コンピテンシー
高い業績や成果を生み出すハイパフォーマー(高業績者)に共通する行動特性のこと。人事評価や人材の採用に用いられてきた評価基準の一つで、最近は従業員の成長を促し生産性を向上させる手段として、コンピテンシーを導入する企業が増えている。
高度なスキルを持っていても、「行動」に結びつかなければ高い業績や成果にはつながらない。従業員の一人ひとりの行動の質を高め、生産性向上を図るには、ハイパフォーマーの行動特性を把握すること。ハイパフォーマーから「どのような思考で、どのように行動するか」を丁寧にヒアリングし、なぜ高業績を出すのかを分析。優秀な人材の行動特性を明確にすれば、従業員がコンピテンシーを意識した行動を取れるようにり、ハイパフォーマーへの成長が期待できる。
コンピテンシーを導入するには、目的や分野ごとに具体的なコンピテンシー項目を定める必要がある。複数人のハイパフォーマーへのヒアリングと分析が必須なため、項目の設定には手間と時間がかかる。また、ハイパフォーマーの中には、行動の理由や思考パターンをうまく表現できない人もいるため、サンプルの取得が困難な場合もある。いったんコンピテンシー項目を設定しても、運用が長期に及ぶと、時代の変化に対応できなくなるリスクもある。
(青木逸美)