「働き方改革“対策”白書」が登場――いま企業には何が求められている?
政府が力を入れて取り組む理由を考察
文/編集部
「2017年度版 働き方改革対策白書」が登場
人事評価及び、あした(次世代)のHRに関する業界ニュースの配信、HR業界の調査・研究を行うあしたのチーム総研が、2017年より本格始動される国家の最優先課題「働き方改革」について、政府がここまで力を入れる背景にはなにがあるのかを、I.働き方改革の背景、II.働き方改革の内容、III.課題と将来像の3点について見解を発表した。
あしたのチーム総研が作成した「2017年度版働き方改革対策白書」によると、働き方改革は、労働政策面と国家経済全体の視点で構想されていて、政府は物価上昇率2%達成のために、同一労働同一賃金を柱とする、正社員と非正規社員の格差解消に取り組んでいく。同一労働同一賃金を推し進めていくためには、正しく公平な職務分析と職務評価が必要であり、企業と働く人、双方からの働き方情報の透明化を進め、働き方の多様性を上手くマッチングさせ、働き方改革の目指す社会の実現のために、評価基準のインフラ化が必要とされる。企業が質の高い評価制度を持つこと、それ自体が優秀な人材獲得、人材成長、業績向上に資するとしている。
I.働き方改革の背景
1.労働政策的背景
◆労働力不足の深刻化
◆労働力不足の解決に立ちはだかる課題
◆長時間労働と正規・非正規格差による労働市場への悪影響
◆出生率・労働生産性への悪影響
◆日本型雇用の転換
2.経済政策的背景
◆物価上昇率2%の達成
◆需要喚起のための幅広い賃上げ
II.働き方改革の内容
1.長時間労働の是正
◆ 正社員の長時間労働の是正
◆ 中小企業の時間外割増率(月60時間超え50%)の猶予終了
◆ 非正規社員の待遇改善
◆ 最低賃金の大幅アップ
◆ 非正規社員の無期雇用転換
◆ 同一労働同一賃金
III.課題と将来像
1.中小企業の生産性向上
◆ 各界の議論
◆ 企業自身の対応が急務
2.評価基準のインフラ化
◆ 働き方改革に対応した評価制度・評価基準
◆ 評価基準インフラのある健全な労働市場
3.評価基準インフラ確立のための提言
◆ 人事評価規程の届出義務化と評価データのポータビリティ
◆ 評価の品質が問われる時代