ハイブリッドクラウド環境の
データを一元的に保護
ヴィーム・ソフトウェア
Veeam Backup&Replication V12
ハイブリッドクラウドを活用する企業が増加し、クラウドとオンプレミスを跨いだサイバー攻撃への対策が重要性を増している。例えば、ランサムウェアによって社内システムが停止してもすぐに業務を再開できるように、ハイブリッドクラウドに保存したデータのバックアップを取っておく対策などだ。しかし中には、バックアップのシステムを持っていても、いざというときに動作しないといった課題を抱え、活用できていないケースがある。そうした事態を防ぎ、バックアップを有効に活用する方法をヴィーム・ソフトウェアに聞いた。
ハイブリッドクラウド環境での
サイバー攻撃の対策が急務
オンプレミスからクラウドへの移行が進んだことで、マルチクラウドやハイブリッドクラウドを活用する企業が増加している。ヴィーム・ソフトウェア チャネルパートナー営業統括本部 ディストリビューター統括 統括部長 四本史彦氏は、ハイブリッドクラウドを活用する重要性を次のように語る。「万が一ITインフラが停止した場合を考慮すると、データをオンプレミスやクラウドのみに置くのは、業務に大きな影響が出る可能性があります。データ復旧に柔軟性を持たせるためにも、オンプレミスとクラウドにデータを分散させるハイブリッドクラウド環境を活用するのが望ましいでしょう」
ハイブリッドクラウド環境において、システム停止の原因として最も多いのは、サイバー攻撃だと四本氏は指摘する。「当社がIT部門の意思決定者および担当者を対象に、データ保護の動向や推進要因などを調査したレポート『データプロテクションレポート 2023』によると、2022年に起きたシステム停止の要因で最も多いのはサイバー攻撃で、グローバルで16%の企業が被害を受けました。また、クラウドのセキュリティに不安を持っている企業は95%、ランサムウェアの攻撃を1回でも受けたことがある企業は85%存在し、システム停止を起こさないためにもサイバー攻撃への対策が急務となっています」
続けて四本氏は、サイバー攻撃によるシステム停止だけでなく、そこからの復帰にも課題を抱えている企業が多いと話す。「同レポートの調査で、システム停止の発生後に手作業でデータ復元を行っている企業が82%いることが分かりました。バックアップの仕組みを持っていても、いざというときに動作しなかったり、データを戻すのに相当時間がかかったりするなど、バックアップを活用できていない企業がいることは非常に深刻な問題です」
ヴィーム・ソフトウェアは、そうした課題を持つ企業に対して、システム全体をバックアップ可能なソリューションを提供できる強みを持っている。「日本でヴィーム・ソフトウェアが拡大している要因は、システム全体を統合バックアップできる点にあります。バックアップを取ったデータを元に戻すことに重点を置いており、サブシステム単位のサイロ化されたバックアップではなく、全システムの一元的なバックアップを実現可能です」(四本氏)
データセキュリティ機能を
強化したバックアップソフト
ヴィーム・ソフトウェアの強みを生かした製品が、データバックアップソフトウェア「Veeam Backup&Replication V12」だ。データセキュリティやリカバリーに関する製品のパッケージプラン「Veeam Data Platform」のコンポーネントとして提供する。
Veeam Data Platformは、データのバックアップと復元でランサムウェアの対策を行う「Foundation」、バックアップと復元に加えてランサムウェアの監視と分析も行える「Advanced」、バックアップと復元や監視と分析からIT基盤の復旧までをサポートする「Premium」の3種類のプランを用意している。Veeam Backup&Replication V12は、3種類全てのプランで提供が行われる。
Veeam Backup&Replication V12は、前バージョンの「Veeam Backup&Replication V11」と比較してデータセキュリティ機能を強化した。強化が行われた点は主に三つある。
一つ目は、バックアップデータの書き換えを不可能にする「イミュータブルバックアップ」を全てのワークロードで使用できるようになった点だ。Veeam Backup&Replication V11では、書き換え不可能なストレージ「イミュータブルストレージ」をバックアップ先に選択できるのは仮想マシンだけだったが、Veeam Backup&Replication V12ではNAS、トランザクションログ、エンタープライズアプリケーション、クラウドネイティブのバックアップでもイミュータブルストレージを選択できるようになった。
二つ目は、オブジェクトストレージへのダイレクトなバックアップが可能になった点だ。オンプレミスだけでなくクラウドのオブジェクトストレージにも直接バックアップでき、一度サーバーを経由する必要がない。これによりデータ管理の自由度が増し、運用段階の操作がシンプルになった。
三つ目は、組み込みのバックアップ移動エンジン「VeeaMover」を搭載した点だ。物理サーバーにあるデータをクラウドに移動する際は、ストレージの容量を削減するためにデータを圧縮して移動させることが多い。しかし通常の方法で圧縮データを移動すると、移動先でデータが展開され、クラウドに格納するデータサイズが大きくなってしまう。そこでVeeaMoverを活用すると、圧縮されたサイズのままでクラウドにデータを格納できるのだ。
四本氏は、Veeam Backup&Replication V12を「Veeam Backup&Replication V11では実行が難しかったことを、Veeam Backup&Replication V12では実現できるようにしています」とアピールする。
日本での知名度を上げ
SMB市場にも製品を投入
ヴィーム・ソフトウェア チャネルパートナー営業統括本部 チャネルセールスマネージャー 金子正明氏は、Veeam Backup&Replication V12のポイントを「ソフトウェアでの提供になるので、柔軟な構成でランサムウェア対策を行える点が特長です。パートナーさまが提案したいハードウェアやクラウドサービス、もしくはエンドユーザーさまが現在持っているIT環境と合わせて活用できます」と話す。
最後に金子氏は、拡販に向けた意気込みを次のように語った。「ダイワボウ情報システム(DIS)さまのイベントを通して、当社の日本での知名度を上げていきたいです。また、SMB市場にも製品を投入していくために、全国に事業所を持つDISさまと協力し、より多くの企業に当社の製品を販売できる体制を作ります」