フリーミアム

Freemium。「フリー(Free、無料)」と「プレミアム(Premium、割増)」を合わせた造語で、米国のベンチャー投資家フレッド・ウィルソン氏がジャリド・ルーキン氏の発案をもとに提唱した。ソフトウェアやゲーム、動画、音楽配信など、基本サービスを無料で提供し、高度な機能や特別な機能について課金するビジネスモデルを指す。主に、Webサービスを提供する企業を中心に採用されている。

フリーミアムが広く知られるようになったきっかけは、クリス・アンダーソン氏の著書『Free<無料>からお金を生み出す新戦略』(NHK出版)が出版されたことである。著書の中でアンダーソン氏は「オンラインサイトでは95%の無料ユーザーを5%の有料ユーザーが支えている」と指摘している。

フリーミアムのメリットは導入のハードルが低いことだ。無料なら「取りあえず使ってみる」というユーザーは多いだろう。無料で体験したユーザーがサービスの価値を実感すれば、有料プランへの移行の可能性も高くなる。こうして、無料プランから有料プランへ誘導するのが「フリーミアム」の手法である。そのためには、まず無料プランの利用者を増やして認知を広めることが重要だ。

無料プランのユーザーを有料プランに移行させるためには、さらに魅力的なサービスの提供が必須となる。何がユーザーの心を動かすのかを、しっかりと把握し、「課金してでも得たいもの」を提供しなければならない。無料のサービスが価値不足だった場合は、有料プランへつなげることができないというデメリットも考えておく必要がある。
(青木逸美)

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