戸田覚の週刊「ジバラ」-自分働き方改革のススメ 【第5回】
読んだ本の効率的な管理方法(2)
前回の「ジバラ(自分働き方改革)」では、読んだ書籍を仕分けして、保存しておく物、一部を保存しておく物、捨てる物に分類する方法を紹介した。今回は本を捨てたり、保存する前にやっておくべきことを解説する。たった数分の手間を掛けるだけで、読んだ本のデータが残るので非常に便利だ。
文/戸田 覚
タイトルを入れてISBNコードを撮影するだけ!
僕はずっと本を管理する方法を色々模索してきた。最近は読んだ本を管理するためのアプリも多数登場している。だが、これらはほぼすべて独自のデータを持っている。スマホを買い換えたり、アプリを使わなくなると記録が消えてしまう可能性が高い。しかも、保存したスマホでしかデータが見られないのだから使いづらい。
試行錯誤を重ねてきたのだが、できるだけ汎用的なサービスで、データがクラウドに保存される仕組みを使うのが正解だ。
そこで僕はEvernoteを利用している。基本的には有料会員にならないと使い勝手の悪いサービスなので、コストが気になる方はOneNoteを使えばよいだろう。Evernoteを選択した理由は、スキャンや撮影して記録した書籍のページ内のテキストを検索できる確率が高いからだ。OneNoteは画像内のテキスト検索がやや面倒で精度が劣るが、こちらは無料で満足して使えるので、妥協してもよいだろう。
書籍情報の記録は簡単で、書籍のタイトルを入力したら、バーコード部分を撮影する。これだけで、保管する本と捨ててしまう本の情報は記録できる。
ページも記録する
一部分を残しておきたい本は、前記の情報に加えて保存しておきたいページも撮影して貼り付ければよい。こちらも、EvernoteやOneNoteの撮影機能を使うと、多少斜めから撮っても見やすく補正してくれる。さらに、コントラストも自動調整するので、スキャナーで読み込んだように読みやすく記録できる。新書程度の小さな文字でもしっかりと読めるのだ。
僕なら、10ページ程度は躊躇することなく記録する。もし、記録したい部分が数十ページに及ぶなら、逆に本を丸ごと保存しておけばいい。
参考になる数ページやフレーズ、考え方などをEvernoteに保存しておけば、いつでもどこでも見られるのが便利だ。もちろん、スマホでもチェック可能だ。
こうした記録にも、もちろんISBNコード部分を撮影して付け加えておく。
記録した本の情報を取り出す
ISBNコードさえ記録しておけば、本の情報は簡単に取り出せる。スマホのQRコードやバーコードを読み取るアプリを使えばよいのだ。これらのアプリには、ISBNコードに対応したものが複数ある。
僕は、Androidスマートフォンでは「バーコード書籍検索」、iPhoneでは「ISBN Scan」を利用している。どちらも詳細な書籍の情報がわかるのだが、バーコード書籍検索では、Amazonに直接飛べるので本の購入もできる。使い方にはちょっと工夫がいるのだが、Evernoteに記録したISBNコードをパソコンやスマホの画面に表示し、これらのアプリで読み取ればよい。つまり、必ず2台のデバイスが必要になる。まあ、ほとんどの方がパソコン+スマホを所有しているはずなので、まず困ることはないはずだ。
書籍のタイトルなどを入力してISBNコードを撮影するまでの作業は、5分とかからない。これで、自分の読んだ本の情報が半永久的に保存できるようになる。
人に参考になる本を聞かれたときにも、詳細な情報をすぐに伝えられるはずだ。
筆者プロフィール:戸田 覚
1963年生まれ。IT・ビジネス書作家として30年以上のキャリアを持ち、「あのヒット商品のナマ企画書が見たい」(ダイヤモンド社)など著作は150冊を超え、IT系、ビジネス系を中心に月間40本以上の連載を抱えている。テレビ・ラジオ出演、講演なども多数行っている。