多様なサーバーとクラウドの組み合わせで
企業のBCP対策から運用管理の課題に応える
パブリッククラウドとオンプレミスを用途に応じて使い分けるハイブリッドクラウド環境のニーズが増加している。その一方でハイブリッドクラウド環境は管理が煩雑になるという課題があり、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の足かせになっているケースもある。そうした環境に対する解決策を提示しているのが、NECだ。
NECでは、多様なサーバーのラインアップで企業のDXの実現に応えている。その中でも、特にファイルサーバーの利用傾向についてNEC インフラ・テクノロジーサービス事業部門 コンピュート統括部 稲富友一氏は次のように語る。「オンプレミスやクラウドを組み合わせたハイブリッド環境で、ファイルサーバーを利用するお客さまが増加傾向にあります。安定したアクセス性能や操作性の高さといったオンプレミスの利便性と、クラウドの拡張性を兼ね備えており、非常にメリットの多い運用方法です。当社では、タワー型ファイルサーバー『iStorage NS』シリーズとマイクロソフトのクラウドサービス『Microsoft Azure』を組み合わせて提案することで、前述のようなハイブリッドクラウドに対するニーズに応えています」と語る。
具体的には、iStorage NS上に保存されているデータをAzure上に自動で複製することにより、ユーザー側はクラウドを意識することなく、データへの高速なアクセスが可能になる。iStorage NS上のデータはAzureに同期されているため、万が一ハードウェアが壊れてもクラウド上でファイルを保持できる。企業のBCP対策にお薦めの組み合わせだ。対象クラウドは現在のところAzureのみだが、ファイルサーバーとの相性の良さが魅力のクラウドストレージ「Wasabi」との動作検証も進めている。
ハイブリッド運用の管理を簡単に
ファイルサーバーだけでなくITインフラ全体をハイブリッドクラウド化する動きも出てきている。「ハイブリッドクラウド化を進める上では、コスト負担や運用スキル、環境の複雑化といった課題があります」と語るのは、NEC インフラ・テクノロジーサービス事業部門 インフラテックセールス統括部 竹ノ内穣氏。そこでNECでは、既存のオンプレミス環境で利用していた仮想化基盤をそのままクラウドに移行し、同一の管理ツールで統合的に管理する手法を提案している。具体的には、ヴイエムウェアが提供するクラウドサービス「VMware Cloud on AWS」を活用する。これにより、オンプレミス環境の仮想環境をアプリ改修やIPアドレス変更不要でクラウドへ移行するとともに、オンプレミス、クラウドともに使い慣れた共通の標準管理ツール「VMware vCenter Server」やハイブリッドクラウド環境にプラスアルファの統合管理機能を提供する管理プラットフォーム「VMware Aria」によって、ハイブリッドクラウド環境を統合的に管理可能になる。
「仮想化基盤の活用ですと、Windows 11へのリプレースに併せ、PCの仮想化を進める企業も増えそうです。エンドポイント端末をシンクライアント化することで、よりセキュアな運用を実現したい狙いがあります。そうした仮想化基盤には、GPUを搭載したハイエンドなサーバーが向いています。昨今注目を集めるAIの基盤としてもGPUを搭載したサーバーの需要は2024年から2025年にかけて増加していくでしょう」とNEC インフラ・テクノロジーサービス事業部門 コンピュート統括部 浦田章一氏は市場の展望を語った。
発熱や電力消費量の問題に対応
サステナビリティにも貢献
サーバーの性能が向上することによって、システム全体の可用性が上がるなどユーザーが享受するメリットは増える。その一方で、サーバーやITインフラにおいて課題も浮上しているという。その現状や解決策をデル・テクノロジーズに聞いた。
