データマイニング

データマイニング(Data Mining)とは、収集された大量のデータ(ビッグデータ)から有用な情報を抽出・分析し、役立つ知見を発掘(マイニング)する手法を指す。マーケティング、製造業、通信分野など、業界を問わず多岐にわたって活用されている。

データマイニングは、AI(人工知能)や機械学習、統計学などを用いてデータのパターンや相関性を特定し、有益な情報を抽出する。例えば、小売業では、データマイニングを行って顧客データや購買履歴を分析し、より効果的なキャンペーン施策を実施することができる。製造業では、生産ラインの機器が故障するタイミングや原因を特定し、メンテナンスを最適化できる。

データマイニングの代表的な分析手法には「クラスター分析(クラスタリング)」「マーケット・バスケット分析」「ロジスティック回帰分析」がある。

・クラスター分析(クラスタリング)
特性ごとにグループ分けする手法。例えば、顧客データを分析し、同じ属性の顧客グループを特定する。階層的な構造を持つ「階層クラスター分析」と、階層を持たない「非階層クラスター分析」がある。

・マーケットバスケット分析
属性の異なるデータ間で関係性を見出す分析方法。顧客の購買データから併売する商品の傾向を特定する。アソシエーション分析ともいう。

・ロジスティック回帰分析
いくつかの要因(説明変数)から「2値の結果(目的変数)」が起こる確率を説明・予測する統計手法。2値とは「合格・不合格」「Yes・No」など、答えが2つしかない値のこと。ロジスティック回帰分析では不完全なデータは使用できない。

データマイニングは、ただデータを集めればいいわけではない。ビジネスの問題点の解決や目標とする成果を上げることにつながらなければ、意味がない。そのためには、目的に合ったデータを集め、適切な分析方法を用いることが重要となる。効果的な活用には、統計学や機械学習などの専門知識を持った人材採用も視野に入れなければならない。

(青木逸美)

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