富士通、社会課題解決を支援するAI戦略を発表

AI戦略

 富士通は2月14日、自社のAI戦略に関する説明会を実施した。同社は、先端AI技術を試用可能なプラットフォーム「Fujitsu Kozuchi」をAIサービスとして商品化し、社会課題解決を支援する事業モデル「Fujitsu Uvance」のオファリングに融合することを発表した。

 さらに新たなプラットフォームとして「Fujitsu Data Intelligence PaaS」を、テクノロジーコンサルティングサービスと併せて2024年3月末から提供開始することを発表した。Fujitsu Data Intelligence PaaSは、Fujitsu Kozuchi、企業・業種を超えたデータ連携とトレーサビリティを実現するブロックチェーン技術「Fujitsu Track and Trust」、Microsoft Azureをはじめとしたデータ基盤の三つで構成される。このプラットフォームは、組織内外に散在するデータを統合的に連携・分析することで、企業の意思決定を支援する。

 同社 執行役員 SEVPグローバルビジネス ソリューションBG長 兼 全社Fujitsu Uvance担当 高橋美波氏は「AIの実装を加速させることで、Fujitsu Uvanceのオファリングをより使いやすくし、社会課題の解決に取り組んでいきます」と意気込みを語った。

富士通が提供するAIの強み

 同記者会見では、富士通が提供を行うAIの強みについても説明が行われた。同社が挙げた強みは三つある。

 一つ目が、独自の生成AIとトラスト技術だ。文書解析といった特定の業種・業務に特化した生成AIの開発に加えて、複数の生成AIの混合を実現している。また、10億ノードを越える関係性を検証できる独自のナレッジグラフによって、AIの説明可能性を確保しているのだ。

 二つ目が、世界最高レベルのAI技術と世界最速レベルの計算技術の融合だ。ヒューマンセンシング技術や因果発見技術といったAI技術と、量子コンピューターなどの先端技術を組み合わせることによって、さまざまな応用分野で高い性能を発揮する。

 三つ目が、7,000件以上の導入実績だ。同社は、30年以上にわたり世界中の業種にAIソリューションを展開し、顧客から高い評価を得ている。

 同社 執行役員 SEVP CTO, CPO 兼 システムプラットフォームBG Co‒‒Head ヴィヴェック・マハジャン氏は「これら三つの強みを生かして、今後もAIソリューションを展開していきます」と展望を語った。