近年、AIの需要の高まりによって、高性能なサーバーが求められており、サーバーに搭載されるCPUの性能は、世代を追うごとにどんどん向上している。しかし、その一方で、サーバー機器には課題も生じている。「CPUの性能の向上に比例して、発熱や電力消費量の問題が発生しています。発熱は、サーバーの性能の低下や故障・ダウンの原因につながります。また、発熱を抑えるための冷却装置の消費電力も拡大しており、サステナビリティの観点からも発熱や消費電力の抑制が重要視されています」と話すのは、デル・テクノロジーズ データセンター ソリューションズ事業統括 製品本部 シニアプロダクトマネージャー 岡野家和氏だ。
そうした課題に対応しているのが、デル・テクノロジーズの「Dell PowerEdge」シリーズだ。Dell PowerEdgeシリーズには、新しい熱設計を施した「Dell Smart Flow」という同社独自の冷却と排熱技術が搭載されている。システムの冷却に必要な電力を抑えながら、サーバーの発熱を低減させられる。「『EPEAT』という電子機器の環境への配慮を評価する環境評価システムで、シルバー認証を取得するなど、当社の製品はサステナビリティへの取り組みとしても評価されています」(岡野氏)
あらゆるワークロードに生かせる
昨今では、サイバー攻撃なども巧妙化しており、セキュリティに対する懸念もある。そうした問題にもDell PowerEdgeシリーズは対応している。「Dell PowerEdgeは『サイバー・レジリエント・アーキテクチャ』を搭載しており、サイバー攻撃に対する防御・検知・回復の能力を強化した設計が施されています。徹底したセキュリティで巧妙化するサイバー攻撃からお客さまの環境を守ります」とデル・テクノロジーズ サーバーCoC, フィールド マーケティング コンサルタント 渡辺浩二氏は説明する。
Dell PowerEdgeシリーズは、上記に挙げた冷却や消費電力、セキュリティなどに対応した豊富なラインアップをそろえている。インテル Xeon E-2400シリーズを搭載した「PowerEdge T360」「PowerEdge R360」、第4世代 AMD EPYC プロセッサーを搭載した「PowerEdge R6615」「PowerEdge R7615」などがある。PowerEdge T360とPowerEdge R360は、GPUをサポートし、エントリーからミドルレンジまで幅広いワークロードに対応する。PowerEdge R6615とPowerEdge R7615は、低消費電力で、あらゆるワークロードに生かせるパフォーマンス性能を持つ。
「当社のサーバーは、安全なデータの保存、処理、分析が可能で、ユーザーの用途に応じて幅広いラインアップから選べます。販売パートナーの皆さまとの協業を深め、今後も多様なニーズに寄り添ってサービス展開をしていきます」とデル・テクノロジーズ データセンター ソリューション事業統括 パートナーセールスエンジニアリング本部 テクニカルセールス部 テクニカルセールスリーダー 頼 啓二郎氏は語った。
エッジ/ハイブリッドクラウド/AIの3領域に注力
時代の潮流を踏まえて製品展開
エッジ、ハイブリッドクラウド、AIの3領域に注力する「Edge-to-Cloud Company」という企業方針を掲げ、2024年度は同領域をけん引するリーディングカンパニーを目指す日本ヒューレット・パッカード(以下、HPE)。時代の流れと共にサーバーに求められるニーズは変化している。2024年はどのようなことが必要になるのか、そうしたニーズにHPEはどう応えていくのか、話を聞いた。
時代やトレンドの移り変わりによってユーザーのニーズも常に変化していく。昨今のITプラットフォームの潮流について、HPEでは、「ITへの期待の変化」「一貫性あるクラウド体験」「急激なIoT/AIの浸透」の三つを挙げる。サーバー市場はx86サーバーの占有率が9割弱を占めており、コモディティ化が進んでいる。そうした中で、電力消費量の拡大が問題視されており、サステナビリティの側面で新たなニーズ(ITへの期待の変化)が発生しているというのが一つ目だ。
二つ目の一貫性あるクラウド体験は、オンプレミス/クラウド/エッジとあらゆる場所にデータやITインフラが存在しており、これに対応する一貫した運用性が求められているのだという。そして、IoT化に伴うデータ生成の拡大と、AIの活用が年々広まっており、ビジネス戦略や市場競争力に大きく影響を与える時代に突入していくというのが、三つ目の急激なIoT/AIの浸透だ。
