新型コロナウイルス感染症の爆発的な拡大により、これまでの働き方を見直さざるをえなくなり、オフィスワークからリモートワークへと舵を切る必要に見舞われました。そうした中で課題となったのがファイルサーバーやNASによるデータの蓄積や共有です。
社内に構築していたファイルサーバーやNASへ、社外からセキュアにアクセスするためには意外と苦労します。そうしたところへ、クラウドストレージサービスが注目され、一気に市場が盛り上がりました。
その中の1つが、株式会社ダイレクトクラウドの「DirectCloud」です。後発サービスながら、ほかのサービスとの差別化を図り、順調にシェアを伸ばしています。今回は、営業部の長門さんと石田さんのお二人にその秘密を伺いました。
日本企業のためのクラウドストレージを目指して
長門慶悟さん(以下、長門) 「まずダイレクトクラウドという会社について、簡単にご説明します。ダイレクトクラウドは2004年に設立した会社なのですが、2015年に従来までの事業から転換し、ファイルサーバーに変わるクラウドストレージを提供しております。現在、市場が非常に伸びていることもあり、おかげさまで毎年売上も80%以上の伸びを示しています」
池澤あやかさん(以下、池澤) 「確かにクラウドストレージサービスは、コロナ禍でオフィス外からも安全にファイルを共有する必要性がでてきたので、注目されている市場ですよね」
長門 「そうなんです。社内にファイルサーバーがあっても、アクセスする手段が面倒なこともあり需要が伸びています。また、そこにデータが蓄積されれば、将来的にはAIを用いてさまざまな分析ができたり、活用の幅が広がるというのも盛り上がっている要因の1つだと思います」
池澤 「確かに、データ活用を考えると有用ですよね」
長門 「現在(2023年2月時点)、1800社以上の会社にご利用いただいているのですが、すでに契約しているストレージ容量は2.5PBに達し、ユーザー数は55万人を超えています。急激に成長しているサービスですが、95%以上のお客さまに満足いただいています」
池澤 「満足度が高いというのは、どういった点が評価されているのでしょう」
長門 「クラウドストレージというと、米国系がまず思い浮かぶと思いますが、DirectCloudは後発サービスというところを活かし、日本企業が利用するにあたって、徹底的に高い利便性とセキュリティを確保することに力を注いでいます」
池澤 「日本って独特な文化があるので、日本の市場に特化しているのは確かに強みですよね」
長門 「大企業や官公庁などでも導入していただいており、ファイルサーバーやNASからの置き換えだけでなく、ファイル共有をするために活用する会社も非常に増えてきています」
池澤 「ファイル関係はここにまとめて保存して一元管理しようということですね」
長門 「そうですね。ファイルサーバーとクラウドストレージの両方を利用していると、コロナ禍で全社員がどこでも働けるようにするために、インターネット回線を通じて、やり取りできるようにする必要があります。そうなるとどうしてもコストがかさんでしまいます。それなら一層のことすべてクラウドにまとめ、省力化を目指そうと考える会社が多いと思います」
石田圭一さん(以下、石田) 「実際、DirectCloudで、これまでNASやファイルサーバーのデータをすべて管理しちゃいましょうといったときに、この資料1枚で説明できます」
池澤 「これ1枚でですか!」
石田 「はい。真ん中にあるのがDirectCloudです。基本的にファイルサーバーやNASにあたります。もちろんNASなのでアクセス権や、部署ごとに見せる・見せないといったコントロールもできます。また今まで社内にあったデータを社外に出すため、セキュリティ面でもID・パスワードでの管理はもちろん、接続するデバイスを制限したり、アクセスする場所を絞ったり、といったことができます。日本の企業が求める厳格な管理という要望に対して、応えられる仕様になっています」
池澤 「確かに海外のクラウドストレージだと、そこらへんが意外と雑だったりしますよね」
石田 「海外の場合、会社が責任を取るというより、各社員が責任を取らされるため、そこまで厳格ではなかったりします。DirectCloudでは、そういった点を考慮した日本企業向けのサービスになっているところが特徴です」
池澤 「上長承認というやばいワードとかありますもんね」
