アジリティ

「アジリティ(agility)」は「機敏」「軽快」という意味で、ビジネスシーンでは状況変化に応じて柔軟かつ迅速に対応できる機敏性を指す。例えば、意思決定の速さやフレキシブルな働き方への対応などがアジリティにつながる。

新型コロナウィルスのパンデミックや自然災害、デジタル化推進によるビジネスの変革など、企業を取り巻く状況は絶えず変化している。こうした将来の予測が困難な時代を「ブーカ(VUCA)」と呼ぶ。VUCAとは「Volatility(激動)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(不透明性)」の頭文字を取った造語。ブーカの時代を企業が生き抜くには、状況の変化に対応するアジリティが必要とされる。

アジリティに類する言葉として「クイックネス(Quickness)」がある。物事に素早く反応して動く、俊敏性を意味するクイックネスと異なり、アジリティはスピードに加え、多くの選択肢の中から適切なものを選択する対応力までも含まれる。

企業のアジリティが高まると、社員一人ひとりの判断が的確で状況の変化に柔軟な対応ができるようになる。柔軟な対応力が高まることで、リーダーシップが鍛えられる。リーダーの意思決定が的確で行動が早いと、業務もスピーディに進むようになる。

アジリティの高い組織は成し遂げたいビジョンが明確であり、それが社員にも共有されている。予想外の事態が起きても、ビジョンに基づいて自主的に判断・行動することで、臨機応変な対応や速やかなトラブル処理が実現できる。不透明で不確実なブーカの時代だからこそ、組織の将来を見据えたビジョンを共有することが重要である。
(青木逸美)

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