こうした背景を踏まえ、HPEでは「Edge-to-Cloud Company」を2024年度の事業方針に掲げる。HPE 常務執行役員 パートナー・アライアンス営業統括本部長 田中泰光氏は「エッジ、ハイブリッドクラウド、AIの3領域に注力し、HPEのハイブリッドクラウドプラットフォーム『HPE GreenLake Edge-to-Cloudプラットフォーム』の展開を強化していきます。HPE GreenLake Edge-to-Cloudプラットフォームの拡充を図り、あらゆるベンダーの製品やクラウドサービスを、ベンダーニュートラルおよびクラウドニュートラルによって実現し、オンプレミスとパブリッククラウドの良いところを取り込んだ“第三極のクラウドプラットフォーム”として位置付けたいと考えています」と説明する。
一歩先行くサーバーとして製品展開
サーバー製品に対するニーズも変化している。そうしたニーズに応える製品として、HPEでは“一歩先行くサーバー”をキーワードに「HPE ProLiantサーバー」を提供している。「最新モデルの『HPE ProLiant Gen11』は、クラウド型の運用管理で直感的に扱える点、高いセキュリティ機能を確保した安心感、低消費電力で長期使用を実現するサステナブルな設計などさまざまなニーズに応えた製品です」とHPE パートナー・アライアンス営業統括本部 パートナー技術部 部長 金澤 光氏は話す。
企業において、多様な用途でAIの活用が進んでいる。HPEでは、AI推論向けの製品にも力を入れている。「第4世代インテル Xeonスケーラブル・プロセッサーを搭載した製品では、エッジAI向けの『HPE ProLiant DL320 Gen11』や生成AI向けの『HPE ProLiant DL380a Gen11』などを提供しています。HPE ProLiant Gen11サーバーは筐体設計の改良によって、AIの利用に欠かせないGPUの搭載枚数を向上させているのが特長です」(金澤氏)
第4世代AMD EPYCプロセッサー搭載した製品では、エッジに最適化された「HPE ProLiant DL325 Gen11」やストレージに最適化された「HPE ProLiant DL345 Gen11」などを提供している。性能と電力効率を高めており、前世代の機種と比較して、最大99%の性能向上および最大43%の電力効率向上を実現した。
HPE ProLiant Gen11サーバーはいずれのモデルも、顧客ごとのさまざまな要望や課題に寄り添う製品として、次世代の多様なニーズに応えていく。HPEでは、こうした製品・サービス展開に注力していくほか、HPEの製品・技術に関する情報を発信するWebサイト「HPEまるごと情報局」を展開するなど、顧客や販売パートナーに向けての支援策もさらに強化していく予定だ。
AI時代に最適化されたサーバーで
日本企業の国際競争力の強化を支援する
「守りのIT投資」と「攻めのIT投資」という言葉がある。守りのIT投資は事業の効率化やコスト削減を目的としているが、攻めのIT投資はITを活用してビジネスモデルを変革することで、収益の増加を目指すような取り組みだ。企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現するために求められるのは攻めのIT投資であり、海外では積極的に取り組んでいる企業が多い。
「日本の企業さまは守りのIT投資に重点をおいています。しかし、国際競争力を強化していくためには、攻めのIT投資へと姿勢を転換していく必要があります。日本市場にITインフラの変革を促し、企業のDXを促していくために、当社では二つのフェーズに分けてお客さまの新しい分野のワークロードへのシフトを支援しています」と語るのは、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ ソリューション推進本部 本部長 早川哲郎氏。
