生成AI(ジェネレーティブAI)
生成AIは画像や音声、テキストなど、さまざまなコンテンツを生成できる人工知能の一種。「ジェネレーティブAI(Generative AI)」とも呼ばれる。AIが自ら学習する「ディープラーニング(深層学習)」を用いて構築された機械学習モデル。従来のAIと異なる点は、人間が作成するようなクリエイティブな成果物を生み出せること。代表的な生成AIとして、画像生成AIの「Stable Diffusion」や、テキスト生成AIの「ChatGPT」などが挙げられる。
生成AIは人間の仕事や作業を効率化するツールとして、ビジネスでの活用が期待されている。例えば、議事録や日報、顧客への対応メールの作成といった業務を代替することで、業務量の削減や作業時間の短縮が可能になる。また、画像や動画制作といった専門性の高い作業のアシストや、企画のアイデア出しなどにも利用できる。
AI技術の急速な発展により、利便性の向上が期待される一方で、個人情報保護や著作権侵害などの懸念点も挙げられる。AIはインターネット上で収集されたデータから学習して、コンテンツを生成している。日本では、学習目的で著作物を利用するのは認められているが、生成したコンテンツを販売すると、著作権侵害に当たる場合がある。AIの「学習」と「利用(生成)」が明確に区別されていないのが現状だ。現在、生成AIの利用はコンテンツが主だが、今後は自動車、建築、エネルギー、医療など、産業分野へも広がると予測されている。テクノロジーがルールの先を行くのは宿命とはいえ、AI利用のためのルール作り、法整備が急がれる。
(青木逸美)