Windows Server 2025へのマイグレーションに合わせて導入するサーバーはWindows Server 2025と相性の良いものにしたい。相乗効果でより高い性能を発揮できたり可用性を高められたりしたら、AIなど最新のテクノロジーを安全かつ安心に導入できるだろう。そこで日本ヒューレット・パッカード(以下、HPE)が提供するサーバー「HPE ProLiant Gen11」シリーズを活用すれば、その願いをかなえられる。Windows Server 2025とHPE ProLiant Gen11シリーズを一緒に活用することで得られる相乗効果を詳しく見ていこう。

現場のAI活用をサポート

日本ヒューレット・パッカード
パートナー・アライアンス営業統括本部
パートナー技術部
シニアテクノロジーアーキテクト
江澤竜起

 AIをはじめとしたテクノロジーは日々進化を続けている。そうした技術の発展が目覚ましい中で、最新OSに移行するメリットを日本マイクロソフト マスタートレーナー 赤井 誠氏はこう説明する。「Windows Server OSは今現在のニーズだけでなく、AIといった数年後のニーズも見越して設計・開発しています。そのため最新のOSを利用することで、今あるものから数年後にリリースされるものまで、企業は必要なさまざまなサービスを最新のプラットフォームで使えるようになります。また忘れ去られがちですが、テクノロジーが進化していくのはソフトウェアだけではありません。CPUやストレージといったハードウェアも同様に進化していきます。OSは、そうした進化するハードウェアのパフォーマンスも最大限に生かせるように開発が行われています。ソフトウェアからハードウェアまで、あらゆるテクノロジーの進化を業務に取り入れられるようになるのです」

 HPE パートナー・アライアンス営業統括本部 パートナー技術部 シニアテクノロジーアーキテクト 江澤竜起氏は、移行するメリットがあるのはサーバーも同様だと語る。「現時点で当社における最新サーバーの『HPE ProLiant Gen11』シリーズと、およそ10年前にリリースされた『HPE ProLiant Gen9』シリーズを比較すると、スペックに約10倍の差があります。HPE ProLiant Gen9シリーズだと10台必要だった作業が、HPE ProLiant Gen11シリーズだと1台で済むようになったのです。もちろん多少はリプレースの費用がかかりますが、管理や電力にかかるコストを考えると、10台のサーバーが1台に減ることは大きなメリットだと思います。管理の手間も大きく削減可能です」

 さらに江澤氏は、最新サーバーのHPE ProLiant Gen11シリーズを活用するメリットをこう話す。「もう一つのメリットはAIです。工場や病院といった現場から生まれるデータのAI解析を行う際、生まれたデータをいちいち本社やデータセンターに送って処理をしていると、業務にロスタイムが発生してしまいます。これを踏まえて、現在は現場で一次解析を行うことが求められています。この流れを支えるために当社は、現場でAI活用のためのフル稼働が可能な、壁掛け設置もできるコンパクトエッジサーバー『HPE ProLiant DL145 Gen11』を発表しました。三つのシングルワイドGPUをサポートし、粉塵や衝撃に強い作りになっています。動作可能温度もマイナス5〜55度と幅広いため、温度変化の多い環境でもパワフルにAI活用を支えます」

HPE ProLiant Gen11シリーズ

現場で稼働する小規模システムの可用性を向上

日本マイクロソフト
マスタートレーナー
赤井 誠

 では、最新OSのWindows Server 2025と、最新サーバーであるHPE ProLiant Gen11シリーズの特長はどのようなものだろうか。この二つには、共通の大きな特長が3点ある。

 まず1点目はセキュリティだ。企業でサーバーを使用するに当たって、データの保護は重要な要素の一つとなる。昨今ではハードウェアレベルの攻撃も増えているため、OSとサーバーの双方からハードウェア、ファームウェア、OSのマルチレイヤーにわたる徹底的な防御を実現した。

 2点目は運用を楽にするテクノロジーだ。データセンターだけでなく、現場で稼働するサーバーも可用性を高めなければならない。しかし現場には、IT担当者がいないケースがある。そうした事態に備えたWindows Serverのソリューションとして、2台以上のサーバーを固まりにして稼働させるクラスターソリューションの機能「Windows Server Failover Cluster」(WSFC)がある。このWSFCの構成には、従来Active Directoryが必要だった。しかしWindows Server 2025ではActive Directoryが必要ではなくなり、小規模なシステムでもWSFCを構成し、可用性が高められるようになった。このほかWindows ServerのHyper-V機能「ライブ マイグレーション」も、Windows Server 2025ではActive Directoryが不要になったのだ。

