ファイルサーバーのクラウド化でDXを加速 日本の商習慣に合わせた運用が可能な「Fileforce」

ファイルフォース Fileforce

メール、チャット、スケジュールといった企業が利用するITシステムの多くは、クラウドが主流だ。そして、クラウド化の波はファイルサーバーなどにも広がりつつある。こうした流れを受けて、ファイルフォースが提供するのが、クラウドストレージサービス「Fileforce」だ。日本の商習慣に合わせたファイルサーバーの運用をクラウドで実現できるFileforceは、DXに貢献するクラウドストレージとして多くの企業を支えている。

3,000社以上の導入実績
脱ファイルサーバーを支援

代表取締役
アラム サルキシャン 氏

 「Fileforce」は2014年に提供を開始して以来、3,000社以上の導入実績を誇るクラウドストレージサービスである。元々、メディア向けのデジタルコンテンツ管理システムの開発を手掛けていたファイルフォースが、サービスを提供する中で「デジタルコンテンツはメディア業界だけではなく、一般企業にも存在し、管理が必要とされている」というニーズを見極め、ファイルサーバーのクラウド化に着目したことが開発のきっかけだ。

 「クラウド化の波に乗り、多くの企業においてメール、チャット、スケジュールといったITシステムがオンプレミスからクラウドへと移行されました。一方で、ファイルサーバーに関しては、クラウドの需要が高まりつつあるものの、オンプレミスのサーバーを選択される企業も多くいらっしゃいます」とファイルフォース 代表取締役 アラム サルキシャン氏は話す。

 クラウドストレージサービスは、北米系の企業を筆頭に各社から提供されている中、オンプレミスの需要が高い理由はどのような点が挙げられるのだろうか。「海外系のサービスの場合は、ユーザー個人に割り当てられたストレージをおのおのが共有するといった思想で提供されるものが多いのですが、日本企業の多くは『中央集中型』という全組織共通のディレクトリーで、部門ごとにアクセス権を付与するといった詳細な権限管理を行った上で、ファイルサーバーを運用しています。そのため、仮に海外系のクラウドストレージサービスを導入するとなると、サービスに合わせて自社の運用を変えなければならないといった状況が生まれてしまうのです。このように運用を大きく変更することは、企業の懸念となり、オンプレミスが選択される理由の一つだと言えます」とサルキシャン氏は説明する。

 そうしたクラウドストレージの導入における懸念を払拭するのが、日本の商習慣に合わせて開発されたFileforceである。既存のファイルサーバーの運用形態を変えることなく、クラウドへの移行を実現できる。

アクセス権限を厳格に管理
企業に合わせた運用を実現できる

 Fileforceは「クラウドであることを感じさせないクラウドサービス」という思想のもと、ユーザーの使い勝手を考慮して開発されている。Webブラウザーからアクセスが可能な「Fileforce Web」とWindowsのエクスプローラーから直接クラウド上のフォルダーやファイルにアクセスできる「Fileforce Drive」を用意し、どちらも快適な操作性を実現している。「Fileforce Webでは、Webブラウザーが利用できる環境であれば、端末やOSを問わず社内のファイルにアクセスが可能です。Microsoft 365の商用ライセンスを保有していれば、Officeファイルをオンライン上で直接編集も行えます。Fileforce Driveは、エクスプローラー上に仮想ドライブとしてマウントすることでクラウドでありながらも、ローカルのHDDやSSD、既存の共有フォルダーと同じようにデスクトップからシームレスにファイルの保存・編集などができるアプリケーションです。ファイルにアクセスする際に、読み込もうとするデータの部分だけをクラウドから必要に応じてダウンロードする独自のデータストリーミング技術や、暗号化されたキャッシュデータを一定期間保持するキャッシュ機能などを搭載し、シームレスで高速なファイルアクセスを実現しています」(サルキシャン氏)

 これまでのファイルサーバーと同様にアクセス権限を柔軟かつ詳細に設定できることもFileforceの大きな特長だ。組織や業務に合わせたフォルダー構成とアクセス権限管理をクラウドで再現することが可能で、日本の商習慣に合わせた運用がかなえられる。「どれだけ深い階層のフォルダーであっても、任意に作成したアクセス権限を付与することが可能です。上位フォルダー権限を下位フォルダーへ継承することも、継承を解除して全く異なる権限を下位フォルダーに明示的に付与するといった柔軟な権限付与により、組織の規模や業務形態、業務内容に応じたフォルダー操作とファイルアクセスが行えます」(サルキシャン氏)

 また、Fileforceは自社で利用中の「Active Directory」(AD)や「Azure Active Directory」(Azure AD)との連携にも対応している。ADやAzure ADでユーザー管理/権限管理の自動化が可能で、システム管理者のメンテナンス負荷を軽減する。

ファイルデータは全て暗号化
PC紛失時も安全性を担保

 クラウドにデータを保存することに対して、攻撃者による不正アクセスやマルウェア感染などのセキュリティリスクを懸念する声も多い。Fileforceにはそうしたリスクへのセキュリティ対策も十分に施されているため安心だ。例えば、通信時を含めてファイルデータは全て暗号化を行い、企業の情報資産を保護している。さらに、ファイル保管時には、自動でウイルスチェックを実施するなど、問題のあるファイルの拡散を未然に防いでいる。「PCを紛失した場合には、Fileforceのユーザーアカウントを無効化することで、クラウドストレージへのユーザーアクセスを遮断する運用が可能です。また、PCにキャッシュが残っていても暗号化によって、Fileforceを介さずにデータの中身を確認することはできないため安全性が担保されています」(サルキシャン氏)

 Fileforceの今後についてサルキシャン氏は「ダイワボウ情報システム(DIS)さまや販売パートナーさまと共に、お客さまがクラウド化への一歩をしっかり踏み出せるような支援体制を整えていきたいと考えています。2022年11月からDISさまのサブスクリプション管理ポータル『iKAZUCHI(雷)』での取り扱いも開始しました。これを機にFileforceのさらなるビジネス拡大を目指します」と展望を語った。