事業継承

会社の経営を後継者に譲り、事業を継続していくことを指す。日本企業の多くを占める中小企業では、オーナーが資産とともに技術も独占している場合が多く、子や親族に後継者がいないケースでは、事業継承困難という問題が発生する。

中小企業の事業継承には、「親族内承継」「親族外承継」「M&A(合併・買収)」の3つの方法が考えられる。従来は一般的だった「親族内承継」は、少子高齢化による後継者の減少などにより、難しくなってきている。そうした中、注目されているのが、親族の事業をそのまま継承するのではなく、家業の経営資源を活用しながら新しいビジネスを起こす「ベンチャー型事業継承」だ。

さらに、親族外継承でも従来のように社員に事業を譲るだけではなく、まったく見ず知らずの若者に譲るという「後継者人材バンク」が試みられている。これは、高齢になっても後継者を見つけられずにいる事業者と、起業を希望している若者をマッチングして跡継ぎとして事業を継承してもらう取り組みだ。

M&Aにおいても、従来のように知り合いの会社に買い取ってもらうのではなく、売りたい人と買いたい人をマッチングするサービスを行う企業や、それをネット上で行うサイトなども登場している。
(豊岡昭彦)

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