Special Feature 2
本格始動!
2024年に向けたConTech
―デジタルで働き方をカイゼン

建設とTech(技術)を組み合わせたConTechが、今建設業界から注目を集めている。その背景には、建設業界で課題となっている“働き方”がある。2019年4月から施行された「時間外労働の上限規制適用」だが、建設業においてはその適用が2024年3月まで猶予されている。建設企業は時間外労働の上限規制適用までに、自社の働き方を変えていく必要があり、そこで求められてるのが、デジタルツールなのだ。

働き方改革のファーストステップに

HUMAN RESOURCES

時間外労働の上限規制適用が始まる前に、まずは現在の従業員の労働時間を正確に把握することが必要だ。しかし、建設現場への直行直帰の多い建設業では、労働時間を正確に記録することが意外と難しい。そこで提案できるのが、勤怠管理システムだ。

まずは勤怠管理からスタート

ネオキャリア
経営企画本部
プロダクトデザイン部 部長
jinjer Chief Product Officer
松葉治朗 氏

 建設業界はいわゆる3K(きつい、危険、汚い)の職場として知られる。そうした労働環境を見直すために進められているのが、建設現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)だ。ネオキャリアの松葉治朗氏は「2019年4月1日から、働き方改革関連法が順次施行されたのはご存じの通りです。一方で建設業界では、時間外労働の上限規制適用までに猶予期間が設けられており、2024年4月以降の適用となります。この適用に向けて、現在建設業界でも働き方改革への取り組みに着手するべく動き出しています」と語る。

 そうした働き方改革のファーストステップとして、ネオキャリアが提案するのが人事向けクラウド型プラットフォームサービス「jinjer」(ジンジャー)だ。jinjerは、一つのプラットフォームに「人事管理」「勤怠管理」「労務管理」「ワークフロー」「経費精算」「給与計算」「コンディション管理」「雇用契約」といった企業の人事データを全て集約している。その中でも松葉氏は「まずは勤怠管理を提案したいですね。時間外労働の上限規制適用が実施される前に、現場の労働時間を正確に把握できる仕組み作りが必要です」と指摘する。

 国土交通省の調査によると、建設業は全産業平均と比較して年間300時間以上の長時間労働が課題となっている。また、他産業では当たり前となっている週休2日も取得できていない。労働時間の正確な把握や休暇の申請をデジタル化することによりこうした課題を解決し、働き方改革を進めていくことが重要だ。

 松葉氏は「建設業界の長時間労働が是正できていない背景には、そもそも労働時間の管理ができていないことが挙げられます」と指摘する。現場への直行直帰が多い建設業では、勤怠管理用のタイムカードを導入しても使われなくなってしまうことや、紙での労働時間管理が負担となり、適正な労働時間管理に結びつかないのだ。

過重労働を未然に防止

 そうした建設業における勤怠管理の課題に、ネオキャリアは勤怠管理システム「jinjer勤怠」を提案している。「建設業に訴求できる最大のポイントは、スマートフォンアプリに対応している点です。

 GPS打刻機能が搭載されているため、不正な打刻を防止できます。現場へ直行直帰する場合でも、実際に現場に行った証明が可能になるのです。また従業員以外の人間が不正に打刻することを防ぐため、打刻時にカメラを起動させ、顔写真を撮影して笑顔の点数をつける笑顔判定機能も搭載しています」と松葉氏。

 jinjer勤怠を導入する建設企業の傾向を聞くと、松葉氏は「紙ベースで業務を進めている企業が大多数ですね。働き方改革のファーストステップとして、jinjer勤怠を選択、活用する企業は少なくありません」と答えた。

 jinjer勤怠は勤怠データの自動集計が可能だ。労働時間をリアルタイムで集計できるほか、フレックスや裁量労働などの自動集計にも対応している。紙の勤務表に手書きで管理している場合、勤務表をすぐに回収できなかったり、記入ミスが起こりやすかったりといった課題が生じるが、jinjer勤怠に切り替えることで、そうした負担を大幅に削減できるのだ。

 また、従業員の勤務状況や残業時間などの予定や実績と、その際を把握できる予実管理にも対応している。従業員の労働時間のリアルタイム管理やグループごとの人件費管理が行えるほか、月末の労働時間や残業時間の着地予測を算出でき、従業員の過重労働も未然に防止できる。

建設業の労働時間を可視化するために、まずはjinjer勤怠の導入がお薦めだ。

勤怠から人事管理に活用広がる

「jinjer勤怠導入後、さらに人事管理の幅を広げることもjinjerであれば可能です。導入パターンとしては3パターンあり、一つ目は人事管理システム『jinjer人事』を導入して、組織管理をさらに効率化させるパターン。二つ目はコンディション管理システム『jinjerワーク・バイタル』を導入し、従業員のコンディションを定点的に管理・解析することで、離職率の低下を図るケース。三つ目は経費管理システム『jinjer経費』を導入し、交通費や経費の精算を効率化させるケースです。コロナ禍の影響で建設業においても在宅勤務が徐々に普及しつつありますが、jinjer経費であれば自宅からでも経費や交通費申請が可能になります」と松葉氏は、jinjer勤怠をフックにした製品提案について語ってくれた。

 ネオキャリアのjinjerは、冒頭に述べたように人事にまつわる全てのデータ管理が可能なサービスだ。そのため、働き方改革が進むにつれて必要になる社会保障の整備やその管理、手続きといった企業に求められる対応も、jinjerで包括的に可能になる。「jinjerは勤怠管理や経費管理など、部分的な機能で導入が可能なため、DXを前に進めるツールとして最適です。jinjerは管理者の負担を最大減に削減できる人事管理ツールです。人事の負担軽減なしに、従業員の負担軽減は望めません。まずは勤怠管理から、建設業の働き方改革を初めてみてはいかがでしょうか」(松葉氏)

jinjer勤怠をファーストステップに、jinjer人事やjinjer経費など、建設企業の人事管理をDXしていく提案が可能だ。