紹介するDXサービス:FAMoffice(富士ソフト)、Microsoft Mesh(日本マイクロソフト)

テレワークでのコミュニケーション不足を解消したい

働く場所を選ぶことなく柔軟な働き方ができるテレワーク。コロナ禍を経て企業での導入が増えてきたものの、課題となっているのが、社員同士のコミュニケーションだ。オフィスに出社していれば業務に関する質問や相談もすぐに行えたが、オンラインでのコミュニケーションは相手の状況が見えない分、取りづらくなっている。こうした問題を解決するべく、テレワークでのコミュニケーション不足を解消していくための製品を提案したい。

社員同士のコミュニケーションが減少

 テレワークにおけるコミュニケーション不足は、企業が直面する重要な課題だ。特に対面でのやりとりが減少することにより、情報共有の遅れや認識の齟齬が生じやすくなる。重要な情報がタイムリーに伝わらないことで業務が滞ってしまい、迅速な意思決定や対応が難しくなる場合がある。

 テレワークでは非言語コミュニケーションが失われてしまう。メールやチャットなどのテキスト情報によるコミュニケーションでは、表情や身振り、声のトーンといった非言語コミュニケーションで重要な役割を担っていた情報が伝わりづらく、誤解や意図のズレが生じる可能性もある。それに加えて、物理的に離れた場所で働くことにより、孤独感を抱く社員もいる。社員の労働時間が正確に把握しづらいことから、長時間労働も問題視されている。

 また、オフィス内であれば定期的にミーティングを実施し、メンバーとの認識合わせをその都度行えるが、テレワークでは、個々で働いている感覚になりやすく、チームワークの形成に欠かせない仲間意識や連帯感が低くなりがちだ。それにより、チーム全体の効率や生産性の低下につながる恐れもあるのだ。

相手の状況が見えず連絡が取りづらい

 国土交通省が公表している「令和5年度 テレワーク人口実態調査」の結果でテレワークが個人や社会に与える良い/悪い影響に関して尋ねた内容がある。それによると、テレワークが個人や社会に与える良い影響として「業務の効率・生産性が上がる」という項目に「とてもそう思う」「そう思う」と回答した割合は31%だった。その一方、悪い影響として「コミュニケーションが取りづらく、業務効率が低下する」という項目に「とてもそう思う」「そう思う」と回答した割合は43%だった。

 また、コミュニケーション不足の懸念を理由にテレワークを実施していないという企業の回答もあった。

 オフィスに出社していれば業務に関する質問や相談もすぐに行えたが、離れた距離にいる相手とのコミュニケーションは、状況が見えない分、取りづらくなる。こうしたテレワークにおけるコミュニケーション不足によって、業務効率の低下につながってしまう恐れもあるのだ。

 そんなテレワークにおける課題を解決する製品を富士ソフト、日本マイクロソフトに提案してもらった。

一緒に働いている“一体感”を再現

FAMoffice

富士ソフト
初期費用:11万円
3万3,000円〜/月

「あつまる・つながる・ひろがるオフィス」をコンセプトに、働く場所にとらわれないコミュニケーションを実現させる仮想オフィスツール「FAMoffice」を提案する。FAMofficeは、仮想空間に再現したオフィスにアバターとして出社し、同僚と顔を合わせながら働くデジタルワークプレイスを提供する。「会議中」「外出中」「電話中」「離席中」といったステータスや「出社」「在宅」「外出先」などのマークをアバターに表示させることで、一緒に働く社員の勤務状況を一目で把握が可能だ。チーム内での声かけのタイミングを適切に見極められるため、迅速かつ効率的なコミュニケーションを実現する。

 誰でも簡単に使いこなせる操作性もFAMofficeの魅力だ。社員同士で会話をしたい場合は、相手のアバターに重ねる、あるいは空いている会議室の席にアバターを座らせるだけでビデオ通話を始められる。会話の機密性を確保するため、ビデオ通話を行っている相手のみしか音声が聞こえない仕組みになっている。周囲には「誰と誰が会話している」という業務状況を視覚的に共有しつつ、第三者には会話内容が漏れないようにするプライバシーに配慮した設計だ。

 FAMofficeは、ちょっとした雑談などのカジュアルなコミュニケーションを促進する機能も備えている。最近の出来事などを吹き出しに表示させる「つぶやき」機能を使えば、業務以外の交流が自然に行えるようになり、チームの一体感やエンゲージメントを上げられるだろう。また、FAMofficeは労務管理にも役立てられる。サインインとサインアウトの時間をデータとして抽出できるため、社員の稼働状況を可視化し、長時間労働の抑制につなげられる。

 FAMofficeは、テレワーク時のコミュニケーション不足の課題解決のほか、働く場所にとらわれない働き方を実現するためのツールとして多くの企業を支えている。

没入感のあるミーティングを実現

Microsoft Mesh

日本マイクロソフト
Microsoft 365 Business Basic
988円/月

 ハイブリッドワークの浸透で、人間関係の構築に課題を感じている企業に向けて、会議のコミュニケーションを円滑にさせる没入型のメタバース会議システム「Microsoft Mesh」を提案する。

 Microsoft Meshは「Microsoft Teams」で利用できる機能だ。カスタマイズ可能な3Dアバターを活用し、バーチャル空間でのコミュニケーションが行える。Teams会議の表示メニューから「イマーシブスペース(Immersive space)」を選択すると、2次元会議から「没入型エクスペリエンス」に変換され、参加者全員が3D空間でコミュニケーションできるようになる。Microsoft Meshでは次のような機能が利用可能だ。

・アバター:性別、髪、肌、目の色、衣服、アクセサリーなどを自由にカスタマイズできる。

・3D環境と座席の割り当て:大規模グループ用の会議スペースや小規模なテーブルディスカッションなど、会議のニーズに合わせて一つ選択可能。座席の位置の指定や、離席なども自由に行える。

・ライブアクション:ハート、いいね、拍手などのライブリアクション、アイコンタクトやジェスチャーなどを使用して、会議中に自分の意見を自由に表現できる。

 外部の人間を含めず社員同士でオンライン会議を実施する場合、Webカメラをオフにしてやりとりを行うケースも多い。相手の表情が見えないため、リアクションを取りづらいことがある。そこでアバターを介してリアクションが行えるMicrosoft Meshを活用することで、コミュニケーションの活性化につながり、会議をより円滑に進めやすくなるだろう。

※価格は全て税込