「テレワーク」導入成功の鍵は会話による『社内コミュニケーション・ロス』の防止

中堅・中小企業の経営者・会社役員と従業員計600名を対象にした「働き方」に関する意識調査

文/編集部


 NTTコミュニケーションズ株式会社が、「経営者と従業員の働き方に関する意識調査」を、経営者・会社役員と会社従業員を対象に、有効サンプル600名分でインターネットリサーチを実施した(調査協力会社:クリエイティブサーベイ株式会社)。

 また、テレワーク支援のためにICTサービスを積極的に導入している企業の例として、星野リゾートの例を挙げている。同社では、NTTコミュニケーションズのクラウド型PBXサービス「Arcstar Smart PBX」を導入し、テレワークにおいてもオフィスにいるのと同じように内線電話によるコミュニケーションを取ることができ、在宅勤務制度を利用しているコールセンターのスタッフが活躍している。

調査結果の要約

1) 経営者と従業員の「働き方改革」意識は高いがギャップもある。

  • 期待する働き方として、57%の経営者は従業員に対し「自己管理による能動的な働き方」を期待しており、49%の従業員も同じく「自己管理による能動的な働き方」を理想としている。
  • 働く場所・時間について、経営者の43%が従業員に対して「場所や時間に縛られずに働く」ことを期待している一方、従業員は「場所や時間に縛られず働く」でも「固定の場所と時間で働く」でもなく、「どちらでもない」とする回答が42.3%の多数派に。

Q : 自社の従業員に期待する働き方として当てはまるものを選択してください。(回答:経営者) ※働く時間・場所について

Q :あなたにとっての理想的な働き方として当てはまるものを選択してください。(回答:従業員)※働く時間・場所について

2)「働き方改革」の手段としてのテレワーク導入企業はまだ少ないが、テレワーク認知層では導入意向が高い。

  • テレワークについては、全体の43%が興味ありと回答している。
  • 14.3%の企業がテレワークを導入しているが、73.6%は導入なし・検討もしていないという結果に。
  • テレワークを認知している層では、テレワーク導入済および導入意向ありが38.5%と、テレワークを認知していない層(6.1%)の約6倍に。

Q : あなたはITを活用して場所や時間にとらわれずに働く「テレワーク」についてどう思いますか?

3) 経営者・従業員ともに「テレワーク」導入について、会話不足などの『社内コミュニケーション・ロス』を不安視。コミュニケーションツールの使い分けが鍵に。

  • テレワークを導入することへの不安は「社内の打ち合わせがしづらくなる」が全体の31.1%で最も多く、次いで「在宅勤務者とオフィス出勤者の会話が減る」が24.8%でコミュニケーションに由来するものが上位を占めている。
  • いわゆる「報・連・相」のうち、報告・連絡に相当するコミュニケーションは「メール」、相談に相当するコミュニケーションは「電話」を重視している傾向が 顕著に表れた。
  • テレワークを導入する際、経営者・従業員全体の52.5%が、「どこにいてもスマートフォンやパソコンで内線電話が利用できる」と、「社員同士のコミ ュニケーションが取りやすくなると思う」と回答。

Q : テレワークを導入することへの不安や不満を選択してください。

4)「テレワーク」の環境整備は経営者のICT リテラシーや導入コストが課題に。 安価で簡単に対応できるサービスが求められている。

  • 経営者の53%が、自身の ICT リテラシー不足を懸念。
  • サービス検討のポイントとして、「環境の設定が容易であること」が69%、「導入コストの安さ」が66%、と高い結果にあることから、どのようなオフィス環境でも「安価」で「簡単に対応できる」サービスが求められている傾向に。

Q : テレワークを導入するにあたって導入を検討してみたい(もしくは担当者に検討して欲しい)と思うサービスを選択してください。

5)田澤由利氏(テレワークマネジメント代表)によるコメント

  • テレワークの必要性を認知していない企業は、優秀な人材を確保できなくなる時代になっている。
  • テレワークの不安と課題は、ICT サービスやツールによって解決できる。