コアコンピタンス
コンピタンス(Competence)は、「能力」「力量」「適性」などを指す。企業が持つ様々なコンピタンスのうち、企業の中核(Core)となる技術・能力のことを「コアコンピタンス」という。「自社の強み」を意味する類似語に「ケイパビリティ」がある。
コアコンピタンスは、G・ハメルとC・K・プラハラードによって広められた概念で、「顧客に対して、他社には真似のできない自社ならではの価値を提供する、企業の中核的な力」と定義。「顧客に何らかの利益をもたらす自社能力」「競合相手に真似されにくい自社能力」「複数の商品・市場に推進できる自社能力」の3つの能力が条件であると主張している。
さらに、コアコンピタンスを見極めるには、以下の5つの要素がある。
- 模倣可能性(Imitability)→模倣される可能性が低い
- 移動可能性(Transferability)→他製品や技術に活用できる
- 代替可能性(Substitutability)→他製品に代え難い
- 希少性(Scarcity)→技術や特性に希少価値がある
- 耐久性(Durability)→長期間、競争優位性を保持できる
自社の戦略や方向性を決めるうえで、コアコンピタンスは重要な鍵を握っていると言える。自社の中核となる強みを見極め、コアコンピタンスを確立させ、戦略的に経営へ生かしていくことが大切。そして、一度確立したコアコンピタンスも、時代の移り変わりや市場の変化に合わせて再定義し、進化し続けることが重要である。
(青木逸美)