Microsoft Igniteから
新たなAIビジネスを模索しよう
AI隆盛時代を迎えた昨今、旧態依然としたITインフラの見直しが進み、さまざまな業界でAIの導入による変革が始まっています。新年号の第1弾は、2023年にシアトルで行われた、世界中の技術者が一堂に会するマイクロソフトの年次フラッグシップ・イベント「Microsoft Ignite」を紹介します。今回、AIを含め、マイクロソフトのテクノロジーポートフォリオでは100を超える新しいアップデートがありました。このイベントの中から三つの内容を解説します。
日本マイクロソフト
パートナー事業本部
コーポレートソリューション営業統括本部
チャャネルセールス営業本部
チャネルセールスマネージャー
大北崇人 氏
Azure OpenAI Serviceがさらに使いやすく
「Microsoft Ignite」はパートナーさま、お客さま、技術者さま・開発者さまがマイクロソフトテクノロジーの総合的価値を実現し、仕事の進め方を再構築するための技術進化を紹介するイベントです。今年度は全世界から28万人以上の登録をいただきました。
その中からまずは、言語AI学習プラットフォーム「Azure OpenAI Service」の最新情報をご紹介させていただきます。2023年11月6日にOpenAIが実施した開発者向けイベント「OpenAI DevDay」で発表されたアップデートが次々とAzureに実装され、生成AIの一つ「GPT-4 Turboモデル」では、プロンプトの長さを延長し、さらに生成AIアプリケーションを制御することで生産性を高められるようになりました。併せて価格の値下げも図られ、新しいモデルのトークン料金は、OpenAIの料金と同等になる見込みです。
画像認識API「GPT-4 Turbo with Vision」では、多くのデジタル資産管理 (DAM) シナリオに活用できるAIソリューション「Azure AI Vision」との組み合わせが可能となりました。視覚入力と関連するテキストベースのプロンプト指示から認知、理解、推論するアプリケーション (ビデオ解析、ビデオ Q&A)の構築などに対応しています。
Microsoft Copilotでタスクを迅速処理
次に、大規模言語モデル (LLM) と組織のデータを包括的に組み合わせてタスクを高速処理する「Microsoft Copilot」ブランドも刷新されます。今後は「Copilot in〜」ないしは「Copilot for〜」といった名称のソリューションに統合する予定となります。
その中で、クラウドインフラストラクチャとサービスの設計、運用、最適化、トラブルシューティングを支援する「Microsoft Copilot for Azure」を発表しました。
Microsoft Copilot for Azureでは、従来よりもデータを扱いやすくし、業務負担も軽減できるでしょう。まず、最先端の大規模言語モデルの機能とAzureリソースモデルを組み合わせてタスクの処理を進められます。さらに、クラウドからエッジまで、データが散在しがちなAzure内の全容を把握・管理し、作業に必要なデータを活用しやすくなります。
より多くのエンドユーザーが対象となり、アプリケーションやインフラストラクチャに対し機能を要求することが増えております。Microsoft Copilot for Azureは、管理すべきリソースの数は急速に増加しており性質も高度化している中で、複雑なタスクを迅速に完了します。それにより、深い分析情報をチームや組織全体の改善に役立てることが可能となります。
環境サステナビリティにも貢献
最後に、Microsoft Azureが稼働しているデータセンターでの環境への取り組みについて紹介します。マイクロソフトは、2013年から、データセンターにおける電力供給に対し、水力・風力などの再生可能エネルギーを19GW(ギガワット)活用しています。そして、2030年までにカーボンネガティブを実現するために、2025年までに温室効果ガスの排出量を全体としてゼロにするゼロカーボンの目標を達成する見込みです。
環境サステナビリティに対しても会社の枠を超えてアプローチを拡大していき、サステナビリティの観点からもパートナーさま、お客さまを支援しています。
今回は、Microsoft Igniteの発表から三つのアップデートを紹介しました。下記のQRコードの先のWebサイトに詳細情報が載っておりますので、併せてご確認ください。
text:日本マイクロソフト 大北崇人 氏