Copilot+ PCが発表され続々と市場に投入されている。AI PCというカテゴリーの中でも、AIの処理速度が迅速とされるCopilot+ PCだが、AIのビジネス活用に不安がある企業もいるだろう。AIとの協働には、慣れと学習の蓄積が必要と言える。Dynabookが3月下旬に発売予定の14インチワイドノートPC「dynabook X94 CHANGER」は、AIに特化した独自の機能を豊富に盛り込んでいる。最初のAI PCにお薦めできる本製品の機能を見ていこう。

AI機能を増強したCopilot+ PC

「dynabook X94 CHANGER」のCPUには、「インテル Core Ultra 7/5プロセッサー」を搭載している。Dynabook初のCopilot+ PCだ。キーボード下部のCopilotキーを押すと、マイクロソフトの対話型AIアシスタント「Microsoft Copilot」が呼び出せる。日常的な質問の回答や文章作成、翻訳、画像生成などの作業を、Microsoft Copilotに指示を送ることで気軽にサポートしてくれるのだ。

 本体サイズは幅約312.4×奥行き222.5×高さ18.7〜18.9mmとスリムだ。画面比率16:10の14インチのモニターを搭載している。外光の映り込みが少ないノングレア液晶を採用している。モニターを180度開いて、画面情報を対面相手と共有できるスタイルに対応。画面表示の向きを変えたい場合には、「Ctrl」+「Alt」+「↑」or「↓」の操作で簡単に変更可能だ。簡単に開けられるよう、モニター上部中央に指かけを設け、素早く開けやすい機構が施されている。

 本製品では、ローカル環境で使えるdynabook独自のAIアプリケーションを複数搭載している。例えば、クラウドを介さず、文書の翻訳や資料の要約などをPCローカル環境で実行する「dynabook AI アシスタント」がある。本機能では、PC操作の支援などもAIがチャット形式でアシストできる。AIがPCの動作を監視して消費電力を抑制する「AIパワーオプティマイズ」も便利だ。電力消費の大きいWeb会議アプリケーションを検出するとバッテリーセーブ機能を自動的に最適化できる。そのほか、PCののぞき見の警告や離席時のスリープモードを行う「AIプライバシーアシスト」、ユーザーのハンドサインを判別し、PCに触れずにアプリケーションを操作できる「AIハンドコントロール」など、多様なAI機能を活用可能だ。Microsoft Copilotと併せて、状況に合わせて併用してみてもよいだろう。

dynabook X94 CHANGER

長期間使用を見越した充電性能

 バッテリーや充電機能も豊富に備えている。高負荷なAI処理で消耗したバッテリーを簡単に交換できる「セルフ交換バッテリー」採用した。バッテリーが劣化・消耗した際に、PC利用者自身で背面カバーを外して、簡単に新しいバッテリー(別売り)に交換できる。バッテリーは、強度や絶縁性に優れた素材で保護しており、ロックを解除しないとバッテリーが外れず、基板には触れられない構造を採用。PC内部の繊細な部品に触れることなく、安全に交換できる。

 充電機能としてはPCの使用状況に合った充電モード(Auto/100%/80%/70%)を選択可能だ。Autoモードは、バッテリーの充電状態や温度に応じて「100%充電モード」または「80%充電モード」に自動的に切り替えて過充電を防止する。PC利用者が意識せずにバッテリーの機能低下を抑制可能だ。バッテリー駆動時間の約40%を30分で充電できる「お急ぎ30分チャージ」にも対応した。

 セキュリティにも配慮されている。例えば、米国国立標準技術研究所(NIST)の「NIST SP 800-147/155/193」に準拠した設計である点がある。OS起動前時の攻撃を防御する「Secured-core PC」対応モデルも用意した。ハードウェアとソフトウェアを統合した強力なセキュリティ機能を実現し、BIOSといったファームウェアを標的にしたサイバー攻撃から、機密データを保護する。

 dynabook X94 CHANGERは、スリムな筐体と長時間のバッテリー駆動でAI活用をサポートする。

Webカメラは、手動でシャッターを閉じることが可能だ。