「Azure Migrate」を活用して
サーバー環境をAzureに移行しよう!
今月号のAzureの業務改善ファイルは、オンプレミスサーバーのAzure移行を助ける「Azure Migrate」について紹介します。豊富な移行メニューに対応しているので、オンプレミスのシステムが煩雑化しているお客さまにお薦めです!
既存システムの移行を助けるAzure Migrateのメリットとは?
クラウド移行に際し、移行前の設計・検証といった準備は重要ですが、作業が煩雑で後手に回りがちです。ライセンスや既存システムへのサポート対応、コスト管理作業など移行準備の省力化が求められています。そこでお薦めするのが、「Azure Migrate」です。
Azure Migrateは、オンプレミスやクラウドで稼働しているサーバーやデータベース、Webアプリケーション、仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI)などをAzureへ移行するためのクラウド移行支援サービスです。インフラストラクチャ、データ、アプリケーションに対し、移行前の手順を包括的に実行できます。
Azure Migrateを利用した移行や移行のためのリソースの評価・検証の例を、基盤の分野ごとに見てみましょう。
【サーバー、データベース、Webアプリケーション】
WebアプリケーションとSQL Serverインスタンスを含むオンプレミスのサーバーを評価し、それらをAzureに移行。
【データベース】
オンプレミス SQL Server インスタンスとデータベースを評価→仮想マシンサービス「Azure VM」orクラウドデータベースサービス「Azure SQL Managed Instance」上のSQL Server or Azure SQL Databaseに移行。
【Webアプリケーション】
オンプレミスのWebアプリケーションを評価し、開発者向けPaaS「Azure App Service」とKubernetesの構築・管理サービス「Azure Kubernetes Service」に移行。
【仮想デスクトップ】
オンプレミスのVDIを評価し、クラウドVDI「Azure Virtual Desktop」に移行。
【データ】
大容量データを安全にクラウド移行する「Azure Data Box」を使用して、大量のデータを迅速かつコスト効果よくAzureに移行。
このように、データの使用用途などに合わせて評価から移行までを行えます。ダイワボウ情報システム(DIS)の営業担当者さまに相談すれば、システムの課題もスピーディーに解決できるでしょう。
多様なツールで移行&評価
Azure Migrateには次のような移行に関する複数のツールが含まれており、Azureへの移行と評価に役立てられます。
●Azure Migrate: Discovery and Assessment……SQL ServerやWebアプリケーションを含むサーバーの検出と評価を行う。Azureへの移行の準備として、VMware VM、Hyper-V VM、および物理サーバー上で実行されているオンプレミスサーバーを検出して評価。
●移行およびモダン化に関するツール……VMware VM、Hyper-V VM、物理サーバー、そのほかの仮想サーバー、パブリッククラウドVMをAzureに移行。
●Data Migration Assistant……Azureに移行するSQL Serverを評価するためのスタンドアロンツール。移行を妨げる可能性のある問題の特定に役立つ。サポートされていない機能、移行後に役に立つ新機能、データベースの移行の適切なパスを明確化できる。
●Azure Database Migration Service……オンプレミスのSQL ServerをAzureに移行する。Azure VM、Azure SQL Database、またはSQL Managed Instanceに移行。
●Web App Migration Assistant……オンプレミスのWebアプリケーションを評価し、Azureに移行するスタンドアロンツール。Azure App Serviceに移行するためにオンプレミスのWebサイトを評価。
●Azure Data Box……オフラインデータを移行できる。オフラインデータが大量でもAzureに移動可能。
上記に加え、ISVパートナーさまの製品との統合にも対応しています。統合可能なISVパートナーさまの製品は末尾のQRコード※1から確認できます。
見積もりを自動算出
移行にあたり、かかるコストも気になるところでしょう。Azure Migrateでは、コストの見積もりも算出可能です。利用するツールは、前述したAzure Migrate : Discovery and Assessmentです。
それでは、オンプレミス基盤の評価結果を出してみましょう。実際に、下記のような見積もりを算出できます。
・Azure対応性 : オンプレミス基盤の対応台数……7台
条件付きで対応するオンプレミス基盤の台数……1台
・月間コスト見積もり : 5万7,261円内、
コンピューティング……4万2,961円
記憶域……1万4,300円
・月間ストレージコスト見積もり :
Standard HDD マネージドディスク……1万4,300円
環境の評価が終われば、ワークロードを安全に移行する準備は完了です。Azure Migrate : Server Migrationツールを使用して、そのままサーバーワークロードをAzureに移行可能です。
本番環境への移行前にはテスト移行を行いましょう。仮想マシンの移行の検証やアプリケーションのテスト移行をすることで、オンプレミスのマシンに影響を与えることなく、移行がどのように行われるかをチェックできます。
オンプレミス環境のAzure移行だけでなく、移行前の評価の可視化にもAzure Migrateは活用可能です。より詳細な情報は、末尾のQRコード※2のAzureやマイクロソフト製品情報を知れる「Microsoft Learn」を参照してみてください。