働き方に悪影響の「パワハラ」を把握している企業は全体の45%
人事担当者を対象としたアンケート調査結果
労働者の尊厳を踏みにじる行為――「パワハラ」が大きな社会問題となっているが、企業は果たしてその実態を把握しているのか? 今回パワハラについての調査が行われた。
文/陣武雅文
パワハラの実態把握からその対応策まで、人事担当者の意識は?
長時間の労働による過労死や自殺などの問題が取りざたされている昨今、企業内の労働環境への意識がこれまでにないほど高まっている。しかし、従業員を蝕むものは就業時間の長さだけではなく、人間関係におけるストレスも重要な要素だ。その中で日常的に行われるハラスメントは当事者だけでなく、周囲へも悪影響を及ぼすことが多い。
今回、人事担当者向け中途採用支援サイト「エン 人事のミカタ」が、企業の人事担当者を対象にアンケート調査を行い、「パワハラ」の実態把握やその対応策など、企業の取り組む意識についての調査結果を発表した。
パワハラの把握については「把握している」「だいたい把握している」と答えた企業が45%となった。その把握経緯は本人やその周囲からの相談など、被害に遭っている周辺からの情報によることが多いようだ。
実際に行われているパワハラの内容は「精神的な攻撃」が回答の4分の3を超える割合となっており、その影響はパワハラ被害者のメンタル面での不調よりも、職場の雰囲気の悪化といった形で、周囲へも影響を与えている。
今回発表された調査結果の中で注目すべきものは、パワハラが起きた部署の特徴や傾向だ。最も多い回答は「上司と部下のコミュニケーションが少ない」ではあるが、それに付随するように「他部署や外部との交流が少ない」「様々な年代の従業員がいる」「従業員同士が干渉しない」といった形で、社内のコミュニケーション不足などが起因してパワハラが起きていると考えていることが多いようだ。
対策については56%の企業がパワハラ対策を行っていると回答。その対策としては「相談窓口の設置」や「管理者向け研修・講習会の実施」が有効だと感じている人事担当者が多いという結果となった。
その他詳細は「エン 人事のミカタ アンケート集計結果レポート」を参照のこと。