一つ目のフェーズとして早川氏が提案するのは、ITインフラの統合管理だ。サイロ化されたインフラ環境がユーザー企業に数多く残る中で、HCIを導入することでその基盤の運用や拡張など、柔軟な活用が可能になる。そうしたニーズに対して、同社は第4世代AMD EPYCプロセッサーを搭載したシングルソケット1Uサーバー「ThinkSystem SR635 V3」を提案する。「ThinkSystem SR635 V3はサーバー集約に向いています。例えば5台のサーバーをリプレースする場合、サーバー自体の購入コストも大きいのですが、消費電力が大きいというのも課題です。そこで、ThinkSystem SR635 V3にサーバーを集約することで、導入コストはもちろん、その後にかかる電力コストも、AMD CPUの本製品であれば3分の1に抑えることが可能になります」と早川氏。
企業のAI活用を支援
二つ目のフェーズとして早川氏は、AIやIoT、デジタルツインといった先端技術の活用を指摘した。「フェーズ1で導入したインフラを活用し、DXを実現しなければ、企業競争力の強化にはつながらないでしょう。当社では、世界中の全ての人と企業にAIを提供する『AI for All』のビジョンに基づき、企業のAI活用を支援しており、機械学習に適した『ThinkAgile VX Series V3 with 4th Gen AMD EPYC Processors』に加え、エッジ側でAIを活用する場合に適したAIエッジサーバー『ThinkEdge SE360 V2』を用意しています。ThinkEdge SE360 V2はコンパクトながら内部にGPUやWi-Fiも搭載しており、米国などでは小売店舗における自動チェックアウト処理などに活用されています」(早川氏)
同社サーバーを新規に導入する、中堅中小企業や店舗向けのサーバーもラインアップしている。インテル Xeon E-2300 プロセッサーを搭載した「ThinkSystem ST50 V2」はコンパクトなタワー型サーバーで、エントリーレベルの価格帯でプロフェッショナルレベルの機能を提供する。
「レノボはPCに関しては非常に高い認知度を誇っていますが、日本でのサーバーの認知度はPCほど高くはありません。以前から当社のPCを提案されている販売店さまに当社サーバーも取り扱ってもらえるような施策『Lenovo 360』を出してきました。具体的には、営業チームをPCとサーバーで分けるのではなく、同じ担当者がPCとサーバー両方を担当したり、当社の見積もりシステムでサーバーの在庫や価格をすぐに確認できる仕組みを整えたりするなどしていく施策です。2024年も引き続き、販売店さま含むビジネスパートナー向けラーニングなどの施策強化を進めて参ります」と早川氏は展望を語った。
国内PCサーバーの出荷金額は2年連続増加
サーバー集約や生成AI需要が今後も市場を伸ばす
企業におけるクラウドサービスの利用が進む中で、サーバーの需要はどのように変化しているのだろうか。MM総研の調査から、技術の進展に合わせて変化するサーバーの需要が見えてきた。
基幹システム向けの
サーバー集約が進む
国内PCサーバー市場が好調だ。ICT市場調査コンサルティングのMM総研が2023年12月27日に発表した「2023 年度上期国内PC サーバー出荷台数調査」によると、2023年度上期の国内PCサーバー出荷台数は、前年同期比0.9%減となる16万9,646台と、4年連続の減少となった一方で、出荷金額は同17.5%増となる1,492億円となった。出荷台数の減少と出荷金額の増加は2年連続の傾向となる。
MM総研 執行役員 研究部長 中村成希氏は「サーバー出荷台数減少の背景には、オフィス用途などのオンプレミス向けPCサーバーの需要がパブリッククラウドにシフトしたことや、基幹システム向けのサーバー集約が進んでいることがあります。一方で企業の財務会計や受発注情報などを処理する基幹システムは、企業内のオンプレミスサーバー上にプライベートクラウド環境を構築して運用するケースが増えています。また業務の自動化に加え、生成AI向けのデータ活用の需要が増えており、サーバー単価が大きく上がっていることから、出荷金額は増加しました」と語る。