石田 「そうなんです。さらに、単純にファイルサーバーを外にしただけでなく、脱PPAPといった、メール添付に代わるリンク共有でやり取りする場所として活用したり、協力会社さんなど、よくやり取りする人とはゲストとして招待し、閉じたファイルサーバーの中で共同作業をするということもできます。このとき、『TALK+(トークプラス)』というチャットツールやコメント機能を提供しているので、作業効率の向上も図れます。また、上長承認というのも、ファイルへのリンクを外部へ送る際、上長が承認して、初めて外部に送信できる機能も提供しています」
池澤 「そんな機能まで備えているんですね」
長門 「ファイルを送ろうとしたときに、実は一度上長へ送られて、そこで承認すると、実際に外部へ送られるというワークフローを設定できるようになっています。もし、あて先が間違っていたら、情報流出の可能性があるので、上長が承認して初めて送信されるワークフローになります。受信した人は、記載されたURLへアクセスし、指定されたパスワードを入れるとファイルが見られる仕組みになっています」
池澤 「それはかなり厳しい会社ですね」
石田 「金融機関などは、そういうケースがありますね。ほかの機能としては、遠隔地へのバックアップや今話題のランサムウェア対策、あとは機密文書の管理に対する制御。さらに、過去に情報漏えいした恐れがある時に、なにが持ち出されちゃったのかというIT監査に対応したログを取れるところまでオプションで用意しています。ここまでの機能をワンプラットホームで提供しているのがDirectCloudの強みとなっています」
かゆいところに手が届く機能が豊富
石田 「DirectCloudで利用できるツールとして便利なのが、たとえばチャットでファイルを添付しても、流れてしまって最新のファイルを探すために過去へ遡る必要があります。でもトークプラスでは、フォルダーにチャットを結びつけておくと、最新のものが常に上にあるので見失うことがなく、お客さまにも好評いただいております」
池澤 「ファイル探すの面倒なので、それは便利ですね」
石田 「あと2月より『DirectCloud-OCR』というサービスが開始され、DirectCloudにアップロードしたファイルに対し、文字情報の入っているファイルなら全文検索をかけられるようになります。たとえば、毎月請求書データをアップロードした時に、会社名と金額、取引内容などを文字データ化することで、ほかのシステムと連携して自動的に処理するといったことができるようになります」
池澤 「紙で送られてきた請求書をスキャンしたものとかですか?」
長門 「そうですね。ほかにもファックスで発注書類が来て、そのスキャンデータがDirectCloudへアップされると、自動でOCRが実行され受注管理システムへ自動で登録されるという流れが可能になります。現状は請求書のみの対応ですが、将来的にはさまざまな文書にも対応する予定です。いちばん需要の多い請求書絡みのところから始めています」
石田 「請求書は、改正電子帳簿保存法への対応が大きいですね。また、複合機でスキャンしたデータをそのままDirectCloudへメールで送信する機能を利用して送れるので、アップロードの手間がいりません」
池澤 「確かに便利ですね」
長門 「我々のようなクラウドストレージが伸びている背景としては、やはりこういったデータをどのように活用するかにフォーカスして機能の拡充することがポイントとなってきます」
池澤 「ほかにも利便性の高い機能はありますか?」
石田 「ファイルサーバーからクラウドストレージへの乗り換えだと、ファイルへのアクセス性が変わってきます。これまでエクスプローラーやファインダーを使ってアクセスしていたものが、Webブラウザー経由になると使い勝手が悪くなります。そこで、DirectCloud ドライブというアプリを提供しており、これを導入することでネットワークドライブと同様の感覚で利用できるようになっています」
池澤 「Webブラウザーだとファイルを扱うにはちょっと使い勝手が悪いですから、こうした機能は重要ですね」
石田 「いま、ポケットWi-Fi経由でデモをしていますが、ローカルファイルとそん色ないレベルでスムーズに操作できていることがわかると思います」
池澤 「確かに、ストレスを感じないですね。ファイルを開くとどうですか?」
石田 「ファイルをダブルクリックすると、ダウンロードして開くのですが、通常の文書ファイルならほとんど時間もかからず開けます」
池澤 「ダブルクリックしたときにダウンロードしていると」
長門 「ファイルをキャッシュしているのではと思われがちなのですが、ファイル名だけリスト化されていて、本体は落としていません。ここのいい点は、ファイルの排他制御ができるので、もしほかの人が開こうとしたら、いま誰々が開いていますと通知されます。これができるのは、今のところDirectCloudだけです」