 さらにWindows Server 2025には、運用での利便性を高める機能がもう一つある。それは現在プレビュー中の、コンピューターを再起動せずOSにセキュリティ更新プログラムをインストールできる「ホットパッチ」だ。「動いているシステムをシャットダウンして再度立ち上げると、再起動に時間がかかります。Windows Server 2025からは、HPE ProLiant Gen11シリーズをはじめとしたx86サーバーでもホットパッチが使えるので、より長い時間サービスを継続可能になります」(赤井氏)

 そしてHPE ProLiant Gen11 シリーズには、Windows Server 2025と合わさることでさらに活躍できる特長がある。それがクラウド型のサーバー管理ツール「HPE GreenLake for Compute Ops Management」(以下、COM)だ。COMは管理サーバーを必要とせず、現場に分散設置されたサーバーをクラウドから一元管理可能だ。加えてCOMから直接最新のファームウェアを適用できるので、都度ダウンロードする必要がない。

 江澤氏は「OSはWindows Server 2025のホットパッチで最新のセキュリティパッチを適用し、ハードウェアはCOMで最新のファームウェアを適用していくことで、お客さまは常に最新のセキュリティ対策が行えます。ぜひCOMを導入し、Windows Server 2025と共に活用することで堅牢なセキュリティを実現してもらいたいです」とアピールする。

 3点目は、AIを活用していく上で重要なGPUの強化だ。Windows Server 2025は、GPUを分割して複数の仮想マシンと共有する「GPU パーティショニング」機能を提供している。この機能は今までWindows Server OSには対応していなかったが、Windows Server 2025からは対応し、オンプレミスでGPU パーティショニング機能が使えるようになった。そしてHPE ProLiant Gen11シリーズでは、HPE ProLiant DL145 Gen11をはじめ、GPU搭載モデルのラインアップが拡充されている。これにより顧客は、さまざまな要件に応じて、現場でより効率的なAI活用が行えるようになるのだ。

31年の歴史による高い親和性

 江澤氏は、Windows Server OS とHPE ProLiant シリーズの親和性をこう強調する。「HPE ProLiantシリーズは1993年から販売を開始し、2025年1月時点で31年の歴史を持っています。最初期のWindows Server OS『Windows NT』のリリースも1993年なので、Windows Server OSとHPE ProLiantシリーズは、登場当初から共に歩んできた歴史があるのです。セキュリティや管理に不安を抱えるお客さまは、高い親和性があるWindows Server 2025とHPE ProLiant Gen11シリーズを一緒に使ってみてはどうでしょうか」

 さらに赤井氏は「2025年10月14日にWindows 10のサポートが終了します。これに伴い、すでにWindows 11への移行を進めているお客さまも多いかと思います。業務で最高の成果を得たいのならばぜひ、Windows 11への移行だけでなく、Windows Server 2025へのマイグレーションも進めてください。Windows 11には、Windows Server 2025との組み合わせでないと動かないセキュリティ機能などもあります。そのため、Windows OSとWindows Server OSのどちらか一方だけをアップデートしても機能を最大限活用できません」とアピールする。

 最後に赤井氏は、Windows Server 2025とHPE ProLiant Gen11シリーズの導入提案に向けたメッセージをこう話す。「最新のテクノロジーを活用したいお客さまは、ダイワボウ情報システム(DIS)さまにご相談いただければと思います。相談することで新たなテクノロジーを学び、AIインフラやマルチクラウドインフラの提案準備を進めていくことが、数年先を見据えるための重要な行動になります」

 続けて江澤氏も、導入提案に向けたメッセージを次のように語った。「HPEは、販売店さまが手間なくサーバー・OSのご提案ができる仕組みを用意しています。最近では、構成作成が不要なパッケージモデル『HPE Smart Choice』を販売しました。構成をカスタマイズしたいときは、当社の公式オンラインストア『HPE DirectPlus』を利用すれば簡単に構成作成が行えます。Windows Server OSもプリインストールして出荷しているため、ぜひご活用ください」