企業のサーバー集約を後押しした背景には、Windows Server 2012/R2のEOSに伴うサーバーリプレースもあったようだ。EOSに伴って、複数台のサーバーを1台に集約する動きが加速した。Windows Server 2012/R2サーバーは、Azure基盤に移行することより、「拡張セキュリティ更新プログラム」(ESU)を無償で利用でき、セキュアに延命が可能になる。このESUは、Azure Stack HCIでも利用できるため、移行先としてAzure Stack HCIを選択した企業も存在する。
生成AIの広がりで
サーバー単価が上昇
サーバー1台当たりの出荷平均単価も上がっているという。背景として、前述した生成AIの需要のほかに為替の影響が指摘された。「出荷台数の減少の部分でも指摘しましたが、サーバー集約が進む中でサーバー自体も1Wayサーバーから2Wayサーバーへと需要が移っています。それにより出荷平均単価が向上している側面もあるでしょう。為替は高止まりが続いているため今後の市場に与える影響は大きくないと見ていますが、サーバー集約に加え生成AIの需要は今後さらに増加することが予測されます。それらの要因によって、今後も出荷台数の減少と出荷金額の増加は続いていくことが見込まれています」と中村氏。
生成AI向けサーバーの需要は、現在どのような動向なのだろうか。中村氏に尋ねると2023年度の国内PCサーバー出荷金額実績と予測を示し「下期も含めた2023年度国内PCサーバー出荷金額は、当社が統計を開始した1999年度以降で過去最高となる3,177億円を予測しています(上期分は実績)。そのうち、AIアプリケーションを動かしているサーバーと、AI向けのデータストレージ用途で利用しているサーバーを合わせると10%未満ほどになると見込んでいます。しかし今後3年間の間に、この生成AI向けサーバーに対する投資金額は、大きく増えるでしょう。プライベートサーバーを更新するうち、最低でも20〜25%は生成AI用途のものになるのではないでしょうか」と指摘した。具体的には、自社で管理する必要のある契約文書や知的財産などを取り扱う生成AIについては、プライベートデータセンターやオンプレミス(プライベート)サーバーの利用がメインとなる見込みだ。
AI推論などの用途に対応し
プロセッサーの需要も変化
また、企業における生成AIをはじめとしたAI活用の増加に伴い、サーバーCPUの選択にも変化が生じているようだ。中村氏は「企業が利用するPCサーバーのプロセッサーとして多いのはインテルとAMDですね。特にAMDは価格当たりの性能の高さが評価されており、一定のパイを獲得しています。一方で、CPUの評価軸が変わりつつあり、AI推論のために必要な処理性能がどれくらいあるかを重視しているケースも少なくありません」と指摘する。具体的にはGPUや、AI向けプロセッサーであるNPUが重視される傾向が出てきており、クアルコムやエヌビディアなどの半導体ベンダーもサーバー向けプロセッサー競争に加わっている。
「AWSやマイクロソフト、Googleなどの、自分たちがサービスプロバイダーとなって生成AIを提供する企業などは、その演算処理サーバーのプロセッサーを自社で独自設計しています。こうした動きが日本でも起こると、産業構造が大きく変わるかもしれません。例えばある日本の大手クラウド事業者が、生成AI用のサーバー環境をプライベートで設定すれば、ほかの企業が自社のビジネスに活用できるようになります。このような動きが広がると、サーバー向けCPUベンダーの動向が大きく変わるかもしれません」と中村氏は指摘する。
生成AIの活用は大企業から進んでいるが、その次に自治体や政府といった官公庁でも利用が増えている。一方で、住民情報といった機密性の高い情報を扱う自治体では、外に出せないデータを活用するオンプレミスサーバー、外部保存でも支障のないデータを活用するクラウドといった形で使い分けが進んでおり、そうした環境にサーバーのマイグレーション提案が有効に働く可能性がある。
「多くの企業や自治体では、オンプレミスだけ、クラウドだけではなく、それら両方を必要に応じて使い分けながら運用したいというニーズが多いのですが、地方に行くほど両方の運用ができる人材が不足しています。販売店の皆さまには、どちらか片方だけではなく、両方のインフラの提案やサポートができるようにすることがビジネスを広げていく上で重要になるでしょう」と中村氏は語った。