製品を選ぶべきだ。それがデジタルサイネージの導入を成功に導くもっとも大きな鍵になる。製品やサポートの信頼性などを考慮に入れれば当然だろう。そして、デジタルサイネージを含む映像ソリューションを専業的に展開してきた東芝映像ソリューションは、まさに選ばれるべきメーカーと言える。

「先述したようにデジタルサイネージのニーズが多様化していますが、そうしたニーズに対して適切な製品を提供できる対応力や、当社製品の高い品質と信頼性が、多くのお客さまからの支持につながっています」(宮田氏)


1台でデジタルサイネージを実現する「TD-E」シリーズ

 実際、東芝映像ソリューションは、幅広いデジタルサイネージソリューションを提供している。例えば、デジタルサイネージをスタンドアローンで利用したい場合には、同社が提供するプロフェッショナルディスプレイ「TD-E」シリーズがお薦めだ。このディスプレイにはUSBメディアプレーヤーが内蔵されていて、コンテンツを保存したUSBメモリーを接続することで、コンテンツの再生が可能になる。

TD-E

プロフェッショナルディスプレイ「TD-E」シリーズはUSBメディアプレーヤーが内蔵。スタンドアローンでのデジタルサイネージ運用が可能だ。

 本体にスケジューラー機能も搭載されており、複数のコンテンツのスケジュール配信が行える。7つのプリセットが可能なため、あらかじめ1週間分のスケジュールを組むことができるのだ。まさに、1台だけでデジタルサイネージを実現させられる非常にお手軽なモデルである。縦置きへの対応や複数ディスプレイの外部制御、死活監視機能、豊富な端子類など、業務用ディスプレイとしての基本性能も備えている。推奨連続稼働時間は16時間で、画面サイズは43V、50V、55V、65V型を揃えている。


スタンドが付属した「東芝オールインワンサイネージパック」

 TD-Eシリーズの43V型と50V型の2機種に専用のフロアスタンドがセットにされた「東芝オールインワンサイネージパック」もラインアップされている。スタンドは横設置、縦設置の双方に対応していて、店舗前などに手軽に設置できる。

オールインワンサイネージパック

東芝オールインワンサイネージパックはフロアスタンドがセットになっており、手軽に店舗前への設置が可能だ。

 TD-Eシリーズにはコンテンツ制作をサポートする「iSignWeb®」というソフトウェアが無料で添付されている。1000種類以上のテンプレートやサンプルを使って、年賀状を作成するように画像や動画を組み合わせて簡単にオシャレなコンテンツが作成できる。コンテンツの作成に不安を持っているユーザーでも安心だ。
※iSignweb®は、株式会社ブリスロード社が提供するサービスです。


24時間稼働モデルやネットワーク配信モデルも用意

 東芝映像ソリューションでは、24時間の連続稼働に対応した製品「TD-Z3」シリーズ(USBメディアプレーヤー内蔵)や、コンテンツの制作から配信までをWebブラウザー上の簡単な操作で運用できる完全クラウド型のデジタルサイネージシステム「dynaCloud D-signage」など、ユーザーのさまざまなニーズに対応できるソリューションを多数用意している。特にコンテンツのネットワーク配信を行いたい場合は、用途や利用環境によって選択すべき製品が異なるため、目的を明確にした上で東芝映像ソリューションに相談し、最適な製品を提案してもらうとよいだろう。

ポイント5 サポート体制は充実しているか?

 製品を選定する際に、性能や機能と同様に重視すべきなのは、メーカーから提供されるサポートサービスの内容だ。製品故障時の対応によっては、業務や売上に大きな影響が生じてしまうからだ。その点、東芝映像ソリューションでは、ユーザーの製品故障時には「代替品との交換」を基本としたサポートサービスを提供している。湯山氏は「お客さまのデジタルサイネージの運用停止期間をできるだけ短縮することをコンセプトにしたサポートです」と説明する。故障状況の判断後、原則3営業日以内に代替機を発送する。代替機は設置後、そのまま継続して使うことができる。そのため修理が完了するのを待ち、改めて設置を行う必要もない。

 製品の購入から1年間は無償保守サービスが受けられ、その後は最大5年間まで保証期間の延長が可能な「延長保証サービス」に加入できる。保証内容は初年度の無償保守サービスと同等だ。もちろん、延長保証サービスに加入しない場合でも、スポット対応の有償修理が受けられる。全国202の拠点を活かした迅速なサポート提供とこれまで積み重ねた豊富なノウハウによる万全の対応力が東芝映像ソリューションのサポートサービスの強みである。

 前編と後編の2回にわたってデジタル時代の情報起点となるデジタルサイネージの活用状況と製品選定のポイントを解説してきた。これらの情報をもとに製品やサービスの導入を推進できれば、確実に成果を得られるはずだ。

デジタルサイネージ導入によりどのような効果が得られるかについては「デジタル時代の情報起点“デジタルサイネージ” 抜群の効果を得るために知っておくべきポイントとは?」をご覧いただきたい。