石田 「もう1つの利点は、ファイルを閉じたりPCをシャットダウンすると、ダウンロードしたものが自動的に削除されます。そのため、万が一PCを紛失しても情報漏えいせずに済みます」
池澤 「セキュリティ的にも安心な仕様なんですね」
石田 「もちろんデバイス単位でアクセス管理できるので、アクセスできないようにすれば、何も見られなくなります。さらに、そもそもファイルをダウンロードできないという設定にもできます」
池澤 「ダウンロードできなくても編集作業はできるのですか?」
石田 「できます。『編集者マイナス』という設定があり、オンラインで編集できるようになります。オンラインでの編集の場合、5人まで同時に編集できるので、ちょっとした管理表などで活用できます。機密文書などを取り扱うような企業にはオススメの機能になります」
池澤 「やっぱりリモートワークになって、従業員がさまざまなデータにアクセスできるようになると、データの漏えいが不安という意見がすごく多いですが、そういう痒いところに手が届く機能を搭載しているというのは、国産のサービスだからということでしょうか」
石田 「そうですね。お客さまにヒアリングして、出てきた不安要素を1つずつ潰していくような感じで開発しており、お客さまの要望の8割以上を新規機能として提供しています」
ユーザー数課金ではなく容量課金という強み
石田 「ここまでセキュリティ面や使い勝手、機能の利便性についてお話してきましたが、DirectCloudが選ばれている理由で大きいのが、ユーザー数課金ではなく容量課金という価格面です」
池澤 「よくあるユーザー数課金ではないんですね」
石田 「ユーザー数課金だと規模が大きくなればなるほど、お金がかかります。そのため、ユーザーを極力絞ってということになりがちですが、DirectCloudなら容量課金なのでユーザーを絞る必要はありません」
池澤 「従業員の多い企業にはありがたい設定でしょうね」
石田 「ユーザー数無制限なので本当に人数が多ければ多いほどコストメリットが出てくると思います。プランもスタンダードからエンタープライズまで5つ用意しています。選び方としては基本的にどのぐらい容量が必要なのか。あとは、できる機能とできない機能があるので、要望にあったプランを選んでいただくことになります」
池澤 「1番ボリューミーなのはビジネスプランということですね」
石田 「ただ人数は多いけど、まずメール添付をやめたいというニーズが増えてきていて、まずはスタンダードを選ぶというケースもあります」
池澤 「確かにユーザー縛りじゃないから、小さいところから試してみるという感じなのでしょうか」
石田 「そうですね。例えば、新入社員が入ってくる場合でも、追加料金が不要ですし、追加アカウントを申請してという手間もありません。そうしたメリットが高評価につながっているのではと考えています」
池澤 「今後はどのような計画をしているのでしょう」
長門 「今後は大企業にも納得いくような、ほかのシステムとの連携を加速させていきたいと思っています。データの利活用は、どのベンダーにとっても主戦場になってくると思っています。そういったサービスをいろいろと企画していますので、今後の展開に期待していてほしいですね」
石田 「容量課金だと、使い続けていれば容量が増加していくわけで、そうなるとユーザー課金のほうが、コストが安くなる可能性が出てきます。そうした対策として、ホットストレージとコールドストレージを使い分けてコストを抑えるという機能開発を視野に入れています。実際アクティブなデータは全体の1割程度なので、動かないデータはどんどんコールドストレージへ移動させることで、だいぶコストを抑えられると思います」
池澤 「すべてホットストレージである必要はないですもんね。今日お話を伺って感じたのは、ファイルストレージってシンプルなサービスじゃないですか。なので、どういったとこで差別化を図るかって結構難しいと思うんですけど、日本企業に寄り添うという圧倒的な差別化が図れるポイントがあったんだとすごく感心しました」
長門 「一度触っていただくと、DirectCloudを選択していただくことが多いですね。それが日本向けという差別化をしたことへの自信につながっています」
株式会社ダイレクトクラウドは、“ストレージ運用の効率化でDXをサポート”をミッションに掲げ、レガシーシステムに縛られない、あたらしい働き方をサポートすべく高度なセキュリティと利便性を兼ね備えた法人向けクラウドストレージDirectCloudの開発・販売を行っています。NASやファイルサーバーをクラウド化し、運用管理を自動化・省力化したい企業のニーズを満たします。
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