スペインの主要産業
スペインの主要産業は自動車・食料品・観光業です。スペインは欧州でドイツに次ぐ自動車生産国となっています。その内80％は小型中心のSUV等乗用車ですが、それに次いで小型バンやトラックも多く製造されています。 当然自動車製造に従事する人も多くなります。
食料品で最初にあげられるのがオリーブです。スペイン国内を縦断している電車AVEに乗って車窓から見えてくるのは、広大な草原と山々ですが、延々と続く同じ景色の中に見えるのはオリーブ畑です。スペインで採れるオリーブはそのまま食用やオリーブオイルとして製造されます。それらオリーブの収穫は、機械と人の手によるもの半々だそうです。その他ハーモン・セラノとして有名なイベリコ豚やワインなどがあります。
観光業では2020年にスペインを訪れた観光客数は世界第2位の観光大国となっています。バルセロナのサクラダ・ファミリアやグラナダのアルハンブラ宮殿、白い村の数々は世界中から観光客が訪れることでも有名です。
私が住んでいるのは、スペイン南部アンダルシア地方マラガの地方都市です。この海岸地域は元々漁師町だったところですが第2次大戦後マラガの隣町のトレモリノスに、イギリスの退役軍人が住み始めてそこから南下して観光地として開けていきました。正面から地図を見て、スペイン半島ジブラルタルを境に右側の海岸沿い地域がコスタ・デル・ソル-太陽海岸、左側地域がコスタ・デラ・ルツ-光の海岸と呼ばれています。
コスタ・デル・ソルの居住者及び特徴は？
2024年統計によればスペインの人口は4750万人で、内アンダルシア州人口は 862万120人で国内一番のコミュニティとなっています。なんといっても地中海性気候により晴天日が多く、年間の平均気温が18度という温暖な気候が欧州内の他国の人々を魅了しています。以前はイギリスやドイツから、最近では特に北欧からの観光客や移住者が増加しています。特にユーロが統一されてヨーロッパ圏からの移住が簡単になったことがあげられます。
アンダルシア州における外国人居住者数は、71万2000人で州全体人口の9％近くにのぼります。通りを歩いていると様々な違った言語が聞こえてきます。5月1日から5日まで私が住んでいるフエンヒローラでは、毎年恒例の「Felia de Los Pueblos」と呼ばれるインターナショナル祭りがありました。この地域に住む外国人たちにより、祭り専用会場のカセタ(小屋)で自国の飲食物が売られ、人々は音楽やダンスを楽しみます。2024年は33ヶ国が参加し会場は連日人であふれていました。
私が移り住むのにアンダルシアを選んだ理由
スペインでは人々が別れるときに「アスタ・マニアーニャ」と言いますが、直訳すると「また明日ね」という意味です。この言葉はさよならの代わりと、他に「明日でいいよ、明日にしようよ」というお気楽な意味でも使われます。今でこそこちらの生活も随分と忙しくなりましたが、私が来た当初24年前の人々の生活様式はもっとゆったりしたものでした。私はそんなゆったり生きるスタイルが気に入ってこちらに移り住むことを決めたのです。
明日でいいよねという気楽な生き方は南スペイン独自のスタイルでもあります。日本と同様スペインでも南部と北部では、人々の気質は異なります。北部の人々はアンダルシア気質と比べるともっと生真面目と言えるでしょう。スペイン全土で毎月必ずどこかしらでお祭りがあることからもわかりますが、とにかく北も南もスペイン人は楽しむことに躊躇しません。
観光地に住むスペイン人が従事する仕事は？
もちろん観光関連の仕事でサービス業についている人は多いのですが、私の周囲ではお掃除の仕事をしている女性が一番多いです。一般家庭やホテルなど清掃の仕事になります。一般家庭と言ってもスペイン人家庭ではなく、こちらに住んでいる外国人の家庭がほとんどです。スペイン人の主婦たちが、たいていはパートで外国人家庭の掃除をしています。需要と供給のバランスはとれているように見受けられます。
仕事にも関連するスペイン人の意外な一面
明日にしようよと言っても決して無責任なわけではありません。任せられた仕事はきちんとこなしています。意外や意外！スペイン人って結構辛抱強いのです。一人で営業している街の小さなレストランや地域の救急医療センターなど、待たされて文句を言ってくるのは大体外国人だそうです。そういえば年に何度かある地域のお祭りでも、パレードを見るために1～2時間前から待つのは平気ですし、医療センターの救急セクションでも2時間待ちは普通、スペインの人々は誰も文句言うことなく、静かに自分の番を待っています。
店舗や事務所の営業時間
スペインと言えばやはりシエスタが有名ですが、店舗やオフィスで午後休憩として採用していたシエスタも最近は廃れてきました。そのまま閉めずに営業を続けるところも増えています。働く方としては、長いランチ休憩のようなものですが、続けて仕事をした方が身体がだれなくていいという声の方が多いようです。中にはシエスタで閉める店舗もありますが、徐々になくなっていくのではないしょうか。
以前より早くなったとはいえ、個人的にはいまだ残っているゆったりライフスタイルと思いっきり生活を楽しむ姿勢、私は大いに気に入っています。
