紹介するメールのセキュリティサービス:InterPlay Elastic Framework(アルプス システム インテグレーション)、SmaLingual -スマリンガル-(OCH)、ポケトーク ライブ通訳(ポケトーク)

外国人とのコミュニケーションにおける言語の壁をなくしたい

日本のグローバル化が進むに伴い、外国人とコミュニケーションを取る機会は増加した。しかし英語などの外国語を話せる人員が少なく、外国語話者への対応に苦慮している企業や公的機関もあり、店舗での接客や自治体での窓口対応などさまざまな場面で、言葉の壁が生じることも少なくない。今回は、外国人とのコミュニケーションをスムーズにしてくれる多言語対応サービスを紹介する。

各所で求められる多言語対応

 ビジネスにおいて外国人とのコミュニケーションの機会は増加している。その背景として、以下の二つが挙げられる。

 一つ目が、在留外国人の増加だ。在留外国人とは、観光で訪れる訪日外国人とは異なり、定着居住者、または3カ月以上の在留期間が決定された人物を指す。こうした在留外国人は、新型コロナウイルスの水際対策の緩和によって増加している。出入国在留管理局によると、2023年12月末の段階で、在留外国人は約341万1,000万人となった。前年と比べ33万6,000人増加しており、過去最多の人数となっている。外国人が日本に在留するために、自治体における窓口業務などでも多言語対応が求められている。

 二つ目が訪日外国人の増加だ。新型コロナウイルスの水際対策の緩和や円安によって、訪日外国人が増加している。日本政府観光局の調査によると2024年5月の訪日外国人数は304万100人となり、前年同月日では60.1%増と、3カ月連続で300万人を突破している。訪日外国人の増加に伴い、宿泊業などでは言語の壁によるコミュニケーションの問題が深刻化している。

 このように、外国人とのコミュニケーションの機会が増加した今では、各所で多言語対応が求められているのだ。

場所を問わない翻訳を実現

 外国人対応と一口に言っても対応シーンは多様だ。それでは、求められる多言語対応サービスについて、活用シーンに応じて見ていこう。

 一つ目が受付だ。リモート接客・受付対応が可能なシステムであれば、遠隔地にいる多言語話者のスタッフが対応支援を行えるため、現地のスタッフの負担軽減につながる。

 受付スタッフが話す言語を、リアルタイムに翻訳できるサービスもある。1台で1対1の複数言語翻訳ができるサービスと透過型ディスプレイを組み合わせた製品などを活用すれば、外国語を習得していないスタッフでも外国人への応対が可能になるだろう。

 二つ目は会議だ。Web会議などを活用して外国人とコミュニケーションを行いたい場合、PCやスマートフォン、タブレットなどデバイスを選ばずに翻訳を行えるサービスが有効だ。Web会議といったPC内部音声に加え、モバイル端末のマイクに入る音声も翻訳できるサービスであれば、リモート商談など場所を問わない翻訳を実現するだろう。

 今回はアルプス システム インテグレーション、OCH、ポケトークに製品を提案してもらった。

画面のカスタマイズを任意で行える

InterPlay Elastic Framework

アルプス システム インテグレーション
初期登録料:2万8,600円〜
年額利用料:34万3,200円〜
※別途ハードウェアが必要

 資料や画面を共有しながら対応が可能なリモート接客・受付システム「InterPlay Elastic Framework」を提案する。

 InterPlay Elastic Frameworkは、英語や中国語(繁体字・簡体字を含む)、ポルトガル語など14カ国語に対応し、ビデオ通話の会話を自動でテキストに翻訳する。翻訳結果はデジタルサイネージにテキスト表示させることに加え、スピーカーが内蔵されていれば翻訳結果を音声として出力もできる。遠隔地で対応するオペレーターが日本語で回答しても相手の言語に自動翻訳されるため、多言語に対応できる人材獲得が難しい場合でも安心だ。

 状況に応じて切り替えられる四つの利用モードを搭載している。一つ目が遠隔応対だ。遠隔応対では、遠隔地にいるオペレーターがビデオ通話を用いて、受付・接客対応を行う。二つ目が応対支援だ。受付・接客スタッフの近くにInterPlay Elastic Frameworkを搭載したサイネージを配備して案内板として活用する。現場スタッフが対応しきれない内容でも、遠隔地のマルチリンガルスタッフがビデオ通話で応対支援を行うことも可能だ。三つ目が無人化・省人化対応だ。タッチパネル型のサイネージと、AIチャットボットとアバターによる自動接客を組み合わせることで、無人対応を実現する。四つ目は緊急時対応だ。災害発生時など、緊急案内板としてデジタルサイネージに避難経路といった各種情報の一斉表示ができる。

