ATSのヘルスケア事業で活躍する
ヘルスケア営業部の若手メンバーたち

アルファテック・ソリューションズ(以下、ATS)では同社の事業活動を四つのマーケットドメインと二つのサービスドメインで定義している。具体的には「ヘルスケア」「自治体・文教」「エンタープライズ」「金融」の四つの市場に向けて、「マネージドサービス」と「DXソリューション」の二つのサービス領域に特化してビジネスを展開している。その中で売り上げ、利益ともに最も大きな割合を占めているのがヘルスケア事業だ。

電子カルテのインフラに
大きなホワイトスペース

 ATSがヘルスケア事業に取り組み始めたのは1999年のことで、電子カルテのソリューションベンダーとの協業がきっかけだった。それ以来、電子カルテベンダーが自社のシステムを提供する際に、ATSがサーバーやPCなどのハードウェアとインフラ構築を提供し、ソリューションとして全国の病院に導入してきた。

 ATSのヘルスケア事業は、ATSが病院に導入したサーバーやPCなどの保守をはじめ、これらの更改に伴うリプレース需要、さらに電子カルテベンダーが獲得した新規顧客とのビジネスがこれまでの収益の柱だった。ATSのヘルスケア事業は20年以上続く電子カルテベンダーとのチームワークによって発展しており、今後も長期にわたって成長が期待できる市場である。

 ATSのヘルスケア営業部で新規顧客の開拓を担当する守 萌々子氏は「1年間に2件から3件、紙カルテを電子化する案件を獲得しています」と話す。同じチームの池田寛夏氏も「多くの病院がすでに電子カルテシステムを導入していますが、サーバーの老朽化などインフラのリプレースをきっかけに新規顧客の案件を獲得できることがビジネス拡大につながるとみています」と説明を続ける。

 こうした潜在する大きなビジネスチャンスをATSの成長ドライバーに取り込むために、同社のヘルスケア営業部では既存顧客のビジネスをしっかり伸ばしながら、新規顧客の獲得にも注力している。

営業活動の最前線に
若手を積極的に登用

 今年4月2日に開催されたATSの全社員が参加する新年度キックオフミーティングにおいて、2024年度から2026年度までの中期経営計画が説明された。その中でヘルスケア事業には「ヘルスケア市場におけるNo.1インフラパートナーへ!」という中期ビジョンが示されている。

 ATSのヘルスケア営業部で既存顧客への営業を担当する竹中 碧氏は「ヘルスケア営業部には新入社員が毎年配属されており、今年は社内で最も多い人数が配属されました。ヘルスケア営業部の人数が年々増えており、会社から期待されていることを実感しています」という。

 ヘルスケア営業部では若手の女性社員が増えていることも近年の傾向だという。ただし新卒の新入社員が、入社してすぐにビジネスの最前線で活躍できるわけではない。そこでATSではITの知識やビジネスの基礎をじっくり教えながら、実践で活躍できる人材を育成している。

 入社2年目の伊藤 楓氏は「ITの知識もなく医療用語も理解できず、入社したばかりのころは戸惑いましたが、先輩たちも同世代が多く、また女性も多いので質問や相談がしやすいです。同じ目線で丁寧に教えてくれるので、少しずつですが仕事を覚えることができています」と話す。

 ATSのヘルスケア営業部では入社後2年間は担当する顧客を持たず、内勤で先輩たちの活動を手伝いながら徐々に業務を覚えていく研修期間を設けている。

 同じく入社2年目の高橋絢音氏も「先輩たちは複数の案件を掛け持ちして忙しいにもかかわらず、チャットで質問を送ると丁寧に教えてくれることに感謝しています。去年の今ごろは何をどうすればいいのかほとんど分かりませんでしたが、今は電子カルテベンダーの担当者とのやりとりができるようになりました。次は外勤の営業担当者の調整や、機器の構成を担当できるようになりたいです」と意気込みを語る。

 さらに「仕事ができている先輩とできていない私を考えたとき、先輩の(仕事の)レベルに達したらもっと仕事が楽しくなるし、やりがいも感じます」と強調する。

ATSのヘルスケア事業で既存顧客への営業を担当する
社会公共事業部 ヘルスケア営業部 営業グループのメンバー。
(左から)フィールドセールスチーム 竹中 碧 氏、丹羽詩織 氏  インサイドセールスチーム 伊藤 楓

ATSのヘルスケア事業で新規顧客への営業を担当する
社会公共事業部 ヘルスケア営業部 営業グループのメンバー。
(左4番目から)フィールドセールスチーム 守 萌々子 氏、池田寛夏氏  インサイドセールスチーム 高橋絢音

「初物」をプラスアルファに加え
事業成長の目標達成を目指す

 ATSの四つのマーケットドメインにおける事業では五つの戦略が示されており、その一つに「プラスアルファテクノロジーの差別化促進」がある。ヘルスケア営業部ではこの戦略を実践して、ビジネスを伸ばしている。

 ヘルスケア営業部で既存顧客への営業を担当する丹羽詩織氏は「お客さまへの提案には基本となるテンプレートが用意されており、あらかじめ組み立てられている構成でソリューションを提案します。しかしテンプレートに用意されていない要件を要望された場合は、その要望に応えるソリューションを技術担当者と相談しながら新たに組み立ててオリジナルの提案を作成します。その提案が受け入れられたときは『初物』を提供した達成感があり、うれしいです。また新しい提案を加えることは、既存のビジネスに付加価値を加えて売り上げを伸ばすことにつながりますので、今後も新しい提案に挑戦したいと考えています」と語る。

 また池田氏と丹羽氏はともに「会社としてストックビジネスの獲得を推進していますので、標準的な提案からクラウドサービスや保守運用のサブスクリプションにつなげる提案をして、売り上げを伸ばしたいと考えています」と、前述の五つの戦略の一つであるストックビジネスの推進に向けた意気込みを語った。