作れる製品を作るのではなく、ユーザーの欲しい製品を作るべき
インテル® Evo™ プラットフォームはユーザー主導でノートPCを開発するという、PC業界において全く新しい試みだったとインテルの第二技術本部で部長を務める安生健一朗氏は振り返る。
安生氏は「これまでもPCメーカー各社が独自に開発したテクノロジーや工夫を加えてPCは進化を続けてきました。さらにもう一段の進化を目指して、ユーザーが欲しいと思う製品を作るべきだと考え、策定したのがインテル® Evo™ プラットフォームです」と説明する。
インテル® Evo™ プラットフォームによってノートPCがユーザーのより身近なデジタルデバイスとなり、さらにユーザーのやりたいことを広げたと安生氏はその成果を強調する。
「PC業界ではこの10年ほどの間、スマートフォンやタブレットの普及によって、PCがユーザーにとって不要なデバイスになってしまうことに危機感を抱いていました。しかしインテル® Evo™ プラットフォームに準拠したノートPCが発売されて以降、1台のノートPCがあらゆる用途に活用されるようになり、ユーザーがノートPCを利用する頻度も高くなっています。この傾向は昨今のコロナ禍においてより強くなっています」(安生氏)
PCメーカーの製品開発の姿勢も変えた 最新の製品で当初の理想が具現化された
ユーザーが求めるノートPCを生み出すために企画されたインテル® Evo™ プラットフォームの実現に向けて、インテルはまずコンポーネントメーカーに協力を求めた。なぜならPCには数多くのコンポーネントが実装されており、コンポーネントが進化しなければインテル® Evo™ プラットフォームが目指すノートPCを実現することができなかったからだ。
安生氏は「以前は進化の方向性がPCメーカーごとに、あるいはコンポーネントごとに異なっていました。そこでインテルがその方向性を提示し、PCメーカーやコンポーネントメーカーと議論を重ねました。コンポーネントメーカーはそれぞれ独自のテクノロジーを持っており、こういう機能をこれくらいの時期に提供できるという技術開発のロードマップを各社が描いています。そのロードマップとインテルが提示した方向性を突き合わせ、PCメーカーの意見も反映しながらインテル® Evo™ プラットフォームの要件を策定しました」と説明する。
インテル® Evo™ プラットフォームの初版から3年が経過し、第三世代へと進化した。安生氏は「最新のインテル® Evo™ プラットフォーム準拠の製品で、当初描いていたノートPCの姿が実現できました。またインテル® Evo™ プラットフォームは差別化を図ることもでき、現在はいろいろな製品が販売されており、選ぶ楽しみもユーザーに提供しています。インテル® Evo™ プラットフォームに準拠するための技術的な難易度は今後も高くなりますが、PCメーカーおよびコンポーネントメーカーの努力や工夫によって、より良い製品が開発、販売されますので期待してください」とアピールする。
ビジネスでの安心・安全を実現するインテル® vPro® プラットフォーム
インテル® Evo™ プラットフォームによってノートPCの用途が広がり利用頻度も高まったことに伴い、セキュリティへの不安が生じるという側面もある。そこでインテルはPCを安心、安全に利活用するためのプラットフォーム、「インテル® vPro® プラットフォーム」を策定しており、その機能を実装するPCが発売されている。
インテル® vPro® プラットフォームの利点についてインテルのマーケティング本部 ビジネス・マーケティングでディレクターを務める矢嶋哲郎氏は「インテル® vPro® プラットフォームは企業のIT部門に向けてセキュリティの確保や運用・管理の負担軽減、効率化を図るためのプラットフォームです。例えばリモートワーク環境で最も困るのがPCのトラブルで、復旧するまで仕事ができません。こうしたトラブルにリモートでスピーディーに対処する機能をはじめ、日々のソフトウェア更新などIT部門に必要な運用・管理に関するさまざまな機能を提供しています。また組み込み済みのセキュリティ基盤や、PCの中長期的な安定稼働に向けた仕組みや規定も含まれています」と説明する。
インテル® Evo™ プラットフォームと同様にインテル® vPro® プラットフォームも進化を続けており、最新版では社外のネットワークに接続されているPCをクラウド経由でリモート管理する機能や、トラブルが発生したPCを管理者がリモートでヘルスチェックするなど、ハイブリッドワーク環境にも対応する。
矢嶋氏は「ビジネス用途では生産性の向上とセキュリティの強化が同時に図れる、インテル® Evo™ プラットフォームとインテル® vPro® プラットフォームの両方に準拠したノートPCをお勧めします」とアピールする。