 導入後はWebブラウザー上の管理画面から、管理者が自由に画面のカスタマイズや複数のレイアウトを作成可能だ。カレンダー機能やスケジュール機能を利用することで、日や月によって違う内容にしたり、時間によって接客対応の有無を変更する内容にしたりできる。さらに機材一式ごと場所を移動することで、異なる場所・用途で使うことも可能だ。

用途に応じた3種類のラインアップ

SmaLingual -スマリンガル-

OCH
SmaLingual PRO with ディスプレイ:39万6,000円

 音声入力とタイプ入力の2種類の選択ができる翻訳サービス「SmaLingual -スマリンガル-」(以下、SmaLingual)を提案する。

 SmaLingualは、英語・中国語・フランス語・スペイン語に加え、インドネシア語・タイ語・ベトナム語といった東南アジア圏の言語を含めた16言語に対応している。翻訳には国立研究開発法人 情報通信研究機構(NICT)のエンジンを使用しているため、高い翻訳精度を備える。文章を事前に登録可能な「よく使うフレーズ」機能を用いることで、スムーズな翻訳を実現している。

 使用シーンに合わせ、「SmaLingual Single」「SmaLingual Pro」「SmaLingual PRO with ディスプレイ」の3種類の製品をラインアップしている。

 SmaLingual Singleは、スマートフォンなどのモバイル端末1台で、1対1のコミュニケーションを取ることに適している。そのため、カフェやレストランの接客、駅、空港、ショッピングセンターのサービスカウンターなどのシーンで活用できる。

 SmaLingual Proは、PCやモバイル端末を用いた多人数、多言語対応の同時翻訳サービスだ。1対複数人での利用に適しているため、観光ツアーや美術館ガイド、大学の講義などでの同時通訳や、異なる言語圏の人たちが集うミーティングなどに適している。

 SmaLingual PRO with ディスプレイは、SmaLingualの翻訳エンジンを12.3インチの透過型ディスプレイと組み合わせた製品だ。ディスプレイ越しにお互い顔を見ながらコミュニケーションを取れるため、チケット購入窓口やホテル窓口、自治体での窓口手続き対応などで活用できる。

 高い翻訳精度を備え、用途に応じた3種類のラインアップから選べるため、さまざまなシーンで利用できるサービスだ。

自動言語判別で双方向の会話が可能

ポケトーク ライブ通訳

ポケトーク
3,300円/月
※毎月30分まで無料

 翻訳した言葉と翻訳元の言葉の双方を文字起こし可能な多言語翻訳サービス「ポケトーク ライブ通訳」を提案する。

 ポケトーク ライブ通訳は、相手の話す英語・日本語・韓国語・中国語・スペイン語・ドイツ語・フランス語・イタリア語・ポルトガル語・ロシア語の10言語を、74言語の音声とテキストでリアルタイムに翻訳できる。言語ごとにそれぞれ最適なエンジンを使用しているため、話者に訛りがあったり早口であったりしても、高精度な翻訳を可能としている。翻訳済みのテキストデータは履歴をさかのぼって確認できるため、聞き逃したときや、発言の内容を確認したいときでも安心だ。

 翻訳機能はWebブラウザー上で使用可能で、PCやスマートフォン、タブレットなどデバイスを選ばずに翻訳を行える。また、Web会議や動画といったPC内部音声に加え、マイク入力音声も翻訳可能だ。そのためスマートフォンやタブレットといったモバイル端末のマイクを用いて相手の言葉を翻訳すれば、対面での会議・会話といった場面でも利用できる。さらに、言語を自動で判定して翻訳を行う機能も備えるため、対面での双方向コミュニケーションを実現する。

 ポケトーク ライブ通訳の利用に当たり、ポケトークや音声認識エンジン、クラウドサービスなどの提供元が、音声データおよびそれをテキスト化したデータを閲覧・利用することはなく、翻訳履歴のデータは残らない。そのため、社内情報や機密情報を含む会議などでも利用可能だ。

 言語ごとにそれぞれ最適なエンジンを使用することで高い精度を実現した翻訳を、デバイス・場所を問わずに行えるサービスをポケトークは提供する。

※価格は全て税込