マイクロソフトはソフトウェアの互換性に特化したユーザーサポートサービス「App Assure サービス」を無償で提供しており、回数無制限、無期限で利用できます。
宮本さん●私が今使っているWindows 10上で動作しているアプリケーションのほぼ全てが、Windows 11でそのまま動作することはわかりました。でも「ほぼ全て」ということは、動かないアプリケーションもあるということですよね。
仲西さん●マイクロソフトが公表しているWindows 10とWindows 11でのアプリケーションの互換性は99.7%ですから0.3%の確率、つまり1,000種類のアプリケーションのうち3本に動作の問題が生じる可能性があるということなんですが、現在(2024年12月末時点)のところ日本で問題が生じたという報告は聞いていません。それくらい互換性が高いのです。
宮本さん●でも、もしも0.3%の確率に当たってしまって問題が生じたら、どうすればいいのですか。
仲西さん●ご安心ください。マイクロソフトではソフトウェアの互換性に特化したユーザーサポートサービスとなる「App Assure サービス」をグローバルで提供しています。App Assure サービスはWindows 11やMicrosoft 365、Copilot for Microsoft 365、最新のMicrosoft Edge、さらにAzure Virtual Desktopなどを導入する際に、ソフトウェアの互換性に関する問題の解決を支援するサービスです。
App Assure サービスではマイクロソフト製品だけではなくISVが開発・提供するアプリケーション(パッケージ製品など)やユーザーが独自開発した基幹業務アプリケーションも対象としており、これらについて互換性の問題が生じた場合はアプリケーションの修復や互換性の有無の検証へのアドバイスを提供し、修復や検証の作業はユーザー自身で実施していただきます。
宮本さん●どのようなアドバイスをしてもらえるのですか。
仲西さん●まずマイクロソフト製品の場合、Microsoft 365 Apps、これはマクロやアドインを含みます、そしてMicrosoft EdgeやAzure Virtual Desktop、Windows 365 Cloud PC、Copilot for Microsoft 365が対象となり、互換性の問題の根本原因をマイクロソフトが究明して、その対処方法をユーザーにお伝えします。
しかも正式なリリース前に公開されるInsider Preview版のWindowsやMicrosoft 365 Apps、Microsoft Edgeなどの製品についても互換性に問題が生じた場合は、製品版ではないためベストエフォートとはなりますが解決方法をアドバイスします。
ISVのパッケージ背品では根本原因を究明してISVと共同でアプリケーションを修復します。そしてユーザーが独自開発した基幹業務アプリケーションでの互換性の問題には根本原因をマイクロソフトが究明して、アプリケーションのコード変更をアドバイスします。いずれも互換性に影響を及ぼす不具合がマイクロソフト製品にある場合は、その対処をマイクロソフトが行います。
App Assure サービスのWebサイトにアクセスして利用の手続きと説明会の受講を済ませておいてください。
宮本さん●とにかく互換性に問題が生じたら、あるいは自社で独自開発したアプリケーションの互換性に不安のある場合は、まずはApp Assure サービスに連絡して相談すれば対処してくれるということですね。
仲西●はい、その通りです。
宮本さん●その際の費用はどのくらいかかるのですか。
仲西●費用は一切かかりませんので、安心してご利用ください。なお先ほども申し上げましたが、App Assure サービスの対象はWindows 10 & 11(x86、x64、Arm)、Microsoft 365 Apps、Microsoft Edge、Azure Virtual Desktop、Windows 365 Cloud PC、Copilot for Microsoft 365となります。これらの製品のライセンスを一つでも利用していれば、誰でも追加費用なく無償で、回数無制限、無期限で利用できます。
宮本さん●それは安心ですね。App Assure サービスを利用したい場合、どこに連絡すればいいのですか。
仲西●それではApp Assure サービスの利用手順をご説明しましょう。まずApp Assure サービスのWeb(https://www.microsoft.com/ja-jp/fasttrack/microsoft-365/app-assure)で「サインインしてApp Assureをリクエストする」をクリックします。すると「Microsoft FastTrack Registration」が表示されますので、必要事項を入力して送信します。
その後、App Assure Manager(AAM)と呼ばれる専任者から連絡があり、App Assure サービスの利用についての説明会が開催されます。説明会を1度受講すれば、その後はAAMに互換性に関する問い合わせや相談ができるようになります。実際のサポートはサポートエンジニアがユーザーおよびユーザーのパートナーやISVに対してメールや電話でアドバイスします。
宮本さん●互換性に関する不安や問題が生じる前に、App Assure サービス利用リクエストを行い、説明会を受講しておけばいつでもすぐにApp Assure サービスが利用できるというわけですね。
仲西●はい、その通りです。App Assure サービスのWebサイトにアクセスして利用の手続きと説明会の受講を済ませておいてください。
(第3回記事につづく)